しなやか姿勢5原則 3:自分が今できることに全力で取り組む
今回は、「しなやか姿勢の5原則」のうち、
●原則3:まずは自分が今できることに全力で取り組む
について一緒に考えていきたいと思います。
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【しなやか姿勢とは】
どのような環境・条件の中でも
柔軟思考で、自らの特性を強みとして最大限発揮して
道を切り開いていこうとする姿勢のこと
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■孤独感を感じがちな技術系企業の女性リーダー
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特に、男性管理職比率8割超といった技術系企業で
働く女性リーダーは、まだまだ組織においては
マイノリティな立場であることは否めません。
そういった中で、新しい視点・新しい働き方を
当事者意識を持って取り組み進めていこうとすると
孤独感にさいなまれることも多くあるのが現状です。
長い期間、男性主体の意思決定を行ってきた
組織において、これまで特に問題もなく、
成果を出してきたのであればなおさら、
「そんなに頑張って変える必要ある?」
と、新たな考えや取り組み自体をなかなか
受け入れづらい環境が残っていることも
往々にしてあるのではないかと思うのです。
そんな反主流の意見に抗うことが多い傾向にある
技術系企業の女性リーダーは、
不安を感じたり、自信喪失するなどして、
最終的には「たった一人で取り組む孤独感」
へと繋がってしまうことも多々あるということは
私自身の経験からも痛感しているところです。
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■あきらめず、自分ができる範囲で行動する
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現在、ある技術系企業の女性活躍推進プロジェクトに
携わり5年目となる企業様において、
全女性社員の皆様おひとりおひとりと1on1ミーティングに
取り組ませていただいている真っ最中です。
その中でも、人一倍熱心に会社全体の
生産性向上を目指して積極的に周囲へ意識調査を
行ったり、独自のシステムを試験的に導入して
業務効率化に取り組んでいる女性がいるのですが、
やはり今とても孤独感を感じていると
打ち明けてくださったのです。
彼女は今まさに、組織全体の業務改善につながる
新規プロジェクトを立ち上げることについて
同じ立場の女性社員に対して広く意見を求めたところ、
賛成が3割に満たなかったことで自信を喪失
している状態でした。
落ち込む彼女に、私はこんな風にお伝えしました。
「3割弱の人たちが賛成していることは
むしろすごいことだと思いますよ!
私自身もよくやっていたのですが、
まずは賛成してくださっている皆さんと一緒に
スモールスタートを切ってみるのも
1つかと思いました。
PDCAを回して、少しずつでも結果を出せば
その姿を見た周囲も意識が変わって、一緒に
行動してくれる仲間も増えるかもしれません」
この話を聞いた女性は、
「あきらめずに、まずは行動あるのみですね!」
と明るい表情でおっしゃってくださったので、
私はほっと胸をなでおろした次第です。
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■あきらめずに行動することが、D&I推進へつながる
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長期間、主に男性視点で運営されてきた組織に
新しい視点や考え方、働き方を広げていくためには、
マイノリティの立場の人たちの取り組みから生まれる
結果や成果が欠かせません。
特に、技術系企業に特化したD&I推進で
3,000名以上の方と関わっている私は、
「男性管理職8割超の組織のD&I推進のキーパーソンは、
マイノリティの立場の中でも最大多数である女性、
その中でも女性リーダー・女性管理職である」
と、確信しています。
しかし、これまでお伝えした通り、そういった組織では
女性リーダーはまだまだ数も少ないのが実態です。
日常のマネジメント業務の傍らで、
「女性社員のロールモデルとして行動して欲しい」
「ダイバーシティ推進について意識して欲しい」
「次世代女性リーダーを育成して欲しい」
そんな会社からの期待もたった一人で背負っている
といった方も少なくないため、不安や孤独感を
感じやすいのは不可抗力かもしれません。
しかし、あきらめずに取り組まなければ、
D&I推進にはつながらないことも事実だと思います。
どうしてもつらくなった時に思い出していただきたいのが
「しなやか姿勢の5原則」の原則3、
●まずは自分が今できることに全力で取り組む
です。
例え新しい挑戦に対する反発に遭っても、
そこに屈せず、組織のために取り組むべき課題であれば
自分ができる事を全力で、あきらめずに取り組むことが、
結果として、会社全体がより良くなる突破口になるはずです。
そういった意味でも、しなやか姿勢の原則3を持つ
リーダーの存在が、組織のD&Iを進める上では
非常に重要であると私は考えています。
- 経営戦略・経営管理
- モチベーション・組織活性化
- キャリア開発
- リーダーシップ
- マネジメント
◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。
細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
対応エリア | 全国 |
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所在地 | 千代田区 |
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