【女性活躍推進】日本の女性活躍推進に岩盤はないだろうか?
【古川ひろのりの女性活躍推進】
日本の女性活躍推進に岩盤はないだろうか?
~ヒラリー・クリントンはガラスの天井があったと言った~
バラク・オバマと大統領選を戦い、破れたヒラリー・クリントンが「ガラスの天井(glass ceiling)があった」と発言したのは記憶に新しい。「女性だから」という高い障壁があったと、日本よりはるかに女性活躍が進んでいる米国人が訴えた。
では、日本に女性活躍推進を阻む岩盤はあるのだろうか。岩盤ではなく、粘度層という言い方がマイルドなのかも知れない。いずれにせよ、こういう形では議論がまだ広くされていないように思う。
結論としては、私は大いに「ある」と思う。柔らかいか硬いか、薄いか厚いかは、会社や組織によって違うだろうが。ただ、大切なことは、そのほとんどが、悪意によるものではなく、知識不足によることである。つまり、新聞では、Wのピンク色のマークをよく見かけるが、男性がほとんどを占める経営陣や中間管理職が、事情をよく知らないまま、過去から変化しないだけだと思う。
よく2通りの困った男性管理職(レベル)がいると聞く。まったく女性のことに気遣いしない男性と、女性にモノが言えない男性である。
前者は、少子高齢化という言葉は聞いてはいても、働き手が今後激減することを真剣に考えておらず、ダイバーシティでより多様な意見を取り入れることができるという基本的なことが分かっていない。
後者は、セクハラ・パワハラを恐れて、モノも言えずに腰が引けている。「褒めるのはいいが、叱るのはダメ」「文句も言わずにニコニコしているだけ」と大会社に勤める後輩が情けないことを言っていた。これが極端になれば、「女性社員など不要」となってしまいかねない。
経験の浅い女性としても、「だれも私を叱ってくれない」「だれも私のことを気にかけてくれない」「であれば、私がここにいる価値があるのだろうか」と悩んで会社を辞めてしまう。これでは、意味がない。教える事はしっかり教え、叱るべきは叱り、成長させなければいけない。会社も社員も成長を願っている。だから、教育し、結果を出せと(男性にも女性にも)言わなければいけない。
話しを戻して大企業での岩盤。直球で言うと「総論賛成、各論風まかせ」が多いのではないだろうか。「自分は反対ではないが、特段自分が会社を変えようとは思わない」「だれかいつか変えるのだろう」と思っている男性が多い。自ら興味を持って行動まではしない。
ダイバーシティ推進室などを人事部や経営企画室に作り、女性管理者を置き、女性向けのセミナーなどに取り組んでいる会社は、前向きで素晴らしいと思う。ただ、その次の段階が難しいのではないかと思う。「総論賛成、各論風まかせ」の岩盤にだれがどのように説明すれば、納得するのだろうか。顔はニコニコしていても気持は「風まかせ」であり、興味薄の人の方が多い。
手前味噌になるが、私はこのソリューションを提供してきており、ご評価をいただいている。これまで長く現場営業をしてきて、中間管理職の気持や考え方は痛いほど分かる。管理職やリーダーとして、シャアするところは大いに共感し、女性活躍についての答えを差し上げるからだろう。例えば、次のようなこと。
将来感謝される上司となれ(今嫌われても)
女性にも向かい合え、女性から逃げるな
女性にも成果を求める
女性にもルールや仕事場の決めごとはちゃんと言う
女性にも新しい仕事を振る
女性にも中長期視野を常に持たせる
女性にも数字管理の重要性を伝える
私は、2009年頃から女性活躍推進に関する執筆をしており、安倍政権よりずっと前から取り組んでいる。「日本の人事部」では新入生であるが、ダイバーシティ・女性活躍推進に少しでも貢献できるよう、ときどき投稿して発信をしていきたい。(つづく)
- モチベーション・組織活性化
- キャリア開発
- リーダーシップ
- マネジメント
雑誌掲載・著書多数!女性活躍の男性推進サポーター兼「立志塾」塾長。経営的観点から、ジェンダー×ダイバーシティの意義と実践をお伝えします。
ホリプロ経営企画室長時代、多くの名もなき女性たちがプロのタレントとして輝きを放つ瞬間を見てきました。何故無名の新人が大女優になるのか?―才能を見つけ、引き出し、磨き、演出する。企業における人材育成、殊、女性育成でも根幹は同じかもしれません。
椎川 乃雅(シイカワ ノア) 一般社団法人彩志義塾 代表理事
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