~再び、笑いについて~
笑いは、副作用のない癌の特効薬と言われます。
実際困難に直面しても努めて笑って対応することにより、ストレスが
徐々に無くなっていき、自己を取り巻く環境や事態が好転していくよ
うに思われます。
私の経験を一つご披露します。
私は、銀行員時代、シンガポール支店で融資課長を務めた経験があり
ますが、部下は全員中国人でした。
着任早々私が悩まされたのは、次の4つのストレスでした。
英語での仕事、気心の知れない中国人の部下、熱帯の暑い気候、そし
て現地事情を理解しない本店の対応です。
この為、いつもイライラして物頂面で仕事をしてしまう為に、こんな
私に部下も閉口し、中国人同士では
「あの人はおかしい、理解できないよ!」
と言いあっていたそうで、私を取り巻く環境は最悪でした。
そんな時、本店からある先輩が出張してきて、一緒に昼飯を取ったの
ですが、突然先輩がこんなことを言い出しました。
「与謝野君、いやに暗い顔をしているね。
その顔は災いを引き起こす。笑いなさい! ほら今すぐ笑え!!」
そして私に無理矢理笑顔を作らせました。
そう言われて私も成程と納得した面があり、職場に帰って、その日の
午後からできるだけ笑顔を絶やさないように自分自身の行動を切り替
えてみました。
例えば、部下が「MR、YOSANO!」と私の指示を仰ぎに来た時に
「イエース!」とにっこり振り返って部下の顔を見るようにしました。
そのような態度を始めて、一か月位経過した頃から段々職場の雰囲気
が変わってきました。笑いが絶えないにこやかな職場となり、部下が
どんどん私に話しかけてくるようになりました。又いろいろな提案も
出てくるようになりました。
最後にシンガポール支店を去る時には、部下全員から別れを惜しむ
寄せ書きを贈られた際、つくづくあの時に
「笑いを意識して部下に接するようにして良かった!
先輩のあの時の“笑え!”の一言は大きかった」と思った次第です。
動物の中で、笑うことが出来るのは人間だけです。
笑いは、人と人のバリアーを取り除いてくれます。
そして活発なコミュニケーションが生まれてきます。
これからも、難局にぶつかる度にまず笑うことから始めることにしたい
と思っています。
(株式会社ビジネスパスポート 代表取締役社長 与謝野 肇)
- モチベーション・組織活性化
- コミュニケーション
自分の弱みは、できれば見たくないもの。
受け取りやすいツールで
自身の強み・弱みに”気づき”
行動を変えるキッカケを
知識ではなく、実感、体感、経験をお伝えしたいと思っています。
岸川 里枝(キシカワ リエ) 株式会社ビジネスパスポート コンサル・商品企画部 マネージャー
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