技術系企業の女性社員が女性向け研修を好意的に受け止めた背景
今回は、
「ジェンダーギャップ解消がもたらすD&I推進」
について考えていきたいと思います。
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■「女性向け研修」を好意的に受け止めた背景
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「なぜ女性だけ集めるのか」
という声が集まりやすい女性社員対象の育成施策に
頭を悩ませる経営者・人事担当者もいらっしゃるかと思います。
しかし、ある技術系企業において、
女性向け研修に対して非常に好意的に受け止められ、
実際に女性社員の9割が参加表明をしたという
組織に遭遇しました。
その企業様で実施した個別相談にて、
ひとりひとりにヒアリングし受講理由を聞いたところ、
ある共通の課題感が浮かび上がってきました。
今回のコラムでは、働く女性が抱える
共通の課題感について触れながら、
経営者や人事担当者が組織のジェンダーギャップ解消に向けて
取り組むための発想法について考えていきたいと思います。
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■働く女性が抱える共通の課題感
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今回の研修対象者である女性社員25名の
基本的な属性は以下の通りです。
業種:技術系企業の営業および技術者
年代:20代〜30代後半
既婚:全体の4割
子どもの有無:全体の2割
雇用形態:正社員・総合職
個別面談で課題感をヒアリングしたところ、
大きく3つのことが浮き彫りになりました。
1)ライフイベントに影響されることがまだまだ多い
2)新3Kの働き方は長期的に難しい
3)求められるリーダー像が不明確
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1)ライフイベントに影響されることが多い
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「子どもが生まれたら、今まで通りには働けない」
「今後独身でも、親の介護の可能性がある」
と、ライフイベントによる仕事への影響について
考えている方が多く見受けられました。
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2)新3Kの働き方は長期的に難しい
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「自分はあんなふうに働く自信がない」
「男性と同じ働き方は体力的に厳しい」
新3K(キツイ・厳しい・帰れない)の職場環境と
管理職が部下の代わりに残業する姿などを見て、
自分が働き続けるイメージを持ちづらいといった
印象を受けました。
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3)求められるリーダー像が不明確
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「管理職はだれよりも長時間働くべき」
「高い技術力と強いリーダーシップがないと管理職になれない」
リーダー像に対する既成概念・アンコンシャスバイアスが
あることで、自律的なキャリア形成につながりづらい
という弊害があると感じました。
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■ジェンダーギャップ解消がもたらすD&I推進
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男性管理職比率8割超といった技術系企業では
どうしても画一的な働き方、考え方が
まだまだ残っている組織も少なくありません。
そんな組織の中のマイノリティでありながら、
最大数である女性社員の方が持つ課題感を
今回ご紹介しましたが、やはりその画一的な部分に
同質化せざるを得ない女性社員のリアルが
垣間見えたのではないかと思います。
もし、女性社員の方が抱える課題感を解決し、
無理なく自分らしいキャリアを築きながら
会社貢献していく人材に成長するために必要なのは
何かと問われたら、私は迷わず
“しなやかさを備えたリーダーの存在”
であると断言するでしょう。
女性に限らず、管理職・リーダーが持つべき姿勢として
「しなやか姿勢」を全国の技術系企業の現場で
お伝えしていますが、“しなやかさ”の定義は、
このように考えています。
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柔軟性はありつつも、芯がしっかりしていて
折れない・ブレない強さを持つ
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D&I推進の突破口はジェンダーギャップ解消です。
なぜなら、女性が力を発揮できない組織では、
全ての人たちが力を発揮できるはずもないからで、
この課題を突破していくキーパーソンは
当事者意識を持つ女性社員であると確信しています。
経営者や人事担当者の方には、ぜひ本メルマガで
ご紹介した技術系企業の女性社員の本音をご参考に、
ジェンダーギャップ解消への取り組み施策について
ご検討していただければ幸いです。
- 経営戦略・経営管理
- モチベーション・組織活性化
- キャリア開発
- リーダーシップ
- マネジメント
◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。
細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
対応エリア | 全国 |
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所在地 | 千代田区 |
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