チーム効力感を高めて、強いチームを作る
組織、チームによって困難な課題に臨むときに、チーム内のスキルだけでなく、その課題を達成できる!という意識がどれだけあるかによって仕事の成果に大きな差が生まれます。
このようなチームの自信に満ちた意識を「チーム効力感」と呼ぶのですが、どのようにチーム効力感を高めれば良いのでしょうか?
自己効力感とは?
チーム効力感に似た言葉に、自己効力感があります。
自己効力感は、チームではなく個人の自己に対するものです。
未来に向けた課題や目標を前に、自分は達成できる、成功できると思う自信感、有能感のことを自己効力感と呼びます。
過去に残した実績、成功への自信とは異なり、これから起こることに対して抱く自信感、有能感になります。
高い自己効力感は未知のことに対する「思い込み」でもありますが、多くの場合でポジティブに作用します。高い自己効力感を有する人は低い人よりも、同条件での目標達成率が高いと検証されています。更に、高い自己効力感を有する人には、より高い目標を設定する人が多い傾向があります。
チーム効力感とは?
メンバーのそれぞれの自己効力感が相互に作用することで、チームで立ち向かう課題、目標を達成できる、成功できるとする自信感、有能感のことをチーム効力感と呼びます。
高いチーム効力感によって、チームは目的達成や課題解決のための行動を実行できます。
自信があると過度に失敗を恐れることがなくなり、高い目標に取り組む傾向が強まります。
つまり高いチーム効力感を有する人チームは、高い目標を掲げて自信をもって高い力を発揮できるようになり、結果として高い業績を残す可能性が高まります。
チーム効力感はいかにして高まるのか?
チーム効力感を高めるための要素は4つあります。
①成功体験
チーム効力感を高める一番の高い効果があることが、自分たちのチームが実際に体験した成功体験であると言われています。小さな積み重ねでも良いので、成功を積み重ねていくことで、自分たちはできるのだ、という自信が生まれ、未来に対する自己効力感が生まれます。
そのために、早い段階で成功を生み出すことが必要であると同時に、第三者(上司)が適切にフィードバックを行い「できた!」と承認することで、成功体験を実感させることも大切です。
改革の初期に小さくても良いので成功事例を作ることが大切と言われることにも通じます。
②代理体験
成功体験を常に自分たちが積めればよいのですが、すべてのことに対して行うことは難しいです。しかしながら、自分たちに近い存在である他のチームの成功体験を観察し、認知することで、自分たちもできる!というチーム効力感につながります。
競合他社の事例を参考することも代理体験ではありますが、自分たちに近い自社内の他チームが努力し成功した体験を知り、理解することも代理体験となります。自分たちにより近い存在が成功したことが刺激となり、チーム効力感が高まります。
このため、組織内の透明性を高め、各チームの成功体験が相互に刺激しあえる状態を作ることが大切です。
③励まし、激励
他者、とくに上司から「君たちならできる!」などの言葉で明確に励ましを受けることで、チーム効力感が高まります。
ただし、上司との信頼関係がなければプラスの効果はありません。また、気をつけなければならないことはむ根拠に励ましだけを連発しても効果は高まりません。これまでのチームの行動、実績に対する適切なフィードバックを行う中で、励ましを行うべきでしょう。
特に困難な課題に挑戦しているチームには、上司から励ましや支援を受けることが大切になります。
④健康状態
悪い健康状態の中では、チーム効力感は高まりません。健康状態が悪い状態のチームは、良い状態のチームに比べ、チーム効力感が悪化していきます。健康状態が悪いと明らかに仕事の実行力が落ち、その状況を自覚するので、負の影響を直接受けやすいです。
高いチーム効力感のため必死に働き、結果燃えつきてしまい、心身ともに不健康な状況に陥ってしまうと、結果としてチーム効力感も落ちてしまいます。
残業を減らす、意図的に休息を入れるなどチームの健康状態にリーダーは気を配る必要があります。
OKRとチーム効力感
OKR(Objectives and Key Results)は、チームに高い目標を設定して達成することを目指す仕組みです。高いチーム効力感をもって、OKRを運用することで成長が加速します。
またOKRの仕組みを正しく運用することで組織全体のチーム効力感をあげることにポジティブに作用します。
OKRで全社に透明性をもたらし、高頻度のフィードバックを実施するため、を正しく運用することで上述の特に①~③についてプラスに働くことで、チーム効力感が高まります。
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【目的に向かって組織の力をタバネル】
組織マネジメント、OKR導入コンサルタント
著書「本気でゴールを達成したい人とチームのためのOKR」
ファッション・化粧品メーカー、コンサルティング企業などで勤務。取締役として最大 170 人の組織マネジメントに携わる。 自らのマネジメントと他組織のコンサルティグを経て、組織の力を束ねる目標管理「OKR」導入コンサルティングを行っています。
奥田和広(オクダカズヒロ) 株式会社タバネル 代表取締役
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