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1on1の現場から:忙しすぎて時間が取れない#2

1on1という言葉がまだ市民権を得ていなかった8年前。1on1導入の必要性を説きながら多くの企業のコンサルティングに携わってきました。

 

現在、大手企業では当たり前のように1on1が実施され、1on1の研修や、運用の専用システムも世の中にでてくるようになりました。

 

中小~万単位の大企業まで、多くの企業での1on1導入を支援してきた経験から、実際に現場で1on1を実施する上長、される側のメンバー、導入・定着化を担当する推進者の方たちが感じている疑問・課題について、お答えしたいと思います。

 

弊社の導入・定着化支援の考え方は、アジャイルHR代表の松丘啓司の1on1における考え方を基本としています。詳細は「1on1マネジメント」をぜひ手に取ってみてください。

 

「Q. 仕事が忙しすぎて、1on1の時間を取ることができません~頻度や時間は適切か?」

 

現場の「仕事が忙しすぎて、1on1の時間を取ることができない」という声が出た際に、推進担当としてどのような対応をしていくべきなのか?

 

前回のコラム(https://jinjibu.jp/spcl/hiroe-inoue/cl/detl/6477/)では、以下の4つの中の1.について解説しました。今回は2.について、考えていきたいと思います。

 

1.1名の上司が担当するメンバーは何名いるのか?
2.1on1の頻度や時間等はどのくらいを基準にしているのか?
3.日程の決め方はどのようにしているのか?
4.経営層は1on1に対してどのくらい重要性を感じているのか?

 


皆さんの会社では、1on1の頻度や時間をどのように定めて推進をしているでしょうか?

 

1週間に1回、2週間に1回、毎月1回・・等の頻度で、実施時間は15分、30分、特に時間は定めない・・等、企業によって様々で、「一般的にこうである」という決まりはありません。

 

そうはいっても、「半年に1回、1時間の面談」となってしまうと、従来の評価面談と何も変わりがないため、1ヵ月または2週間に1回の頻度で、1回15分~30分を目安に実施を推奨する企業が多いのではないかと思います。

 

企業によっては、1週間に1回、30分の実施を義務づけている企業もあり、1on1をプライオリティの高い業務として位置付けていれば、その頻度で実施はできなくないとは考えられますが、多くの企業では、月に1回15分の実施でも、「仕事が忙しく実施ができない」というコメントや意見がでてくるのが現実です。

 

実は、1on1は、1回の時間が短くても、頻繁に対話をする機会を設ける方が、効果が出やすいといわれています。

 

その理由の1つとして、特に若い世代は、スマホやSNSの普及で、「リアルタイム」でレスポンスがつくことに慣れているため、経験したこととそれに対するフィードバックの間が空けばあくほど、もらったフィードバックに対して現実味や価値を感じにくいということがあります。

 

例えば、1on1を3カ月に1回実施する場合、そもそもとして、自身の直近3カ月の仕事を振り返ることが難しいことに加え、すでに自分の中で終わっている出来事や課題へのフィードバックをもらっても、「今、必要な情報」として活かすことができないため、形式的なものになってしまう傾向があります。

 

もちろん、継続的に抱えている課題や悩みの解消等の場としては有効ですが、業務におけるパフォーマンスを向上させるという視点で考えると、本人の感覚としては「今さらそれを言われても」という感覚になってしまうことは否めません。

 

上長が「忙しくて時間が取れない」という状況であれば、各メンバーとじっくり腰を据えて話をするのは2か月か3カ月に一度等頻度を落とし、その代わりに業務開始時の朝の5分を、上長側の1on1タイムとして設定し、日替わりで担当するメンバーと5分話をするというような運用にすることをお勧めします。

 

たった5分でも、リアルに「今」必要なフィードバックをもらえることの方が、メンバーにとっては自身のパフォーマンスを向上する上で、重要かつ有効な時間となります。

 

毎朝5分の時間を取れない上長は、いないはずです。それでも「忙しくて時間が取れない」という言葉が出る場合は、別の問題が隠れている可能性があります。

 

ぜひ「毎朝5分の1on1」。実践をしてみてください。

このコラムを書いたプロフェッショナル

井上弘絵

井上弘絵
株式会社アジャイルHR マネジャー

支援が完了しても、お客様が自走できるように、「伴走型支援」を心がけています。対話を通じて、お客様の「軸」や「大切にしたいこと」を理解し、目指したい姿を共に実現します。

支援が完了しても、お客様が自走できるように、「伴走型支援」を心がけています。対話を通じて、お客様の「軸」や「大切にしたいこと」を理解し、目指したい姿を共に実現します。

得意分野 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、キャリア開発、チームビルディング、コミュニケーション
対応エリア 全国
所在地 港区

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