業務改善で目標達成率216%超!人材育成施策で成果を出す秘訣
女性管理職育成プロジェクトが、様々な技術系企業様で進行しており、
気づけば先月までに延べ1,000人超の次世代リーダー育成に携わっていました。
本コラムでは、この1年間のプロジェクトがもう間もなく完了する
受講者の最終成果の様子について少しご紹介できればと思います。
┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
■「やるか、やらないか」
┗━━━━━━━━━━━━━━━┛
A社(技術系企業/300名規模)では、女性の管理職〜リーダー層20名を対象に
女性管理職育成プロジェクトを提供しており、この夏で1クラス目の10名が
プロジェクト完了を迎えます。(1クラス10名で実施中)
企画段階では集合研修形態で進める予定でしたが、
新型コロナウィルス感染症拡大による影響から、
“反転学習リノ式スタイル”でのプロジェクト進行へ急遽変更。
--------------------------------------------------
<反転学習リノ式スタイル>
動画セミナー視聴+事前課題
↓
オンラインワークショップ
↓
現場課題実践
--------------------------------------------------
対象者の女性社員全員が、超・多忙な日々を送っており、
この1年、プロジェクトと現場業務で想像を絶する
状態だったことは、伴走してきた私も承知しているつもりです。
中には、初めてプロジェクトマネージャーに任命され、
プロジェクトチームの立ち上げ時期と、女性管理職育成プロジェクトの
取り組みが重なり、動画セミナーを視聴する
まとまった時間が取れず、5分程度の隙間時間を見つけ、
ぶつ切りで視聴し、その後できる限り事前課題に取り組む、
というギリギリの取り組みをやりきった方もいらっしゃいました。
他にも、本プロジェクト以外に、
・ダイバーシティ経営改善プロジェクト(唯一の女性メンバー)
・女性活躍推進プロジェクト(統括リーダー)
という役割を担いながら女性管理職として現場でチームをまとめている
女性の方もおられて、「もうダメです、できません」と泣きながら
個別相談を受け、最後には「もう少しだけ、頑張ってみます」と
諦めずに行動し続け、成果につなげていらっしゃいました。
彼女たちの1年間の頑張りをそばで見守り続けて、
改めて、女性管理職育成プロジェクトといった、長期プロジェクトの取り組みは、
「できるか、できないか」
ではなく、
「やるか、やらないか」
で成果につながるんだと思いました。
┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
■業務改善PJ 目標達成率216%!
┗━━━━━━━━━━━━━━━┛
女性管理職育成プロジェクトでは、マネジメントにおいて重要な
コンセプチュアルスキルを主に学び、そのスキルを
身につけるべく、現場実践として業務改善をテーマにしています。
業務改善では効果測定できる数値目標を立てるため、
最終的には自身の取り組みがどのくらい成果を上げたのか、
達成率として目に見える結果がでてくるのですが、
今回の10名全員が80〜90%の達成率に届いています。
その中で、突出した達成率を叩き出したのが、
前述の女性たちで、プロジェクトマネージャーとして奮闘した
女性は達成率216%、複数のプロジェクトを兼任する女性は100%
という結果を手にしていました。
では、達成率80〜90%の受講者と、100%、200%を超えた成果を
手にした彼女たちとは何が違うのか?と考えた時に、
「どれだけ自分のものにしたいか」
「どれだけ自分事として受け止めているか」
という、自律的な受け止め方の差が、結果の差として
出てきたのではないかと思い至りました。
実際に、日々現場の業務を抱えているメンバー全員、
それぞれ忙しさを抱えていますし、また、どちらが
どれくらい忙しいかといったことは
測れるものではないことは、誰もが知るところでもあります。
そのような個々の状況を抱えている以上、
「業務が忙しいから課題はできなそうだな」
「時間がないから適当に課題をやろうかな」
という易きに流れそうになることは、どんな人にでも
起こりうることかもしれません。
ただ、そこで食らいついてでもやるんだ、という気概は
直接関わっている私には特によく伝わってきます。
逆に、対面せずとも、提出された課題を添削をすれば、
手を抜いたと思われる部分は即座に読み取れてしまうものです。
その時は、ほんのわずかな差でしかないかもしれませんが、
1年経ち、圧倒的な差として、今まさに成果を手にしたのが
自分と向き合い続けてきた彼女たちだと私は思います。
┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
■個別相談をうまく活用して、ひたすら行動し続けた
┗━━━━━━━━━━━━━━━┛
プロジェクトマネージャーの女性はSE部隊を率いており、
その忙しさ、多忙さは私自身が同じ経験をしてきたこともあって
話を伺うたびに共感し、その辛さが理解できました。
そんな誰よりも忙しいはずの彼女は、
私が対象者全体へメッセージを出すと、
必ず返信をくださっていました。
また、課題でつまずきそうになったり
チームのマネジメントで悩んだら、
相談させてくださいとおりに触れて
個別相談を申し込まれていました。
その取り組み姿勢や在り方から、
なんとか時間をやりくりして、学んだことを業務の中で活かし、
業務自体を効率化しようと取り組まれている様子が
私にも伝わってきて、最終的にはうまく権限委譲して
チームをまとめた結果、お客様からの信頼を得て
リピート案件を受注した結果が達成率216%という
ダントツの結果をもたらしたのです。
*
複数のプロジェクトを兼任する女性も
目が回るほど忙しい管理職の一人でした。
管理職の立場でありつつも、
女性管理職育成プロジェクトがスタートした当初は
コンセプチュアルスキルが十分に身に付く前段階で、
「数値化ができません」
「どう体系化したらいいのか検討もつきません」
「私なんかが役員クラスや本部長クラスに混ざって
ダイバーシティ経営改善PJのメンバーでいいのでしょうか・・」
と何度も何度も心が折れそうになっていて、
感情的になってしまうこともしばしばでしたが、
部下が困ったときにはいち早く気づき手を差し伸べる
部下思いの方で、しなやかリーダー塾でもグループメンバーとの
相互支援では、誰よりもびっしりコメントを書いていたのが
とても印象的でした。
彼女が最も個別相談回数が多かったのですが、
最初はどうしようもなく落ち込んでいても、最終的には
「もう一度、私ができるところを探して、そこからやってみます」
と踏ん張り続け、今やコンセプチュアルスキルを身につけた
しなやかなリーダーとして周囲へ影響力を発揮しています。
先日は、メンタルダウン防止に関する書籍を
10枚程の資料にまとめ、自分より役職がずっと上の
ダイバーシティ経営改善PJメンバーに発信していたのです!
しかも、誰もが納得する裏付けデータなどもまとめられた
完璧な内容でした。
彼女は業務改善テーマを3つ掲げ、全ての達成率が9割超、
うち1つは100%という成果を出しています。
┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
■受講者の成長を支える、会社からのメッセージ
┗━━━━━━━━━━━━━━━┛
今回ご紹介したお二人は、多忙な中でも自分の手で
自分の環境をより良くしようと取り組んだ結果、
仕事はやりやすくなり、さらに自身のスキルアップ、
そしてステップアップにもつなげて、最終的に
自分のために行動していたという気づきも得られていました。
「自分の力で、チャンスを掴んだ」という
実体験を得た、と言えるのではないかと思っています。
このように、特に長期プロジェクト型の人材育成施策を
実施する際には、受講対象者それぞれの、業務への向き合い方、
プロジェクトの取り組み方が成果に直結してくると
私は改めて実感しています。
長期プロジェクトでは、基本的にみなさん忙しい中で
課題に取り組まねばならないので、それをいかに
自分事としてとらえて、業務の中で活かせるか?
と捉えられるか否かで、成果に差が出やすいものだと思います。
もし、プロジェクト型の人材育成を実施検討されている際には、
ぜひ、受講対象者に対して、会社側が期待していること、
この研修を通して身につけてほしいスキルや考え方等について、
繰り返しメッセージとして伝え続けるということを
意識していただけたらと思っています。
私も、プロジェクト期間中はもちろん、現場実践期間に
メッセージを発信したり、個別相談で直接関わることで
励まし続けたりなど、あらゆる方法で、あらゆる角度から
プロジェクトに取り組む意義を伝え続けています。
とはいえ、最終的にやるかやらないかは、自分次第といった
側面も確かにあります。そして、それが成果の出る出ないの
分かれ道となっていたりするものです。
しかし、もうだめだ、続けられない、逃げ出したい、と
追い詰められてしまったとき、
「今、自律的に取り組むことが、
必ず自分を助けることにつながる」
と自分の可能性を心から信じて、応援してくれる存在ほど
励みになることはないと思うのです。
経営者や人事担当者の方、そして育成対象者の上司の方は
応援し続け、期待しているとメッセージを伝え続けていただくことが、
最終的に受講対象者の成長を促し、ひいては会社成長へと
つながっていくことになると確信しています。
- 経営戦略・経営管理
- モチベーション・組織活性化
- キャリア開発
- リーダーシップ
- マネジメント
◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。
細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士

対応エリア | 全国 |
---|---|
所在地 | 千代田区 |
このプロフェッショナルのコラム(テーマ)
- 女性管理職育成 (40)
- セクハラ・パワハラ対策 (4)
- 部下マネジメント (16)
- 女性のためのリーダーシップ (12)
- メンタル強化 (3)
- 人事施策・研修実施のヒント (59)
- 従業員数5~30人の社長向けノウハウ (7)
- 人が辞めない会社の作り方 (7)
- 女性活躍推進2.0 (36)
- リーダーの心得 (23)
- アンコンシャスバイアス (7)
- 業務改革プロジェクト (4)
- 部下育成 (26)
- ニューノーマル時代の人材育成スタイル (4)
- 男性社員比率が8割超の企業の女性活躍推進 (17)
- 完全オンライン研修の効果 (1)
- ダイバーシティ・マネジメント (11)
- 技術系女性社員のためのキャリア形成 (3)
- 社員が安心して成長できる組織作り (2)
- 社員の経営視点を醸成して会社成長を加速させる (9)
- 技術系企業に特化したダイバーシティ推進PJ (16)
- しなやか組織改革プロジェクト (5)
- しなやか姿勢のすすめ (16)
- ダイバーシティマネジメント (14)
- ダイバーシティ&インクルージョン (26)
- ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン (8)
このプロフェッショナルの関連情報

組織開発 【しなやか組織改革プロジェクト】技術系企業に特化したD&I推進支援
◆技術系企業のD&I推進実績・実例多数 ◆実践型・人材育成アプローチで社員の意識浸透を促し、形骸化しない組織改革を実現
