事例研究:森友問題で考える「判断と決断の違い」
今年の春は、いつまでも冷え込みが厳しいですよね。
その一方でホットな話題(表面的には)は、森友学園を巡る報道。
連日いろんな事実や会見が行われ、社会の耳目をあつけています。
本質的な問題が置き去りにされ、枝葉の事象を面白おかしく取り扱う記事や人の多さに うんざりされているのではないでしょうか?
でも、この問題の本質はなんなのか?
そこには、官僚や公務員と、政治家の役割はどのようになっているのかを考える大きなヒントがありました。
今日は、森友学園問題を事例として、判断と決断の違いについて考えてみたいと思います。
この問題の本質は、国有地払い下げに伴う値引きに、政治家の関与が
あったのか、無かったのか、だと思います。
学園の教育方針、ゴミが埋まっているところへの小学校設置の是非、総理大臣夫人の講演や名誉校長就任、政治家からの寄付というのは、本質論ではありません。
小学校の設立認可について、「なぜこんな学校法人が設立許可されたのか?」と
言う前に。
「判断」と「決断」の違いについて、考えてみましょう。
私のスタイルはいつもそうですが、本質論以外の話はいたしません。
判断とは、規定、前例、法律などの基準があること。
基準にしたがって、それを満たせていれば合格、となります。
官僚、公務員の仕事とは、まさに「判断」なのです。
書面上問題が無く、現地ヒアリングで特段の異常が認められなければ、OKを出す。
むしろ、OKを出さないことの方が問題となります。
決断とは、前例が無いことにも、何らかの答えを見つけ出すこと。
そして、問題を発見して、解決への道筋をつけることです。
当然リスクはありますし、批判する人もいることでしょう。
それでも、物事を前に進めるためには、どこかで前例を打ち破ることが必要になります。
森友学園の籠池理事長の話では。
小学校設立の認可にあたり、土地の確保が必要だと言われていたそうです。
しかも、近畿の他府県ではそのような基準が無いのに、どうして大阪府だけに縛りがあるのか?
基準を他府県並みにしてほしいと、政治家に陳情したそうです。
このこと自体は、なんら問題ありません。
実態とかけ離れている事象に困っていて、大阪府の公務員に善処を求めても埒が開かない。
前例のないことに答えを出すためには、政治家に「決断」を求めるのが筋です。
法律違反となるのは、こうした政治家の働きかけに対して金品の授受があるかどうか。
いわゆる贈収賄です。
そして今回の問題では、ゴミが埋まっている国有地を払い下げるにあたって、「値引き」
の額を引き下げる「口利き」があったかどうかです。
値引き自体はやむをえないとしても、適切な売買価格だったのかどうか?
売買価格決定にあたり、政治家が関与したかどうか、がポイントです。
ビジネスにおいても。
「判断」とは、決められたことを、決められた手順で、決められた期日までに行うこと。
いわば、実務であり、リスクは基本的になく、ミスには罰則が伴います。
一方、「決断」とは前例の無いことにも一定の答えを出すこと。
責務であり、メリットを最大化することであり、問題解決することです。
「このケースは、判断が求められているのか?それとも決断が求められているのか?」
取り掛かる前に、この問いに答えを出すことが、より良い結果をもたらすことになると思います。
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