自分に自信が持てないとき
今回は、
「自分に自信が持てないとき」
について一緒に考えていきたいと思います。
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■自分に自信が持てない2つの原因
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多くの技術系企業様のダイバーシティ推進や
女性管理職・女性リーダー育成に携わっていると、
「自信が持てない」
という悩みを打ち明けてくださる女性社員の方が
非常に多く見受けられます。
最近では、次世代リーダー候補として上司から
推薦された方が受講するパターンが増えているため、
少なくとも、会社側から管理職としての資質や
これまでの成果を認められている方がほとんどです。
しかし、当の本人たちは、自信が持てなくて
不安でいっぱいになっているのです。
なぜ、このような状態に陥ってしまいがちなのでしょうか。
私が考える女性管理職・女性リーダーのみなさんが
なかなか自信が持てない主な原因としては、
1) 管理職・リーダーに求められている行動の理解が限定的
2) 自身の課題点・改善点のみにフォーカスしてしまっている
この2点について特に注視しています。
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■管理職・リーダーに求められている行動の理解が限定的
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管理職・リーダーの役割とは、そのチームの実務については、
自分が一番精通して、成果を上げていないといけない、
ということではありません。
今の時代に実現が必須のD&Iの考え方を取り込んだ
管理職・リーダーの役割としては、
チームメンバーそれぞれの力を引き出し、
チーム成果をもたらすための関わりをすることです。
そのためには、自らの思考特性・行動特性を理解し、
それを強みとして活かし、チームメンバーの
パフォーマンスを上げ、チーム成果を最大化することで
会社成長に貢献する、という行動のあり方が
重要であると私は考えています。
よくありがちなのが、自らの特性が上司や周りのリーダーと
異なることから、自分は管理職やリーダーには
向いていないと思い込んでしまっていることです。
D&Iの考え方でいうと、周りとの違いこそ「価値」。
自らの特性を強みとして活かして価値とする、
という発想が必要だと思います。
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■自身の課題点・改善点のみにフォーカスしてしまっている
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自身の課題を真摯に捉え、克服する姿勢は
必要であり、重要なことでもあります。
しかしながら、課題点のみにフォーカスしてしまうと、
そのあまりの克服すべき点の多さに自信を失くし、
せっかくの意欲が失われてしまうことも往々にしてあります。
また、克服のための取り組みも、
出来ていないことばかりに注力し続けてしまうと、
モチベーションが思うように上がらないといった
状態を招きかねません。
私は、そんな方に対して
「自分の強みに着目し、その強みを活かすことを通して、
課題点を無理なく克服するのはいかがですか」
とアドバイスをするよう心がけています。
それが、今の苦しい気持ちを少し楽にして、
克服に向けた取り組みのモチベーションを
上げることができた、という自分自身の経験から、
実感を持ってお伝えしていることでもあります。
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■【経験談】自分の強み発揮が突破口になる
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私が大企業で働いていた頃、男性社会の組織風土の中で
思うように仕事が進まない場面が何度も重なり、
仕事に対するモチベーションが下がり気味だった
時期がありました。
そんな時、ある社外女性部長の方と話す機会があり、
私の悩みに対してこんなアドバイスをくださったのです。
「周囲の男性と私たち女性は同じように働くことは
できない。だから、自分ならではのスタイルを
見つけるの。そうしたら、気持ちも楽になるわよ」
この言葉をきっかけに、私が得意だった「人の考えを察する」
という特性を強みとして活かして、チームメンバーの
サポートする側に意識的に回るようにしました。
すると、周囲との関係性が良くなり、
私の仕事を応援してくれる人が出てきて、
自分が進めたいプロジェクトの協力体制も
構築することにつながったのです。
社内に自分の応援団がいると思うと、
何かあったら助けてくれるという安心感が生まれ、
思い切ってチャレンジすることができるようになり、
結果として成果を出して会社に認めてもらえるように
なりました。
この実体験から、自分の特性を強みとして
発揮することが突破口となって、最終的には
自分の成長、そして会社の成長へと
つながっていのだと確信を持てるようになったのです。
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■「可能性」を信じる
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私が研修等の場で自信喪失している女性の方に
よくお伝えすることの1つに、
「自分の“可能性”を信じてください」
ということがあります。
自分には弱みもあれば、強みも必ずあり、
その強みを自分の成長の「可能性」として
捉えてもらうことで、安心して仕事にチャレンジ
できるようになった方を多く見てきました。
特に、男性管理職比率8割超といった技術系企業の
人事担当者、ダイバーシティ推進担当者といった方で、
社内の女性社員やマイノリティな立場にある方が
自信が持てずに悩んでいるような姿を見かけた時は、
ぜひ、じっくり話を聞いて、自分の可能性を信じて
挑戦する気持ちを持ち直せるような、そんな関わりを
意識していただけたらと思います。
- 経営戦略・経営管理
- モチベーション・組織活性化
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◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。
細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
対応エリア | 全国 |
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所在地 | 千代田区 |
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