「見て覚えろ」では、もう持たないーOJT担当者の声から考える
先日、人事・人材育成ご担当者様、一部に新入社員や中途採用者のOJTに携わる方を対象としたオンラインセミナーの講師を務めました。
皆様に「なぜこのセミナーに参加されたのですか?」と問いかけたところ、あるOJT担当者のこんな声が印象に残りました。
「自分は“見て覚えろ”と言われて育った世代。新入社員との年齢差もあり、正直、感覚がわからなくて、どう指導していいか悩んで参加しました。」
この声に、画面越しにうなずく参加者の姿が印象的でした。多くの方が、同じような戸惑いを抱えているのだと感じました。
そして私は、今の現場が抱える“育成の難しさ”がこの声に凝縮されているように思いました。
かつては先輩の背中を見て学ぶことが当たり前とされてきました。 しかし、業務のオンライン化、データベース化が急速に進み、上司や先輩の仕事そのものがみえづらくなっています。その上、新人や初任者など、環境に慣れるまでに切り出せる業務そのものが減っています。業務に求められるスピードも上がる中で、「何を見て、どう覚えればいいのか」が見えにくくなっています。
OJTを任される側に目を移すと、彼らも悩みながら現場に立っています。
「自分も教わってこなかったから、どう教えたらいいかわからない」
「業務が忙しい中で、どこまで関わればいいのか迷う」
「(そもそも)新入社員に任せる仕事のイメージがつかない」
そんな声が、セミナーの中でも多く聞かれました。
新人にとっては“見えるもの”が少なく、OJT担当者にとっては“教え方”の型がない。このすれ違いが、育成の停滞や関係性のギクシャクにつながっているのではないか、と感じました。
育成は、属人的な“センス”や“経験”に頼るものではなく、スキルとして支援できる領域です。 そのスキルとは、新人を迎える前の“準備力”、関係性を築く“対話力”、そして日々の“伝え方”の工夫です。
これらの意識、知識、スキルをつけてもらえる環境を整えることが、悩むOJT担当者を支えることになり、人事・人材育成担当者に求められている役割ではないでしょうか。
弊社では、OJTの見直しポイントを理解いただいたり、OJT担当者に実践力を高めていただくセミナーをご用意しています。ご活用いただければ幸いです。
このコラムを書いたプロフェッショナル
原田 由美子
代表取締役(人材育成コンサルタント、キャリアコンサルタント/国家資格)
ミドル層(30代~40代)を、組織の5年先のリーダーへ育成することを通じ、組織がお客様や地域社会から「なくてはならない存在」となるお手伝いを致します。
特に、経営層のご意向と現場の実情を鑑み、成果が上げられるよう企画~運営まで対応致します。
原田 由美子
代表取締役(人材育成コンサルタント、キャリアコンサルタント/国家資格)
ミドル層(30代~40代)を、組織の5年先のリーダーへ育成することを通じ、組織がお客様や地域社会から「なくてはならない存在」となるお手伝いを致します。
特に、経営層のご意向と現場の実情を鑑み、成果が上げられるよう企画~運営まで対応致します。
ミドル層(30代~40代)を、組織の5年先のリーダーへ育成することを通じ、組織がお客様や地域社会から「なくてはならない存在」となるお手伝いを致します。
特に、経営層のご意向と現場の実情を鑑み、成果が上げられるよう企画~運営まで対応致します。
| 得意分野 | 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、リーダーシップ、マネジメント、チームビルディング |
|---|---|
| 対応エリア | 全国 |
| 所在地 | 横浜市中区 |
このプロフェッショナルの関連情報
- 無料
- WEBセミナー(オンライン)
"見て覚えろ”と言われて育ち新人世代への”教え方”がわからない~OJT担当者の"教える力”の底上げポイントがわかる75分~
開催日:2026/01/27(火) 15:00 ~ 16:15
- WEBセミナー(オンライン)
- リーダーシップ
OJTリーダー(新人、中途採用社員の指導担当者)育成セミナー
開催日:2026/03/04(水) 10:00 ~ 17:00
- 参考になった0
- 共感できる0
- 実践したい0
- 考えさせられる0
- 理解しやすい0
無料会員登録
記事のオススメには『日本の人事部』への会員登録が必要です。