ストレングスファインダーをチームビルディングに活かす その7
今回は、自分とは異なる価値観を持つ他者と接する際に、どのようなマインドを持つべきかを考えてみます。ポイントは、「◯Xでジャッジしない」ということです。
理想は尊重し合う関係だけれど…
ストレングスファインダー®を活用してチームビルディングを行う場合、お互いの思考や感情、行動パターンを尊重し合い、それぞれの強みを補い合うのが理想です。
ただ、現実は理想通りにいかないことも多いですよね。
たとえば、チームメンバーの行動を見て「なんでこんなことするんだろう?」とイライラしてしまうこと、ありませんか?これはごく自然な感情です。
でも、このときにやってはいけないのが、相手を「正しい」「間違っている」とジャッジしてしまうことです。
ジャッジが生む問題
相手の行動を「間違い」と見なし、それを「正そう」とすることは、一見すると相手のための行動のように思えます。
しかし実際には、相手そのものを否定してしまうことにつながります。
冷静に考えてみると、相手の行動が「正しくない」のではなく、「自分にとって心地よくない」という場合がほとんどです。
それを自覚せずに「◯X」をつけると、こんな風になってしまいます:
-
自分:◯
-
相手:X
でも、相手には相手なりの価値観や正しさがあります。
「X」をつけられたからといって、相手が自分の基準に合わせることは難しいのです。
大切なのは「自分の感覚を伝える」こと
では、どうすればいいのでしょうか?重要なのは、「ジャッジ」ではなく「自分の感覚」を伝えることです。
たとえば、相手の行動が自分にとって不快な場合、
「その行為は私にとって心地よくないので、やめてほしい」
と伝える方法があります。
この伝え方なら、相手を否定するのではなく、自分の感じ方を率直に共有することができます。
これが、アサーティブなコミュニケーションの基本です。
アサーティブな伝え方とは?
アサーティブなコミュニケーションとは、「自分を大切にしながら、相手も同じように大切にする」ことを重視する考え方です。
相手をただ正そうとするのではなく、自分の感覚を素直に伝えることで、相手との関係をより良くしていく方法です。
たとえば、相手の振る舞いが気になるとき、「どうしてこうなの?」と責めるのではなく、
「私はこう感じている」と自分にフォーカスした表現
を使えば、相手にも配慮しながら自分の気持ちを伝えることができます。
ジャッジの背景にある「思い込み」
他者に「X」をつけてしまう背景には、自分の価値観を「一般常識」だと思い込んでいることが多いです。でも、それはあくまで「自分の主観」であることを忘れないでください。
もしそのことに気づいたら、相手に伝えるべきは「自分の感じ方」です。
「私はこう感じる」
これだけで、相手に対する接し方がぐっと柔らかくなります。
次回は、具体的なアサーティブな伝え方についてさらに詳しくお話しします。
- キャリア開発
- リーダーシップ
- コーチング・ファシリテーション
- チームビルディング
- コミュニケーション
ストレングスファインダーで変革を促す~対話と多様性を重視し、個々の強みを活かすことで組織全体の成長をサポート~
前職では半導体製造技術者として勤務しながらコーチングやアサーション研修の社内講師も務める。独立後、ストレングスファインダーを活用したチームビルディングやリーダーシップ研修を中心に提供。ストレングスファインダーのプロファイリングに定評がある。
知識茂雄(チシキシゲオ) ガイアモーレ株式会社提携講師 株式会社ハート・ラボ・ジャパン
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