1on1の現場から:お勧めの対話テーマ

1on1という言葉がまだ市民権を得ていなかった8年前。1on1導入の必要性を説きながら多くの企業のコンサルティングに携わってきました。
大手企業では当たり前のように1on1が実施され、1on1の研修や、運用の専用システムも世の中にでてくるようになりました。
中小~万単位の大企業まで、多くの企業での1on1導入を支援してきた経験から、実際に現場で1on1を実施する上長、される側のメンバー、導入・定着化を担当する推進者の方たちが感じている疑問・課題について、お答えしたいと思います。
弊社の導入・定着化支援の考え方は、アジャイルHR代表の松丘啓司の1on1における考え方を基本としています。詳細は「1on1マネジメント」をぜひ手に取ってみてください。
「Q. 1on1でお勧めのテーマはありますか?」
前回のコラムでは、1on1を実施していく中で、話すテーマに困ってしまったり、効果を感じることができないという方に、以下の3つのことをテーマに、対話を進めることをお勧めしていている、というお話をしました。
・前回の1on1から頑張ったことや、うまくいったこと
・そこからどのような気付きや、学びがあったか
・それを活かして次はどんなことをやってみたいか
なぜ、このような質問が、1on1の本来の目的である、メンバーの成長を促すことができるのでしょうか?
皆さんは、社会人の成長の7割は、仕事の経験を通じて実現されると言われることをご存知ですか?本を読んだり、セミナーを受講したりするよりも、仕事の経験からの学びが最もその人の成長につながると言われています。
それでは、色々な経験をしたらそれでいいのか?というとそれだけでは十分ではありません。人は忘れやすい生き物なので、「経験」を「学び」につなげるプロセスを経なければ、それは単なる「経験」で終わってしまい、よほどインパクトのあった出来事でなければ、その時に感じたことや学んだことは忘れ去られてしまうからです。
「経験学習」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
以下の図はアジャイルHR代表の松丘啓司が執筆した「エンゲージメントを高める会社」にある、経験学習モデルの図です。

経験学習は、コルブが提唱した考え方で、「具体的な経験」「内省的な観察」「抽象的な概念化」「積極的な実験」、この4つのプロセスを繰り返すことで、経験から学びを得て次につなげる力をつけることができる、つまり成長できるといわれています。
先程の3つの質問をもう一度見て見ましょう。
メンバーは前回の1on1から今日実施する1on1までの間に職場で色々な経験をして、1on1の場にやってきます。(具体的な体験)
1on1の場で上長と
- 前回の1on1から頑張ったことや、うまくいったこと(内省的な観察)
- そこからどのような気付きや、学びがあったか(抽象的な概念化)
- それを活かして次はどんなことをやってみたいか(積極的な実験)
を話します。
どうでしょうか?
これらの3つ質問は、まさしく「経験学習」サイクルを回すためのものであり、上長が1on1でメンバーから話を聞きだし、整理を手伝ってあげることで、メンバーの学びを生み出し、次につなげることができる質問なのです。
そうはいっても、毎回頑張ったことを話せるほど、仕事で色々経験ができるメンバーばかりではないのでは?と思った方も多いのではないでしょうか?次回はこの質問について、お答えしたいと思います。
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企業で働く人たちが、「明日も会社に行くのが楽しみ」とワクワクするような環境作りを目指します。OKR・1on1・キャリア開発はお任せください!
支援が完了しても、お客様が自走できるように、「伴走型支援」を心がけています。対話を通じて、お客様の「軸」や「大切にしたいこと」を理解し、目指したい姿を共に実現します。
井上弘絵(イノウエヒロエ) 株式会社アジャイルHR マネジャー

対応エリア | 全国 |
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所在地 | 港区 |
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