従業員5~30人の会社を組織化する時のポイント

スパンオブコントロールというのがあります。これは、1人が管理出来る人数の限界のことを言います。
一般的には、5人〜7人と言われていますが、コールセンターなどのスタッフが同一の仕事でマニュアル化された業務に従事している場合は、もっと大人数となります。
会社成長に欠かせない組織の階層化
従業員数が5人以下の会社では、社長自らスタッフを管理するという、いわゆる文鎮型組織でもスムーズに組織運営できるというケースが多いかもしれません。
一方、成長していくためには、社長のスパンオブコントロールを超えてしまうため、階層化が必要になってくると考えます。
これは、大企業の中の中間管理職にも同じことが言えると考えます。
私もNTTの管理職の頃はこれをかなり意識していました。
例えば、部下が大人数になってしまった場合、その中でリーダー的な役割の人を配置し、階層構造にすることで、私の方針や考えが適切に届けられるようにしていました。
これによって、指揮命令や各階層における判断基準が明確化するなど、組織全体がスムーズに仕事が回るようになっていたと考えています。
中小企業における管理職の役割
中小企業やベンチャー企業が、従業員数5人を超えて、更に事業拡大し、会社成長を目指していくためには、やはり階層化する必要があると思います。
そこで必要なのが、管理職の存在です。
中小企業の場合ですと、社長と同じ目線で会社を回せる管理職の存在が必須です。
社内の人材から、いきなり経営者視点を持てと言われても難しいだろうと、外部から管理職となる人を雇用すると考える経営者もいるかもしれません。
しかし、私は基本的に【社員で管理職に登用できる人がいないか】と考えることをおすすめしています。
理由としては以下の通りです。
●外部からの採用では採用コストをかけても条件に見合う人材がいない
●外部の人がいきなり上司になると、もともとの社員との不協和音が起きやすい
●社内の人材の方が愛社精神もあり、社長のやり方を肌で感じているため意思疎通しやすい
中小企業で5名〜30名規模のコンサルティングを行なっている中で、
「事業拡大のために社員を10人以上増やしたものの、自分が社内調整に時間をとられてしまって、本来の経営に注力出来ないし、挙げ句の果て、社員がどんどん辞めていく・・」
こんな悩みを相談してくる経営者も意外に多いものです。
私は、スパンオブコントロールの話を通して、社内の管理職となるべき人材を育成する、という発想が持てるよう指導しています。
実際にぐんぐん成長している会社は、良いタイミングで、社内の管理職をうまく育てているものです。
現状より更に会社を成長させるには、
- 管理職を配置して組織化する
- 管理職は社内の人材を育成する
という2つ発想を持っていただきたいと思っています。
このコラムを書いたプロフェッショナル
細木聡子
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。

細木聡子
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
得意分野 | 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、キャリア開発、リーダーシップ、マネジメント |
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対応エリア | 全国 |
所在地 | 千代田区 |
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