会社を成長させるための経営者のあり方

中小企業診断士の資格を持つ身であり、また自分も中小企業の社長として活動する中で、同じように中小企業の経営者のみなさんと交流する機会が多い今日この頃です。
そんな中で、会社がどんどん成長している企業の経営者には、ある共通点があることが明確にわかってきました。 それは、「必要なタイミングで社員に仕事を任せる」という発想を持っているかどうか、ということです。
雑用じゃなく、“仕事”を任せられるか
ベンチャー企業から脱皮して、規模を大きくするときに多くの経営者が悩んでいるのが、これまで、自分一人が売上を作り、サービスを提供していたところから抜け出せない、すなわち、人に任せられないということです。
そうなってしまうと、社長一人のキャパシティは限られているので、それ以上に会社を成長させることは難しくなってしまうのは容易に想像がつくかと思います。
人に仕事を渡せない2つの理由
他の人に大切な仕事を任せられないという感覚は、私もNTTの管理職になりたての頃、経験しました。
理解できればなんでもないようなことかもしれませんが、だからこそこのジレンマを抱えている経営者の気持ちはとても良く分かるつもりです。
この任せられない原因は、大きく2つあると分析しています。
●任せられる人がそもそもいない
「任せられる人がいない」という場合は、できる人を探す、という発想から抜け切れないのだろうなと思います。大切なことは、【任せられる人を創る、育成する】という発想です。
この時にオススメしているのは、社外の人を採用するのではなく、まずは社内の人材を育成するという発想を持っていただくということです。
もちろん、向き不向きがあるので、社内にいる全ての人が、ウルトラ社員となり、社長がやっていた実務をバリバリとこなせるようになるか、と言ったらそうではないとは思います。
これまで、大・中小規模の企業で延べ1,000人超の人材育成に携わった経験からすると、人には無限の可能性があり、関わり方によっては、こちらが想像もできない大きな力を発揮することは往々に有り得るのです。経験上、私は人の可能性は無限大であると心から信じて、仕事を任せていると自負しています。
●自分が社員を信じきることがなかなかできない
「自分が社員を信じきることがなかなかできない」ということにお気づきになっていることが、これから大きく会社を成長させるために必要なことかもしれません。
この気持についても、私もとても良く理解できます。
とはいえ、会社の規模拡大を望むのであれば、組織で仕事をするという発想を経営者が持っていないことには何も始まらないと思います。
社長の自分は経営に専念し、日々の事業運営は、社員に任せ、組織でやっていくという会社運営こそが、これがある程度の規模以上の会社運営となることはご存知かと思います。
この会社運営の形に魅力をどうしても感じない、ということでしたら、ずっと少人数で会社を運営していく、というのも一つの選択肢ではないでしょうか。
***
いずれにせよ、人に仕事を任せられるようになるかどうかは、自分自身の発想を変えることで解決の方向に向かって行くと私は考えています。
このコラムを書いたプロフェッショナル
細木聡子
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。

細木聡子
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
得意分野 | 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、キャリア開発、リーダーシップ、マネジメント |
---|---|
対応エリア | 全国 |
所在地 | 千代田区 |
- 参考になった0
- 共感できる0
- 実践したい0
- 考えさせられる0
- 理解しやすい0
無料会員登録
記事のオススメには『日本の人事部』への会員登録が必要です。