若手への投資としての海外研修
前回、コラムでご紹介した新入社員海外研修でイギリス、アメリカ、カナダ、シンガポールに留学していた新入社員が無事に帰国し、9月末に恒例の成果発表会があった。
プレゼンテーションはもちろん英語だ。
毎年、このプロジェクトでは成果発表会で本当に驚かされる。
何に驚かされるのか?
それはプレゼン力と自信だ。
この2つの絶大な効力を持つ要素を身につければ、TOEICの点数は関係ない。
例えば、渡航前は300点台だった留学生が帰国までに何とか500点台まで上げてくる。
でも、鍛え上げたプレゼン力と自信に満ち溢れた表情があれば、優に800点はあると錯覚させられる。
その成長ぶりに、ある種の驚きと感動を覚える。
30代から40代の社員がこのプレゼンテーションを見ると、
たった3ヶ月でほとんど英語のできない人材がここまで見事に変貌すると焦りを感じると言う。
もちろん若さと言う特権はあるのであるが、
30代以上でも専門性に加え人生経験やスキルを使って同じような結果を出すことが可能である。
<リサーチ型プロジェクトの効果>
毎年ただ語学学校に通うのではなく、
Action Learning Project (ALP) というリサーチ型のプロジェクトを課している。
テーマは「自社に関わること」という条件のもと各チームで本人たちが決める。
このプロジェクトは英語でのコミュニケーションスキルを身につけることが一番の目的だが
毎年、それ以上の効果があると実感している。
彼らは、4月入社で7月に留学先に渡航する。
採用面接のために会社について勉強したもののまだまだ自社の課題や、
マーケットの動向などについて、真剣に考えてはいない人がほとんどだ。
そんな彼らが、自分たちが決めたテーマを元に必死で考え、
国籍の異なる人に英語で質問し、英語で意見をぶつけ、多くの気づきを得る。
自分たちで考え工夫したアンケートシートを手に放課後や週末に人が多い公園や駅に行き、
3ヶ月で100-300人の人にアンケートをとる。
特に英語力が低かった留学生や海外が初めての人は、生活をするだけで精一杯だ。
それに加えALPに取り組み、もちろんTOEICの点数も上げなければいけない。
ただ楽しむ留学とは程遠く、本人たちは大変だったと思うが今回の留学通じて、
若い時に存分に吸収した深い気付きを将来会社で活かしてくれる、と私は確信している。
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「グローバル&自立型人材育成」をミッションとし、プログラムの企画・開発・コーディネートを手掛け、講師としても活躍!
海外のトップビジネススクール(HBS・LBS・IMD等)、国内外のトップトレーナー(HRDコンサルタント、コミュニケーション・異文化・語学スペシャリスト等)との協働で、400社以上の企業向け人材育成に携わっている。
福田 聡子(フクダ サトコ) グローバル・エデュケーションアンドトレーニング・コンサルタンツ株式会社 代表取締役社長
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