2016年度「就活ナビ採用」終わりのはじまり?
藤田です。
長らく続いてきた日本独特の新卒採用が変わろうとしています。
今でも数年前と比べると、リクナビ、マイナビの訴求力が低下していると自社そしてクライアントの
新卒採用支援の現場で痛感していますが、2016年度採用を節目に、リクナビ、マイナビの訴求力
がさらに低下し、リクルーター制度や、企業同士の合同説明会、新卒紹介といった、直接企業と学
生が接触する手段を活用することが重要になります。
実際、この点を見越してナビ媒体業界3位のエン・ジャパンは2015年3月をもって新卒採用媒体サ
イトを終了することを決定しました。理由として新卒媒体事業の損益性が良くないためと一部報道
されていたようですが、直接知人に確認したところ、そうした消極的な理由ではなく、ナビ媒体の影
響低下を見越して、新卒紹介にリソースを注力するための「攻めの撤退」だということです。
なぜ節目が2016年度かというと、就職活動の告知解禁が現行の大学3年時の12月から3月に3か
月間後ろ倒しされるからです。当然、ナビ媒体のアップ時期も3月からとなり、それまでの間、学生
からの圧倒的な知名度を持つ大企業の独壇場状態が長くなります。彼らは期間前でも水面下でリ
クルーター、インターン、大企業のコラボによる仕事説明会(採用とは違う名目で)のような形で、
直接接触することが可能です。
一方で知名度を持たない中小ベンチャー企業はナビ媒体のみに頼っていては今まで以上に不利な戦
いを強いられることとなるでしょう。
そのためには、2016年度を見越して、今のうちから学校とのパイプづくりや、特長を持つ中小、ベンチ
ャー同士の連携しての採用、新卒紹介の活用スタート、などナビ媒体以外の学生とのチャネルを育成、
確保しておくべきです。実際、いまでもどの企業でも採用をしたい、クリエイティブで意欲が高い学生は
画一的なナビ媒体でのエントリーや、就活セミナーは参加しません。
そして、中小ベンチャー企業は、大企業では絶対にできない採用の武器「社長が前面に出る」、そして
「キャリアパスのショートカット」を活用することが重要です。
いまだに大企業では、とんがりすぎた学生や個性が強すぎる学生は採用しにくいですし、海外留学生
などを採用しても、「国内営業で2~3年修業して実績を出してからその後海外へ・・」というように、いき
なり海外勤務をさせるというのは難しいの現状です。これだけ大手企業が外国人採用を声高に叫びな
がら、採用、定着ともに遅々として進んでいないのはその証左といえるでしょう。
中小ベンチャーであれば、「これは」という人材については経営者がリスクを取って特別コースを設け
ることも可能ですし、直接育成に関わることができるからです。
まさにいまが分岐点です。新卒採用を強化するならば、2016年度に備え、一刻も早く体制を整える必
要があります。
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山崎製パン㈱、セブンイレブン・ジャパン㈱、「TSUTAYA」FC本部㈱CCC人事部長、社長室長そして㈱ソフトバンクBBの業務企画部長と企業人を20年。独立し、㈱アウトソーシングSR、(社)人事部サポートSRを設立。
藤田 敏克(フジタ トシカツ) 社会保険労務士法人SRグループ 代表
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