「どう生きるか」から始めるキャリア支援
ストレングスファインダー(R)を活用したコーチングの現場では、転職を視野に相談に来られる方も少なくありません。その際、私が重視しているのは「何をやるか」ではなく、「どう生きていくか」という視点です。
転職を考えるということは、すなわち今後のキャリアを見つめ直すということ。そしてキャリアとは、「仕事の選択肢を考えること」以上に、「自分の人生をどう意味づけていくか」という営みでもあります。私自身、「キャリア=自分で意味づけをしていく人生そのもの」という定義に深く共感しています。
仕事は、私たちの人生の中で大きな時間とエネルギーを占めるものです。だからこそ、仕事での充実は、人生全体の満足感にも直結します。しかし一方で、キャリアの選択を考えるとき、多くの方が「自分にはどんな仕事が向いているか」という問いに立ち戻ります。
もちろん、それ自体は間違いではありません。ただ、その「向いている」という判断基準が曖昧なままでは、真の納得感は得られません。単に得意なことを基準にしても、それが必ずしも「やりがい」や「納得感」につながるとは限らないからです。
ストレングスファインダー(R)は、そうした判断に新たな軸を提供してくれます。それは「自分は何を求めて生きているのか」という根源的な問いへのヒントです。
たとえば「最上志向」が強い方は、常により良い成果や成長を追求することに喜びを感じます。「自我」が強い方は、社会的な影響力や貢献感を求めます。「共感性」が高い方は、人の役に立つこと、人を笑顔にすることに価値を見出します。「信念」を持つ方は、自らの価値観を守り抜くことに生きがいを感じます。
こうした“自分らしさ”を軸に、「どう生きたいのか」を明確にしていく。その上で、その生き方にふさわしい仕事や役割を考えていく。この順序が、納得感のあるキャリア選択を支える鍵になると感じています。
そうして見えてくるのは、転職という選択肢だけではありません。今いる職場の中で、自分らしい働き方を模索するという道も開けてくるのです。そしてもし、それがどうしても実現できない環境であれば、はじめて環境を変えるという選択肢が現実味を帯びてきます。
ストレングスファインダー(R)は、自分に合った「生き方の軸」を示してくれるツールです。だからこそ、「次に何をするか」だけでなく、「これからどう生きていくか」を見つめ直すきっかけとして、広く活用される価値があるのだと感じています。

- キャリア開発
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- チームビルディング
- コミュニケーション
ストレングスファインダーで変革を促す~対話と多様性を重視し、個々の強みを活かすことで組織全体の成長をサポート~
前職では半導体製造技術者として勤務しながらコーチングやアサーション研修の社内講師も務める。独立後、ストレングスファインダーを活用したチームビルディングやリーダーシップ研修を中心に提供。ストレングスファインダーのプロファイリングに定評がある。
知識茂雄(チシキシゲオ) ガイアモーレ株式会社提携講師(株式会社ハート・ラボ・ジャパン)

対応エリア | 全国 |
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所在地 | 熊本市 |
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