イチロー引退会見に見る目標の考え方
イチロー選手の引退会見
先日、イチロー選手が45歳で引退されました。
イチロー節とも言われる彼の言葉から、多くの気づきを得ることができます。
引退会見でもイチロー節は随所で発揮されていましたが、今回私が着目したのはこの言葉です。
- 『最低50歳まで』と本当に思っていました。それはかなわず有言不実行の男になってしまいましたけど、『その表現をしてこなかったら、ここまでできなかったかな』という思いもあります。だから難しいかもしれませんが、『言葉にして表現することは、目標に近づく1つの方法ではないか』と思っています。
イチロー選手は本気で最低50歳まで現役でいたいと思っていたとのことです。そして、それを言葉にしたからこそ、一般的な選手から比べれば非常に高齢な45歳までメジャーリーグで活躍できたのでしょう。
ムーンショット発想の目標設定
50歳までメジャーリーグで現役を続けるという目標は、一般的な常識から考えると非常に高い、実現性の低い目標とも言えるでしょう。しかし、その目標はイチロー選手にとっては、理想とする姿であり、壮大な挑戦に臨む価値のあるものだったのでしょう。
目標設定において、現状の延長線上にはない、未来から逆算で考えられた挑戦的、野心的な目標を設定することを「ムーンショット」と呼びます。
Google、メルカリなど多くの成長企業で使われる目標管理OKR(Objectives and Key Rsults)では、ムーンショット発想で目標を設定することを求められます。
多くの目標設定が達成率100%を合格点とするのに対し、OKRでは60-70%を合格点とします。
ムーンショット発想でモチベーションが落ちる。。。ことはない
OKRのご紹介をすると、ムーンショット発想の目標設定に不安を持ち、このような質問を受けることが多いです。
「達成率60%程度だと、モチベーションが落ちませんか?」
イチローが50歳まで現役を目指したことで、45歳で引退したことに落ち込んだでしょうか。逆に50歳までを目指したからこそモチベーションが保てたとも言えます。
OKRにおいて、Objectivesはワクワクするような魅力的な目的をメッセージで表現することを求められます。もともとの設定がワクワクするような理想から描いた挑戦的なものであれば、達成率が低くてもモチベーションが落ちることはありません。
むしろ、高い課題に挑戦し、一定の成果を上げられたことを誇りに思い、次の挑戦に挑むモチベーションになるはずです。
現実の延長線ではなく、ムーンショット発想での目標設定が、モチベーションと成長を生みます。
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【目的に向かって組織の力をタバネル】
組織マネジメント、OKR導入コンサルタント
著書「本気でゴールを達成したい人とチームのためのOKR」
ファッション・化粧品メーカー、コンサルティング企業などで勤務。取締役として最大 170 人の組織マネジメントに携わる。 自らのマネジメントと他組織のコンサルティグを経て、組織の力を束ねる目標管理「OKR」導入コンサルティングを行っています。
奥田和広(オクダカズヒロ) 株式会社タバネル 代表取締役
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