Python研修の講師と書籍の選び方
お陰様でPython試験は年間の受験者数が1万5千人前後となり、1社で千人を超える合格者を輩出される企業が現れたり、大学のパンフレットに推奨資格として記載されたりと、Python試験は大変な好評をいただいております。
Python試験が好調なのも、Python市場が拡大しているからであり、日本語のPython書籍もほぼ毎月10冊前後が新刊されているような状態です。これだけ本が出版されるのは、やはりPythonの本は売れるからであると考えています。そして、常に執筆者が不足しているような状態になっています。
一方でPythonに精通していない人が書いてしまったような書籍も存在しています。それらの本には、文法的に間違っているものや、Pythonらしくない書き方を紹介している書籍も散見していると聞いています。
これはPythonエンジニア育成推進協会の設立時の懸念事項でもありました。Pythonが普及を始める時に、適切ではない表現がされている書籍が市場に出回ってしまい、間違った理解をしたエンジニアが量産育成されはしないか?という懸念です。そこで、Pythonのお作法であるPythonicやPython Zenに準じたPythonプログラミングの理解度を図れるPython試験を立ち上げた次第です。
話を書籍に戻しますが、皆さん会社でPython書籍をお勧めされる際は、是非、著者の実績と経歴をちょっと気にしてほしいと思っています。例えば、今までJavaなどの他の言語を中心とした執筆歴や開発経歴しかない方が書かれたPythonの書籍は少し気になりますよね。もちろんそういう方の書籍であっても、Pythonのお作法に準拠し、正しい文法で書かれている可能性もあります。ただ、それほど高くはないかもしれません。
講師の話もそうです。新人研修の時期が近くなってくると講師不足がささやかれますが、急場しのぎにPython経験が浅い方に講師を依頼してしまうこともあるのではないかと危惧しています。そして、発注側も講師がPythonをどこまで理解しているか判断できないこともあり、そのまま発注してしまうケースがあると思っています。
そして、講義実施後に受講者から「あまり詳しそうな講師ではなかった」とのアンケート回答が出てきてしまい、講師が実はPythonに精通していなかったことが後から分かったなんてことにもなりかねませんし、更には、間違ったPython文法で教えられてしまっていた。。という事態は避けたいところです。
講師を選ぶ際にもその方の経歴を確認されたほうが良いと思います。
個人的には経歴以外にもPython関係のコミュニティで活動されているような方であれば、書籍も講義も知識としては、それほどはずれはないと思っています。
最後に書籍についてですが、当協会が認定している教材であれば間違いはありません。ただし、当協会が認定している教材は、新人や非エンジニア部門の方など、プログラミング未経験者の方にはハードルが高いので、新人研修やエンジニア未経験者向けの参考図書としては以下の書籍をお勧めします。
・「いちばんやさしいPythonの教本 第2版」
・「スラスラわかるPython第2版」
・「Pythonスタートブック [増補改訂版] 」
上記の書籍は当協会ノベンバーが執筆に関与したり監修しているものであり、理解しやすいと評判の書籍になります。
それでは今日はこの辺で
- 資格取得
年間登壇約20回、連載数15本以上、顧問先14社を持つマーケッター。著書「ITエンジニア向け企画力と企画書の教科書」大手企業の職級査定審査員
日本を代表する大手企業を中心にマーケティング支援を実施。日本のIT業界の発展のためには教育が重要であると考え、LinuxやXML、PHP、Ruby on Rails、Python、IPv6の検定試験を立ち上げ、運営組織の代表を歴任する。
吉政忠志(ヨシマサタダシ) 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事
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