退職金制度シリーズ4 社長のための「退職金制度」③
前回は退職金を受け取った時の税制メリットについてご説明しました。
そして今回はメリットの2つ目、「積立方法による税制メリット」をお伝えします。
そもそも役員退職金を受け取るためには、当然資金を準備する必要があります。
一般的には非常に高額の退職金を準備することになるので、
数年間に分けて積立を行なっていくことになります。
そこで積立方法を考える必要があるのですが、
例えば毎年余裕資金を銀行に積み立てるとすると、
その積立金は当然のことながら税務上は損金にはなりません。
ですが、積立金の一部を損金として処理する方法があるのです。
それは生命保険を活用する方法です。
例えば仮に1000万円の利益が出そうな期があったとして、
銀行で積み立てるとした場合は、 利益1000万円から法人税等で約400万円が差し引かれ、
その後の残りの600万円から積み立てを行なうことになります。
(ここでは話をわかりやすくするために利益=課税所得とします)
ここで仮に年間保険料600万円の生命保険に加入しているとすると、
(保険料の半分が損金処理できる保険とします)
利益が1000万円-300万円=700万円となり、 法人税等が約280万円と、
銀行預金で積み立てた場合と比較して税金が120万円軽減されます。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5361.htm
それでは生命保険でどれだけ積立ができるかというと、
保険商品や年齢などによって異なりますが、
概ね70%から、最も高い割合で90%以上になる場合もあります。
すると生命保険だけで見たら元本割れするのですが、 先ほどの税金の軽減効果を加味すると、
生命保険を使うことで掛金プラスαの積立ができることになります。
※上記は大まかな例です。
このように積立時には「積立方法による税制メリット」を、
受取時には「受取時の税制メリット」を得ながら、 社長自身の退職金を計画的に準備していくことができます。
また社長が退職するということは当然事業承継のタイミングでもあり、
事業承継対策も含めた包括的なプランニングが求められます。
上記の点も含め、プランニングをするうえでは経営計画、業績予測などをもとに、
より無理のない、適正な水準での積立計画を立てることが大切です。
- 経営戦略・経営管理
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山崎製パン㈱、セブンイレブン・ジャパン㈱、「TSUTAYA」FC本部㈱CCC人事部長、社長室長そして㈱ソフトバンクBBの業務企画部長と企業人を20年。独立し、㈱アウトソーシングSR、(社)人事部サポートSRを設立。
藤田 敏克(フジタ トシカツ) 社会保険労務士法人SRグループ 代表
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