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人的資本経営の実践はKPIから ~「見える化」そして「見せる化」へ~

注目の記事掲載日:2022/01/12

個人の成長を企業の成長、ステークホルダーの成長へ――。双日株式会社は、2030年における自社のあるべき姿として「事業や人材を創造・輩出し続ける総合商社」を掲げ、さまざまな人事施策に取り組んでいる。特に注力しているのが、企業価値の向上につながる多様性と自律性を備えた「個」の育成だ。その実現に向けて、新たな仮説にもとづくKPIを設定。進捗をデータで開示し、全社で取り組む体制を整えている。人事データの「見える化」、そして「見せる化」はどのように進められ、どのような成果を生み出してきたのか。同社執行役員 人事、総務・IT業務担当本部長の河西敏章氏が語った。

経営戦略に人事戦略をいかに連動させるか

河西氏が双日の人事部長に着任したのは2018年。それまでの同社の中期経営計画に記された人事戦略は、「事業経営者の育成」「働き方改革」「ダイバーシティの推進」の三点を軸とするものだった。しかし、それぞれを具体的にどう進めているのかが判然としない。確認すると、そもそもこの三点は当時のさまざまな人事課題を集約したもので、経営戦略から導き出されたものではなかった。

「人的資本経営では、経営戦略に人事戦略をいかに連動させるかがきわめて重要とされています。しかし、人事課題からなんとなく決められた人事戦略では、経営戦略と連動させるのは難しく、経営の理解もなかなか得られないと感じました」

そこで河西氏が取り組んだのが、人事データをオープンにして経営と対話することだった。

「経営との対話に人事データの活用は不可欠です。情報が定性で、ふわりとしているようでは、対話は進みません。あるいは、データが人事部内にとどまっていても経営はデータを見ることができず、人事に関する意思決定が十分ではなくなる可能性もあります」

一般的に人事データは秘匿性が高く、オープンにしにくいとされる。双日でもそれは同じだった。たとえば河西氏が「評価の分布」について調べたところ、当初の想定よりも中央値に寄った評価が行われていることがわかった。同社では事業経営者育成のため、社長をはじめとするリーダー層が「チャレンジしよう」と声をかけ続けていたにもかかわらず、現場ではチャレンジを正しく評価する運用がなされていなかったことになる。

「評価が人事データとして秘匿されていたため、外部からはわかりませんでした。これ以降は、評価のあり方の見直しや評価者教育などを積極的に行うようになりましたが、わからないままだったとしたら、そうした改善もできなかったことになります」

現在では、経営会議に人事施策を上程する際にも必ず定量的なデータを裏づけとするようにしている。また、経営企画部とも週1回のペースでミーティングを行い、常に経営と人事の間のコンセンサスをとっている。さらに、従業員を巻き込むためのイントラネット上でのデータ開示も進めている。その一例が働き方改革にも関連する「全部署の長時間労働(残業)のデータ」だ。従業員に会社のリアルな姿を知ってもらうことで、めざしたい方向性を理解してもらえるようになったという。

河西氏が主導したもうひとつの取り組みは、2050年の世界観からのバックキャスティングだ。

「未来を予測することで、人事戦略を経営戦略に連動させようというものです。環境変化で世界はどう変わるのか、その中で働くことはどう変化するのかを考察し、今必要な施策を逆算していきます。たとえば、将来はAIなどによる翻訳技術が発達することで言語フリーの世界が実現し、海外の人とも日本語で十分にコミュニケーションをとることが可能になるはずです。そこで、海外派遣する人材に対する語学研修は原則廃止しました」

こうした取り組みを重ねた結果もあり、現在の中期経営計画では、2030年の双日のあるべき姿を「事業や人材を創造・輩出し続ける総合商社」とすることとなった。ポイントは、事業だけでなく人材も創出・輩出し続けるとしたことだ。経営戦略の中に人事戦略が組み込まれたことになる。

さらに人事戦略の柱も新しくなった。双日パーソンのめざす姿は、『多様性と自律性を備えた「個」の集団』と再定義。そのために必要とされるのは、「事業経営できる力」「発想・起業できる力」「巻き込み・やりきる力」だ。こうした個人の成長が組織の成長につながる。この考え方が全社で共有できるようになると、さらに会社の成長と企業価値の向上へとつながっていく。

「当社は従業員の個性を大事にしています。これからの時代は働く人の価値観が多様化していきます。企業には、従業員それぞれがやりたいことを実現するための環境をどこまで提供できているか、あるいは会社のビジョンにどれくらい従業員に共感してもらえているか、といったことが問われます。今後はそういった価値観で企業運営を進めることが欠かせません。当社の人事戦略の基本的な考え方もそこにあります」

現状とめざす姿の差異認識、その差を埋める取り組み

双日は人事データの見える化を推進・実践していく部署として、2021年4月人事部内に「デジタルHR推進室」を設置した。

「人事データは秘匿性が高く、また定性的であるのが一般的です。そこで、まずは人事がデータドリブンで施策を決定・運用し、それが従業員のやりがいや幸福の実現につながることを見せていくことにしました。他部署でも、データを起点としたより高度な事業運営を行うきっかけになってほしいと考えたからです」

現在、デジタルHR推進室は専任5名+人事部内からの兼務体制となっている。人事で何か施策を打つ際には、必ずデータの裏づけを伴うものとするようにしている。そうでなければ、経営と建設的な対話ができないからだ。

現在、同社が人事データの「見せる化」の取り組みとして重視しているのが、経営視点から見た「人材のめざす姿と現状との差異認識と解消」だ。経営戦略が必要とする人材のあり方に対して、今、何が足りてないのか。そのギャップを解消するために、どんなKPIが有効なのか。仮説をもとに設定したKPIを全社的に追求していくとともに、その実効性をデータによって検証する試みに取り組んでいる。

河西敏章氏

課題は大きく6のテーマに集約されている。「組織間連携は十分か」「全社員でのデジタル化への対応は十分か」「本当の女性活躍になっているか」「グローバル経営は現地で本当に行われているか」「共働き世帯の働きやすさの追求は十分か」「本当の健康経営は根づいているのか」。それぞれに課題解決に向け、仮説にもとづく人材に関するKPIを設定した。

「これらの人材KPIはいずれも『動的KPI』であることがポイントです。仮説にもとづくKPIなので、これを達成したら本当に課題が解決するのか、まだわからない部分も多くあります。また、達成基準のパーセンテージをどこにもってくるのが適切なのかも、明確ではありません。外部有識者のアドバイスなどももらいながら、必要に応じて修正を繰り返していくものという認識です」

たとえば「組織間連携は十分か」という課題には「チャレンジ指数」というKPIが設定されている。双日では各営業本部の独立性が強く、その垣根を超えた連携をしたくても、なかなかできない状況が従業員意識調査のデータから浮かび上がっていた。そこで、考えられたのが「チャレンジ指数」だ。

「具体的には、個人の目標設定に際して、2割までは所属組織を超えた取り組みをしようというものです。そういったチャレンジに対して所属組織長が、期末に『ポジティブ』という評価をする率を70%までもっていくことが目標です。これが達成できれば、所属組織の枠を超えた取り組みが積極的に行われ、現場だけでなく所属長にもポジティブに受け入れられていることが数字で明らかになります。今の時点ではまだ50%強にとどまっており、多様な価値観を持つ人材を受け入れながら成長できる組織になるために70%の達成を目指しています」

また、「本当の女性活躍になっているか」という課題に対しては、「女性総合職の海外・国内出向経験割合40%」をKPIとしている。同社はこれまで女性管理職比率20%を目標としているが、管理職になる手前の人材につき海外・国内出向経験者の割合を見ると男性より女性の方が低いということがデータからわかった。数をそろえるだけでなく、十分な経験を積み、優秀だから管理職に登用されているという納得性のある登用にしたい。その狙いから少なくとも男性と同じ海外・国内出向経験割合40%がKPIとされた。

「このデータも、最初は人事部以外からは見えなかったものです。データをオープンにしていく過程でわかったので、現在は各本部長には『海外への派遣はまず女性優先で』という話をしています。特に他の本部が持つ事業会社に出向してのトレーニングでは、本部の枠を超えた経験ができます。他流試合は学びとして質の良いものになるだけでなく、違う考え方を元の本部にフィードバックできるなど、これまでになかった化学反応を生むメリットもあります。このプログラムに出してもらえる人材も、今年度は7割が女性になっています」

この他にも、工夫された各KPIの中身が紹介された。これらは当然、全社に公開されており、人事データを「見せる化」したものとなっている。

全社を巻き込む企業文化づくり

データの「見える化」、KPIによる「見せる化」に加えて重要なのが、従業員のマインドセットを含めて全社を巻き込むことだ。双日ではそのための取り組みも並行して行っている。

そのひとつが「Hassojitzプロジェクト」だ。所属・年齢・バックグラウンドなどの異なる従業員でチームを編成し、実現したい企画を提案してもらう。役員による審査でおもしろいとされたプランは実現に向けてビジネス化を進める。すでに数年間の蓄積があり、エンゲージメントサーベイでも「新たなアイデア実現に向けた取り組みをしている」という項目を94%が肯定する下地となっている。

もうひとつが「従業員エンゲージメントサーベイ」と「管理職360度サーベイ」を有機的に組み合わせる仕組みだ。エンゲージメントサーベイで組織に停滞感が見られたときなどは、その組織長の360度サーベイと突き合わせて、マネジャーに起因するものかどうかを探る。また、エンゲージメントサーベイは個人名を除き、すべての結果を社内に公開している。各組織で分析担当者を決めて、組織改善プロジェクトに活用してもらうためだ。ユニークな取り組みや著しい改善効果につなげられたケースを表彰する制度もある。組織ごとに改善に取り組んでもらうことで、組織力を向上させる狙いだ。

同社が人的資本経営に取り組むにあたって、まず重視したのが「データの見える化」だった。そのデータから浮かび上がった課題に対して仮説を立て、社内のステークホルダーと対話を行う。その対話から新たな視点や協力関係が生まれた。

また、その結果を「見せる化」することにも注力した。ポイントとなっているのがPDCAを回すための動的KPIの設定だ。それを社内外に示してコミュニケーションツールとしていく。施策を実行し、ここでも対話を重ねる。これを継続することで企業文化も含め、より良い変革が可能になっていった。

最後に河西氏から、現在進行している新たな取り組みも紹介された。個人の成長を企業の成長につなげるための産学協働の試みだ。

「これからは個人の成長実感がより重要です。そこで、従業員の経験と成長のデータを分析してアルゴリズムをつくり、本人と上司に対して最適なタイミングで成長機会を得られるような気づきやマネジメントを促していく、いわば『成長実感モデル』の作成を進めています。個人の成長曲線を偶発性に頼らず、意図的に引き上げていく取り組みです。これにはタレントマネジメントシステムが導入されていることが大前提になります。また、働くことの意味を再定義しながら進めていくことも欠かせません。当社だけでなく、どの企業でも広く求められている動きだと思います」

双日の人事施策を支えているタレントマネジメントシステムが、パーソル総合研究所の「HITO-Talent(ヒトタレント)」だ。

「HITO-Talent」は、人材総合サービスのパーソルが自社のために自ら開発したシステムを母体としている。このため、大量の人材データが快適に取り扱えること、設定変更や権限制御が柔軟にでき、複雑な組織要件を叶えられること、人事の意思決定プロセスに沿ったシンプルな機能であること、などの要件を満たすプラットフォームである。

TO-Talent(ヒトタレント)

これらのツールとしての特長はもとより、パーソルの知見・サービス領域の広さも、双日が数あるタレントマネジメントシステムの中から「HITO-Talent」を採択した決め手であったという。

「人材が最大の資産である双日にとって、人事データの『見える化』『見せる化』を推進していくためには、『HITO-Talent』は欠かせません。また、システムの活用面だけでなく、人事施策を推進していくパートナーとしてもパーソルは頼もしい存在と考えています。」

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