M&Aの手続き・M&Aに向けたステップ
M&Aの手続き・M&Aに向けたステップ
~フローチャートでチェック~
相手先を探す前にやるべきこと:
M&Aとは、決断をしてから数か月で相手先が見つかるものではありません。
より良い相手先を探し出し、より良い条件で交渉をするためには事前準備が重要となります。まずはM&Aを実行するには「事前準備が重要」であること、「時間がかかること」を認識しましょう。
M&Aを決断して第一に取り組むべきことは、自社の経営状況の把握と経営の磨き上げです。
いざ相手先と交渉をする時には、自社の経営状況を開示し、相手先によく理解してもらう必要があるからです。そのために、社長ご自身がしっかりと経営状況を把握し、決算書等も分かりやすくシンプルにしておく必要があります。あまりにも自社の経営状況が厳しければ、相手先探しも難航することになります。利益をしっかりと出し、純資産を蓄えておくことで候補先を探す範囲も広がり、良い相手先との出会いの可能性を最大化することに繋がります。
M&A交渉までの流れ:
いざM&Aをスタートする段階となると、大枠で「M&Aの準備」→「マッチング」→「交渉」という3つのフェーズに分かれます。それぞれのフェーズで実施すべきことは約20項目ほどありますが、ここでは一部となりますがお伝えさせていただきます。
1.M&Aの準備について
(1)専門家の選定
まずは、相談する専門家を選定します。各県にある公的機関の「事業承継・引継ぎ支援センター」へ相談をしたり、地域金融機関、民間のM&A専門会社など様々な選択肢があります。可能な限り、複数先に相談することがベストです。
(2)各種資料の提出
依頼する専門家が決まると、専門家は貴社の紹介をするための2種類の資料を作成します。
①ノンネームシート(自社と特定できない情報)
②企業概要書(自社の概要を詳細に記載した情報)
この資料を作成するために、定款や謄本などの会社関連資料、決算書3期分などの財務関連資料、従業員一覧、規定関連などの組織関連資料、事業内容・製品・取引先等の事業関連資料など様々な資料を準備し、提出する必要がございます。
2.マッチング
必要な資料が準備できましたら、譲受候補となる相手先の探索を進めていきます。探索から提案についてもM&Aの専門家が実施します。
はじめは、候補先にノンネームシート(自社と特定できない情報)にて提案し、M&Aに関心があるか・事業関連性があるかなど基本的な条件に照らし合わせて確認していきます。
この時点で関心があれば、情報漏洩を防ぐために「秘密保持契約書」を締結し、企業概要書(自社の概要を詳細に記載した情報)にて紹介・提案をします。
企業概要書にて関心を持った候補先と、面談や企業見学に進みます。売主と買主は、ここで初めて顔合わせすることになります。直接面談を進める中で買主より、すでに提出した資料に掲載されていない事項など追加で質問や資料開示などを求められる場合がございます。
3.交渉
直接面談の後、双方がM&Aを進めていく意思が固まりましたら、「意向表明書」にて譲渡金額やスキーム等諸々の条件の提示を受けます。
意向表明書の内容に合意しましたら、「基本合意書」という双務の契約書を締結します。
その後、デューデリジェンスという詳細な「調査」が入ります。デューデリジェンスを実施する分野は状況に応じて異なりますが、一般的に、財務・税務関連と労務関連において実施することが多いです。具体的には、自社の詳細資料の提出、譲受先からの事業における詳細な質問やインタビューを受けるなど労力のかかる作業となります。
デューデリジェンスを終えると、最終契約書の締結に向けて、事前に結んだ「基本合意書」の内容から条件の変更がないかを確認しながら「株式譲渡契約書」の作成を進めていきます。
「株式譲渡契約書」は大変重要な契約となりますので、必ず専門機関である法律事務所へリーガルチェックを依頼してください。
タナベ経営では、事業承継M&Aの一連のお手続きやステップを、ご依頼企業様の側にだけ立ち行動する「アドバイザリー方式」でサポートいたします。
事業承継M&Aをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
※本コラムは丹尾が、タナベ経営の経営者・経営企画部門のための事業承継M&A専門サイトにて連載している記事を転載したものです。
【コンサルタント紹介】
株式会社タナベ経営
M&Aアライアンスコンサルティング事業部
M&A本部長
丹尾 渉
2015年タナベ経営入社。2017年からM&Aコンサルティング本部の立上げに参画。M&A戦略構築からアドバイザリー、PMIまでオリジナルメソッドを開発。その後4年間で延べ60件以上のM&Aコンサルティングに携わる。2022年よりM&A本部本部長兼成長M&A研究会リーダーに就任。「戦略無くしてM&Aなし」をモットーに、大手から中堅・中小企業のM&Aを通じた成長支援を数多く手掛けている。
主な実績
・上場企業の新規事業開発を目的とした譲受側M&Aアドバイザリー
・上場企業子会社の事業戦略からM&Aまで一貫性を持たせた戦略構築
・上場企業子会社の買収調査のためのビジネスDD、財務DD、労務DD
・中堅企業の事業ポートフォリオの転換によるビジネスモデル変革支援
・M&Aを初めて実施した中堅企業のPMI支援
- 経営戦略・経営管理
- 法改正対策・助成金
- チームビルディング
- ロジカルシンキング・課題解決
- 財務・税務・資産管理
M&A実績件数(クロスボーダー含む)600件以上のタナベコンサルティンググループが事業承継M&Aの一連のステップをサポートいたします。
事業承継や事業ポートフォリオの転換による企業の存続・成長のためのM&Aサービスをご提供。M&Aの前工程である戦略構築からアドバイザリー、統合支援(PMI)など、M&Aに関するサービスから組織体制構築までを一気通貫で行うM&Aコンサルティング
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