育成はセンスじゃないーOJTに必要な「ツール」の話
「実は、どう教えたらいいか知らなかったんです」 今年も多くのリーダー・マネージャー層の研修を担当してきましたが、その中で最も多く聞かれたのがこの言葉です。
OJTを任されるのは、現場で信頼されている中堅社員が多く、業務スキルも高く、後輩の面倒見もいい。 それでも、いざ指導にあたってみると——
「思った通りに伝わらない」
「想定と違う反応が返ってきて戸惑う」
「イメージと違うアウトプットに、自分の指示の出し方が悪かったのかと感じ、結局自分でやってしまう」
そんな“つまずき”の声が、指導の初期段階で多く聞かれます。
なぜ、こうしたつまずきが起きるのでしょうか。
実は、彼らは「教え方」を学ぶ機会がないまま、ある日突然「今日からOJTね」と任されてしまうからです。また、今、指導にあたっているマネージャー層も同様です。
「自分も“見て覚えろ”で育ってきた。上司や先輩がやってきたようにやっているけれど、うまくいかない」 という戸惑いの声が、あちこちから聞こえてきます。
さらに今は、OJTがうまくいかなければメンタルヘルス疾患や早期離職につながる可能性もあり、 その戸惑いは、個人の悩みにとどまらず、組織運営上の課題にもなっています。
そうした課題をもつ組織に共通しているのは、
- 育成スキルを学ぶ機会が用意されていないこと
- 育成を“属人的なセンス”に任せてきた構造的な課題があること
少なくとも、OJTを担うにあたっては——
- どんな準備が必要か
- どうやって信頼関係を築くか
- どんな手順で指導するか
- 相手のタイプに合わせてどう関わるか
- 上司や周囲にどんなサポートを求めればよいか
OJTの構造に基づく知識やスキルという「ツール」が必要です。そしてそうした「ツール」を持たせることはOJT担当者を支える第一歩になります。
だからこそ、今必要なのは、組織として「ツールを持たせる」という機会的支援です。
育成は、センスや経験に頼るものではなく、 「準備の仕方」「関係性の築き方」「伝え方の工夫」など、 スキル=ツールとして身につけられる領域です。
OJT担当者が安心して育成に向き合えるように、
- 「教え方を学ぶ機会があること」
- 「悩んでいい、相談していいと思えること」
この2つの“安心感”を、まずは組織として届けてみてはいかがでしょうか。
弊社では、人材育成ご担当者様を対象にOJTに必要な「ツール」は何かを知っていただく機会や、OJT担当者に「OJTを体系的に身につける」オンラインセミナーをご用意しております。是非ご活用ください。
このコラムを書いたプロフェッショナル
原田 由美子
代表取締役(人材育成コンサルタント、キャリアコンサルタント/国家資格)
ミドル層(30代~40代)を、組織の5年先のリーダーへ育成することを通じ、組織がお客様や地域社会から「なくてはならない存在」となるお手伝いを致します。
特に、経営層のご意向と現場の実情を鑑み、成果が上げられるよう企画~運営まで対応致します。
原田 由美子
代表取締役(人材育成コンサルタント、キャリアコンサルタント/国家資格)
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特に、経営層のご意向と現場の実情を鑑み、成果が上げられるよう企画~運営まで対応致します。
ミドル層(30代~40代)を、組織の5年先のリーダーへ育成することを通じ、組織がお客様や地域社会から「なくてはならない存在」となるお手伝いを致します。
特に、経営層のご意向と現場の実情を鑑み、成果が上げられるよう企画~運営まで対応致します。
| 得意分野 | 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、リーダーシップ、マネジメント、チームビルディング |
|---|---|
| 対応エリア | 全国 |
| 所在地 | 横浜市中区 |
このプロフェッショナルの関連情報
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