他社交流で成長を加速させる〜孤軍奮闘する女性管理職たち

今年も残り4ヶ月となりました。
日々の取り組みに忙殺されてしまいそうになると私は「何のためにやっているのか」と
自分に問いかけるよう意識しています。
それは即ち「企業理念」に他ならない、と思う今日この頃です。
<リノパートナーズの理念>
日本のイノベーションに欠かせない技術系企業の中にひとりでも多くの“しなやかなリーダー”を生み出し、
その人が仕事への感動とやりがいの輪を広げることで全ての人が安心して成長できる未来を創ること。
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■孤軍奮闘する女性管理職たち
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先日、複数の技術系企業の女性の管理職クラスの方が
参加される研修に講師として関わらせていただきました。
様々な技術系企業で働く女性管理職や次期リーダーの方が
30数名ほど集まり、主にマネジメントに関する知識付与に取り組ませて
いただいたのですが、非常に印象的だったのが
●みんな、孤軍奮闘している
ということでした。
受講者が働く職場環境は、男性管理職比率8割超の技術系企業であり、
当たり前ですが周囲に女性社員は極めて少ないといったマイノリティの中で、
さらに管理職の立場となると、自分だけ・・・という方がほぼ全員。
そんな女性たちが抱く孤独感は計り知れないものです。
「私にできるだろうか」
「これでいいのか、分からない」
そんな自分の中で抱える葛藤を、誰にも話せずに
とにかく踏ん張って日々のマネジメントに取り組んでいる姿が
目に浮かぶようで、私も自分がかつて企業の管理職だった頃思い出し、
切ない思いで胸が痛くなりました。
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■孤独なのは、仲間がいないから
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孤独感を抱く理由の1つが、
目の前の課題感を、自分と同じ目線で
見ている人がいないからではないか、と私は考えています。
例えば、ダイバーシティ推進や女性活躍推進の取り組みへの
理解を一人一人に深めてもらい、実際に多様な価値観や
働き方を受け入れ合い、認め合う組織にするためには、
想像以上に時間がかかることはご存知の通りかと思います。
組織に多様性をもたらす突破口となるのが
マイノリティの立場にあり、当事者意識を持った人物に
なると思うのですが、殊、技術系企業においては、
女性管理職がその役割を担っていることが殆どです。
業務としてのマネジメントはもちろん、
女性管理職のパイオニアとして、
社内で活躍する女性社員のロールモデルとして、
中には、企業のダイバーシティ推進の役割も
会社から求められているという方も少なくありません。
当の本人も、会社の期待や次に控える次世代女性リーダーのために、
より良い職場環境を作りたいと、真摯に向き合っているため、
そういった周囲の環境からも、孤軍奮闘しがちなのが
「女性管理職」という立場にある女性たちではないかと思っています。
普段はたった一人で現場で様々な取り組みに尽力している
女性管理職の皆さんが、今回の研修で一堂に会して、
お互いの課題感について共有することを通して、
「私と同じ悩みを抱えていることが分かりました」
「私だけじゃなかったと思うと、ホッとしました」
こんなコメントが研修の場にたくさん寄せられました。
きっと参加された皆さんにとって、自分と同じ目線で
課題感を共有できる“仲間”が増えたような気持ちが芽生えて
安心感を得ていただけたのではないかと思っています。
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■他社交流で成長を加速させる
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冒頭でご紹介した当社の企業理念を実現させるためには、
組織の中にたったひとりであったとしても
“しなやかなリーダー”を誕生させる必要があります。
しかし、やはりたった一人きりでは辛いし、
心が折れてしまって、諦めそうになる場面は
数え切れないほどあるのではないでしょうか。
そういった時に必要なのが、同じような立場で、
同じような課題を抱えている仲間ではないかと思います。
だからこそ、私は自社独自の管理職育成プログラム創設当初から
実際に受講者同士のネットワーク作りを推奨し続けています。
今回の研修でも、参加者の皆さんが孤軍奮闘されている様子が
研修冒頭から伺えたので、思い切ってグループワークの時間を多くし、
ワーク後の振り返りや共有も全グループに発表してもらうなど
丁寧に皆さんの声を拾っていくことに注力しました。
研修終了後はグループでお互いの連絡先を交換し合う等、
引き続き、連絡を取り合おうとされている姿が非常に印象的でした。
今回の研修を通して、それぞれの企業で、孤独に“しなやかリーダー”として
奮闘する女性たちが、悩んだり辛くなった時に、何でも相談できる
コミュニティを創り出すお手伝いができたと手応えを感じた次第です。
*
今回の当社の取り組みのように、同じような課題感を持った、
同じような立場の人たち同士で、あえて違う業種の人と交流する
機会を設けることは、その場に参加する全ての人にとって、
新しい気づきや学びが生まれやすい環境となり得ると感じました。
ぜひ、人材育成に携わる人事担当者や、ダイバーシティ推進等の
施策を検討されている際には、他社交流というテーマについても
前向きに考えていただく機会を設けていただければと思います。
このコラムを書いたプロフェッショナル
細木聡子
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。

細木聡子
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
得意分野 | 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、キャリア開発、リーダーシップ、マネジメント |
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対応エリア | 全国 |
所在地 | 千代田区 |
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