辛いときを乗り越えるための言葉
人の辛さには、それぞれ特有の事情があるものです。
失恋がつらくてたまらない人
失業がつらくてたまらない人
ペットの死がつらくてたまらない人
自分の将来が不安でたまらない人
狭い空間がつらくていられない人
人の目線がつらくて悩んでいる人
こうしたことは、他の人からしてみれば
「そんなことどうでもいいじゃないか」
と言われてしまうこともあるのです。
よくある言葉として
いじめを受けた子が、なかなか先生や保護者にその状況を話そうとしないようなとき
「勇気を出して言いなさい」
「思い切って、言ってしまいなさい」
等というわけですが、
本人が大事にしている部分というのは、言ってすっきりすることではなく
「言えないこと」の中にあるわけです。
そうした共感性は、実際に悩んでみなければわかりませんから
私たちのつらい経験というのは
少なくとも他者の辛さを理解することには役立ちます。
これもまた、時々
「私の若いころは、、、」
とやる方がいたりしますが
本当に深い理解のある方は、そうした自慢話はしないものです。
わたしには、印象深い2人の叔父がいます。
一人は医師
もう一人は、大手自動車メーカーの店長をされた方でした。
わたしが、これまでの人生の中で最も落ち込んだ時のことです。
父がすでに他界していた私に対して、その二人は、異なる二人の父のように接してくれました。
一人の叔父は、
何も言わず「心配するな」と抱きしめてくれました。
もう一人の叔父は
「いいか。こういう時に一つ言えることは、
とにかく黙っていろ。何を言われてもじっとしてろ。それしかない。」
わたしは、この二人の叔父のおかげで、危機を脱したと思います。
究極に辛いときには、多くのことを言われても無駄です。
この二人の叔父は、その人生の経験や、幼い時から知っている私の状況を知っていて
そのような対応をしたのでしょう。
わたしにとっては、その2つの対応が
身内の誰よりも支えになりました。
なぜ?
と思うかもしれませんが、人の心というのは
そういうものです。
みなさんは、自分が言いたいことを言うのではなく
その人にあった、言葉をかけられるようになれるでしょうか。
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KIRIHARE所属 臨床心理士(キリハレ) KIRIHARE臨床心理士 品質責任者
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