管理職に欠かせない、メンバーの〇〇〇を知ること
メンバーの個性、すなわち「強み」「持ち味」を活かす、という事を考える時に、私が必ず思い出す言葉があります。
「Aさんが自分から 今の立場(リーダー)を望んでやっていると思う?」
元上司の言葉です。その時の私は、マネージャー候補として転職したばかりでした。
業務は未経験でしたが、お客様の要望をヒアリングし、オペレーターさんにアウトプットの指示を出すというフローと、
そのチームの管理経験があったことから、その経験を活かした改善推進者として、また管理職候補として期待されていました。
とはいえ、新参者ですからもともといるベテラン社員さんに遠慮していたのでしょう。既にリーダーとして動いている方がいる中で、まだまだ業務も1人でやれていないのに出すぎた真似は厳禁!と無意識に考えていたのです。
そしてその無意識が行動に現れ、上司が期待してくれていた動きを私がしていなかった。
冒頭の言葉は、そんな時に言われた言葉です。
その時の私は、この上司からの問いかけによって「確かにAさんは、進んでリーダー役を担っているわけではない」と気づきました。
そして、その時以上に、今は「本当に進んでリーダー役を担ってはいなかったな。もっと私は全面に出て良かったな」より強く感じています。
なぜなら、それが私自身の「持ち味」を発揮する、ということだと知ったからです。
役割だから、ではなくじぶんの持ち味でリーダーシップを発揮する。
リーダーシップとは、じぶんの得意な分野で、先頭を行くことです。
リーダーシップを発揮するのは何も管理職だけのことではないのです。
管理職は、チームのゴールに向かって指針を示します。
リーダーシップは、その指針に向かって具体的に物とを進める中で、得意分野を持つ人がその力を発揮する、そういうことです。
例えば、お客様先で、業務管理のデータを集計する ということが発生しました。
その時に、Excelが得意なメンバーが、その役をかって出てくれました。
あるいは、自発的でなくとも、そのメンバーがExcelが得意だと周りが知っていれば、得意だからお願い!と依頼することができ、その人も、得意な分野だから悪い気はしない、むしろより良い結果を出しやすい所で、その力を発揮できることになります。
そうなる時に、マネジメントという意味でのリーダーの役割は、やれる人を見つけ
そのチカラを最大限に発揮できる環境をつくること、になります。
つまり、「メンバーの持ち味を知っておくこと」が重要になるのです。
どうやってメンバーの持ち味を知るのか?は、先に触れた「効き脳診断」や「持ち味カード」というツールを使うと簡単です。
そうでなくとも、部下を観察することで発見できます。
観察する中で、かりに弱みを見つけたとしたら、その弱みを強みとして持っている人を探します。
弱みは別の誰かの強みの出番、なのです。
逆に強みをスムーズに発見できたら、その機会を活かす場を、たくさん用意します。
そうすることで、その力を最大限に発揮することができます。
実際に、メンバーの悪いところにばかり目につくようだとしたら、あなた自身がつらいでしょう。
今の自分の仕事をよりおもしろくするために、その考え方でよいのなら何も変わる必要、変える必要はありません。
でも、もしそうでないのなら…
それは今の「考え方」「ふるまい方」を変えることが必要です。
そしてそれこそが、働き方改革の本質だと思うのです。
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大手企業を中心に人材育成・イノベーション開発の支援を行う。「人と組織の発酵を促す」をコンセプトに学びの設計、制度設計、アライアンス支援を行う
人材育成業界20年弱、1000名程の講師と会ってきた経験、多くの研修設計をしてきた経験から、人材育成目的ではなく、クライアントの課題解決視点での人材育成を行う。著書に「研修講師が企業・研修会社から”選ばれる力”」(同文館)がある
原 佳弘(ハラ ヨシヒロ) Brew株式会社 代表取締役 中小企業診断士/PDCFAインストラクター
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