研修の効果を可視化して成果を出すために必要な要素
「今回の研修、具体的にどんな成果があったの?」
「満足度は高いようだけど、現場で何が変わったの?」
経営層や現場の責任者からこのように問われ、答えに詰まってしまった経験はないでしょうか?残念ながら研修後のアンケートで「満足しました」「大変勉強になりました」という声を集めるだけでは研修の成果としては不十分だと見られてしまうことがあります。
では、経営層や現場責任者に「この研修は成果があった」と思ってもらうために、研修の効果測定ではどんな指標があれば良いのでしょうか?本記事では、研修の成果を最大化するための評価指標の考え方と、経営層にも納得してもらえる「具体的なゴールの作り方」を解説します。
研修における「成果」とは何か?
研修担当者にとって「研修の成果」というと、「カリキュラムの進捗が滞っていないこと」や「受講者の満足度が高かったこと」になりがちです。しかし、経営層からすると、コストと時間を投じる以上、真の成果は別のところにあります。
研修の成果とは、一言で言えば「受講者の行動が変わり、それが組織の利益(課題解決)につながること」です。
つまり、どれだけ素晴らしい知識を学んでも、翌日からの仕事が以前と全く同じであれば、それは「成果があった」とは言えません。仮に研修カリキュラムに初歩的な内容が多かったとしても、学んだことを実践しやすいように工夫されて入れば、学びを実践することで現場でのミスが減ったり、商談の成約率が上がったりするため、それは大きな成果と言えます。
研修の成果を可視化するために必要なこと
では、どうすれば研修の成果である「受講者の行動が変わり、それが組織の利益(課題解決)につながること」を可視化し、報告することができるのでしょうか?
まず、研修の成果が見えにくくなる最大の原因は、ゴール設定が抽象的すぎることにあります。
例えば、抽象的なゴール設定とは以下の通りです
「マーケティングスキルの向上」
「データ分析力の強化」
「リーダーシップの育成」
これらをゴールに設定した場合、仮に受講者が何らかの行動変化を起こしたとしても、達成度合いの基準が曖昧なため、研修後に結果を報告する際に「一定は向上したと思います」としか答えられなくなります。
そのため、成果を語るためには、「誰が」「いつまでに」「どのような状態になっているか」を具体化する必要があります。
例えば、以下のように具体的なゴール設定ができます。
例1:マーケティング研修の場合
研修後3ヶ月以内に、自社の顧客データを分析して広告予算の配分を見直し、リード獲得数を20%増加させることができる状態
例2:営業研修の場合
毎月の営業報告において、単なる数字の羅列ではなく、失注原因を多角的に分析し、次月の改善アクションを3つ提示できる状態
ここまでゴール設定をすることができれば、研修の成果として、どの程度ゴールを達成できたのかを測定することができるようになります。
ゴールの達成度合いを測る「4段階評価」
そして設定した具体的なゴールが達成されているかどうかを評価する際は、世界標準の指標である「カークパトリック・モデル」が利用されることが多いです。このモデルでは成果を以下の4段階で捉えます。
レベル1:反応
指標:受講者の満足度
評価方法の例:アンケート(「役立ちそうか」等)
レベル2:学習
指標:知識・スキルの習得
評価方法の例:理解度テスト、レポート、実技試験
レベル3:行動
指標:現場での実践
評価方法の例:上司へのヒアリング、行動チェックシート
レベル4:結果
指標:事業への貢献度
評価方法の例:KPI(売上・生産性など)の達成度合い
研修の評価ではレベル1(反応)、レベル2(学習)に目が行きがちですが、経営層が真に求めているのは、レベル3(行動変容)とレベル4(事業成果)であることを常に意識しましょう。
研修を「やりっぱなし」にしない、実践への橋渡し
そして重要なポイントとして、この指標のレベル3の行動変容を引き起こせるかどうかは、研修で何を学ぶか?に起因することは少なく、どちらかと言えば「職場に戻った後の環境」で決まります。
というのも、研修では積極的に受講していても、日常業務に追われる中で、学んだことを実践する機会が遠のき、結局、学んだことを現場で活かさないまま忘れてしまう。といったことはよくあるからです。
そうならないために、研修後に以下のアフタフォローを実践することで、研修の「やりっぱなし」を防ぐことができます。
1.上司を巻き込む
学んだことを実践しても、そのことが評価されないと実践のモチベーションは低下してしまいます。そこで、研修前に上司から本人に期待していることを伝えてもらい、研修後にはアクションプランを共有して1on1で進捗を確認してもらうことができます。
2.一定期間後のリマインド
研修直後はモチベーションが高い状態で、実践しようと考えている人も、日々の業務に追われる中で、実践の機会がなく、時間が経つことで忘れてしまう…といったことはよくあります。そのため、1ヶ月後に実践状況を確認する、または、確認することを伝えておくことで、実践と定着率は劇的に向上します。
3.実践のハードルを下げる
実践を妨げる要因として、学んだことをどう現場に落とし込めるのか?を考えることへのハードルがあります。アクションが決まっていないと、動き出すことができず、あとで考えようとしても優先度が低下してしまします。そのため、研修の中で、「明日から学びをどう現場に活かすか?まず何をするか?」までを決めておくと、実践してもらいやすくなります。
経営層に響く「研修成果報告書」の書き方
最後に、せっかく現場で研修の成果が出ていても、それが経営層に届いていないと、研修の効果を実感してもらえず、もったいないことになります。そこで「Before/After」を可視化して、成果を感じてもらいやすい報告にするためのポイントを紹介します。
1. 定性的な変化:「意識が変わった」ではなく、「〇〇という課題に対し、具体的な改善案が○件提出された」と記す。
2. 定量的な変化: 設定した目標に対し、現在の進捗状況を数値で示す。
3. 今後の課題: 実践を阻む壁(ツール不足など)を報告し、人事としての次なる改善策を提案する。
【まとめ】研修を「コスト」から「投資」へ
どれだけわかりやすく、学びやすく設計された研修プログラムがあったとしても、研修の成果は、実施後すぐに現れるものではありません。「具体的なゴール設計」と「現場を巻き込む仕掛け」という準備があって初めて、受講者に学びを実践してもらえて、その行動の結果として目に見える数字の向上、つまり成果となります。
私たちの研修では、ゴールを設計するところからサポートしており、受講後に現場に持ち帰ってもらい、行動してもらうところまでを想定したカリキュラムを組んでいます。
もし、今までの研修では、成果を感じてもらうことができなかった…という方は、ぜひ一度ご相談ください。
一緒に、貴社にとっての成果に繋がる研修の提案をさせていただきます。
このコラムを書いたプロフェッショナル
鈴木 英利佳
シナジーマーケティング株式会社 マーケティングコンサルタント
業界・規模問わず100社以上の企業のデータ活用を軸としたデジタルマーケティング推進のためコンサルティング支援を実施。その後コンサルティングで得た知見を基にマーケティング人材育成・研修のサービスを立ち上げ、こちらも100社以上に導入されている
鈴木 英利佳
シナジーマーケティング株式会社 マーケティングコンサルタント
業界・規模問わず100社以上の企業のデータ活用を軸としたデジタルマーケティング推進のためコンサルティング支援を実施。その後コンサルティングで得た知見を基にマーケティング人材育成・研修のサービスを立ち上げ、こちらも100社以上に導入されている
業界・規模問わず100社以上の企業のデータ活用を軸としたデジタルマーケティング推進のためコンサルティング支援を実施。その後コンサルティングで得た知見を基にマーケティング人材育成・研修のサービスを立ち上げ、こちらも100社以上に導入されている
| 得意分野 | 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、チームビルディング、ロジカルシンキング・課題解決、営業・接客・CS |
|---|---|
| 対応エリア | 全国 |
| 所在地 | 大阪市北区 |
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