ストレングスファインダー(R)をマネジメントに活かす その4

今日は、リーダーやマネジャーの方に向けて、自分の強みを活かしながら、どう部下の強みを引き出していけばよいのか、その具体的な関わり方について考えてみます。
これまでもお伝えしてきたように、まずは自分自身がどんな強みを持っているかをしっかり認識し、それを活かすことが大切です。
ただ一方で、自分の強みばかりを意識しすぎると、部下との間にすれ違いが起きてしまうこともあります。
例えば、「ポジティブ」な強みを持つ上司と、「慎重さ」の強みを持つ部下を考えてみましょう。
「ポジティブ」が強みの上司は、どんな状況でも「まあ、何とかなる!」と明るく前向きに取り組みます。
マネジメントとしては、部下に「失敗を恐れず、まずはやってみよう!」と安心感を持たせて挑戦させることができるでしょう。
一方で、「慎重さ」が強みの部下にとって、根拠なく「大丈夫だから」と言われると、むしろ不安が増してしまいます。
慎重な部下は、行動する前にリスクを把握し、それに備えるための時間が必要です。
では、こうした違いを抱える相手と、どう折り合いをつけていけばよいでしょうか?
まず大切なのは、「自分と相手の違い」をしっかり認め、相手の強みを意識的に活かすことです。
具体的には、こんな関わり方が考えられます。楽天的すぎてつい準備不足になりがちな自分をサポートしてもらう形で、相手の「慎重さ」を頼ってみるのです。
「心配なことがあったら、ぜひ遠慮なく教えてくれると嬉しいな」
そう伝えることで、自分の弱いところを部下の強みで補い、部下自身も自分の強みを発揮しやすくなります。
実は、多くの人は自分が頼られることによって、自分の価値を実感しやすくなり、頼ってくれた人への信頼感も増します。
そして「ポジティブ」が強みの人は、他の人が助けてくれたとき、素直に「ありがとう!本当に助かった!」と感謝を伝えられる人でもあります。この言葉は、相手にとって大きな承認になります。
こうして部下の強みに目を向け続けていくと、次第にその強みが明確になり、実際に成果を上げてくれるようになるでしょう。
すると、今度は自然と部下が準備にじっくり時間をかけることを認めてあげられるようにもなります。
ただ、現実にはスピード感が求められる場面もありますね。
そんなとき、慎重な人がなかなか動けないのは「不安やリスクを感じているから」です。
ですから、動きが止まっていると感じたら、まずは「何が不安で動けないの?」と尋ねてあげるとよいでしょう。
相手が感じている不安が、それほど大きなリスクでないとあなたが判断したなら、安心できる根拠を示してあげてください。
例えば、
「万が一うまくいかなくても、○○さんがしっかりサポートしてくれるから、大丈夫だよ」
「仮に失敗したとしても、それより経験を積める方が大事だよね!」
という具合です。
あなたの「ポジティブ」の強みを活かした、前向きな声かけですね。
大切なのは、自分の強みも相手の強みも、まずは「強みを活かす」という前提で向き合うことです。
強みにフォーカスすれば、弱みについても前向きに捉えることができるようになります。
それがまさに、ストレングスファインダー®の根本にある考え方です。

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ストレングスファインダーで変革を促す~対話と多様性を重視し、個々の強みを活かすことで組織全体の成長をサポート~
前職では半導体製造技術者として勤務しながらコーチングやアサーション研修の社内講師も務める。独立後、ストレングスファインダーを活用したチームビルディングやリーダーシップ研修を中心に提供。ストレングスファインダーのプロファイリングに定評がある。
知識茂雄(チシキシゲオ) ガイアモーレ株式会社提携講師 株式会社ハート・ラボ・ジャパン

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