阪神タイガース金本監督に見る「ベテランに仕事を任せる決断力」
7月24日の試合で、金本監督が鳥谷選手をスタメンから外す決断をしました。
今日の関西のスポーツ誌は、一面でこのことを伝えています。
「金本ついに決断!鳥谷スタメン外れた」
「鳥スタメン外した」
長いシーズンを通して、主力選手の好不調の波は避けられないものですが。
スタメン外しがニュースになるほど、鳥谷選手の不調と阪神の低迷はリンクして
います。
選手本人も辛いと思いますが、スタメンという仕事を任せる決断を続けている
監督も辛いものがあります。
自分が代わってやれるものなら・・・と。
鳥谷選手の場合、単にベテランであること、主力選手であることのほかに。
連続試合出場という記録を継続中であることが、金本監督の決断をためらわせて
いました。
これまで重ねた連続フルイニング出場は、歴代4位の667試合。
歴代3位の衣笠選手の記録まで、あと9試合というところで途切れてしまいました。
プロ野球選手である以上、試合に出るだけでなく、結果を残さないといけない
のはわかっていても。
なかなか上手くいかないもどかしさを抱えながら、仕事を任す方も任される方も、
様々なプレッシャーと戦うことになります。
なぜ、彼に仕事を任せるのか?
他に代わりはいないのか?
若手を抜擢した方が、今後にいかせるのではないか?
でも、継続中の記録を途切れさせるのは、本人にもファンにも申し訳ない。
理屈としては 不調が続くベテランに休養を与えてリフレッシュさせ、若手に
チャンスを与えるのが好ましいとわかっていても。
人気球団であるがゆえに、いろんな人の声が決断を妨げます。
案の定、スポーツ誌には驚いたファンの声がたくさん掲載されていました。
「スタメンを外した方がいいと思っていたけれど、ショックだった」と。
金本監督も選手時代、連続試合出場の記録を継続していました。
2010年4月18日にその記録が途切れた時、当時の真弓監督はメンバー交換の
5分前まで金本選手をスタメンから外すことを悩んでいたそうです。
このときは、金本選手から外すことの直訴があったそうですが、それでも悩みが
深いのです。
ベテラン選手は、活躍しているうちは仕事を任せて大丈夫なのですが。
人間、いつかは力が落ちてきます。
そのときに、誰に仕事を任せることが最適なのか?
監督、管理職、経営者の悩みは尽きません。
もし、あなたが金本監督の立場だったら、どうしたでしょうか?
もっと早くにスタメン外しを行ったのか、それともまだ使い続けるのか?
使い続けるとしたら、どんなかたちで仕事を任せるのか>
第三者的な批判はともかく、部下に仕事を任せるときの決断事例として、ちょっと
考えてみませんか。
結果として、昨日は鳥谷選手も代打で結果を残し、チームは勝利しました。
連続フルイニング出場は途切れましたが、連続試合出場は継続中です。
この勝利が次につながり、復活へのきっかけになるのか?
今度は、仕事を任された鳥谷選手に着目したいと思います。
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高島 徹(タカシマ トオル) 株式会社決断力 代表
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