4コマ漫画でみる評価あるある~こんな評価はイヤだ~
人事評価は様々な「目的」があります。企業のビジョンや方針の明示 / 社員に期待する行動・役割の明示 / 人材育成の促進組織活性化・モチベーションの向上 / 人材配置の最適化 / 公平な処遇・査定の決定 等…
そして、人事評価を適切に行うことによって、
社員の意欲・帰属意識の醸成 / 社員の自律的な成長 / 適材適所の促進 / 生産性の向上 等…のさまざまな効果につながります。これらは先の見えない変化の激しい時代には欠かせないものばかり。しかし、人事評価に矛盾や違和感を感じてしまう制度では、会社の仕組みへ不信感を抱くきっかけとなり、自分の仕事に疑問を感じることにも繋がってしまいます。
それでは、社員個々の思いが絡む ”人事評価で最も求められるもの” は何でしょうか?それは「納得感」です。この納得感を感じさせるために重要なのは、公平で明確な評価。しかしながら、評価者も人…。たとえ制度が整っていたとしても、評価エラーに通じる様々な心理的ダメージを受けやすいのも事実です。
・納得感を感じられないモヤモヤした結果
・基準や理由がわからないため改善や向上に繋がらない
・普段の状況を知らない上位評価者の主観でペンなめ
こんなケース思い当たりませんか?
当コラムでは「こんな評価はイヤだ」と題して、人事評価における3つの失敗例を、部下目線でわかりやすく4コマ漫画にしてみました。意外と自分では気づいていない管理職の方向けの周知や注意喚起として拡散していただければと思います。
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甘辛による不公平
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人事評価では大なり小なり、評価者の主観や思い込みなどによって、評価にバラつきが発生し、特定の人材の評価が厳し過ぎたり、甘過ぎたりするケースが出てきてしまうことが考えられます。例えば、厳しい上司・優しい上司の違いによるバラつきや、価値観の相違で判断してしまうケース。
評価の結果が、評価者に左右して「当たりはずれ」があるようでは、公正な評価とは言えません。そこで、「評価者のスキル」が問われますが、そもそも、評価を行うための「ものさし」がなければ正確に測ることができません。定量評価に関しては、目標設定を数値化することで、できたのか・できなかったのか、またどの程度かという部分が明確ですが、姿勢や取り組みの仕方などを評価する定性評価では、基準値を設定することが難しいケースもあります。
目標に対して、どのような状態になれば(何を・どのくらい・どのようにすれば)、どのような評価となるのかを、目標設定時に批評価者と評価者がしっかりと握り合うこと。また、難易度のレベル設定を会社が明確に示す必要があります。
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理由がよくわからない
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アデコ株式会社が実施した「人事評価制度に関する意識調査」では、自社の人事評価に不満を持っている社員の割合が62.3%を占めているという結果が出ており、さらに、「社員が人事評価制度に不満を抱える理由」として、以下の項目があげられています。
・評価基準が明確でない 62.8% / ・評価をする人の価値観や経験によりばらつきがあり、不公平だと感じる 45.2% / ・評価結果のフィードバックや説明が不十分 28.1% / ・自己評価より低く評価され、その理由が分からない 22.9% / ・評価結果が昇進に結びつかない 21.4%
「評価基準が明確でない」という理由が半分以上を占めていますが、ばらつきや不公平、フィードバックの不十分、理由が不明確…これらもまた、「評価基準」が明確でないことから生じているとも考えられます。また、基準が曖昧であれば、評価者にとっても、何に対して何が足りなかったかなど、評価結果の理由を被評価者へ十分に説明することが難しく「納得感」から遠ざかってしまいます。
なによりも、理由がわからなければ改善や向上を促すことができず、モチベーションにもつながりません。
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最終評価で帳尻あわせ
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人材育成と連動させていくための評価制度として、評価者の役割、しいては評価スキル向上のための管理職研修に取り組んでおられる企業様も多いかと思います。一番身近に被評価者(現場の社員)を見ている一次評価者が、いかに評価制度を理解し、被評価者の行動変化やモチベーションに繋げていくかが肝でもあります。
しかし、多くの場合、1次2次と複数の評価ステップを踏んで最終評価が下されるなかで、最終的な評価結果に違和感を抱くことはないでしょうか。一次評価者が、いくら精巧な評価を全うしても、俗にいう「ペンなめ」での帳尻あわせなどが、最終評価時に行われてしまうと、「評価基準が不透明」である認識を促進させ、納得感から遠ざかる要因となります。
また、評価者自身が感じる存在意義や会社への信頼関係についても疑問が生じ、エンゲージメントにもつながりません。
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いかがでしたか?
今回は「こんな評価はイヤだ」をお送りしました。
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これまで人材紹介、研修企画、人事評価コンサル等、HRサービスに従事。現在は、キャリア自律プログラム「じぶん戦略」の研修提案・運営サポートを担当。その他、"仕事あるある"にまつわる4コマ漫画や"人事課題"に関するトーク動画を制作し発信している
中川 絵美(ナカガワ エミ) 株式会社エイチ・ティー(HxT) コンサルタント
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