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会議を振り返る「2つの軸」〜その2 プロセス編〜

会議の振り返りをテーマに、前回は「決定事項」の振り返りポイントについて書きました。
今回はもう一つの軸である、会議の「プロセス」の振り返りについて考えてみます。
決定事項を振り返るのはある意味当然のことで、既に多くの方が実施されていると思いますが、「プロセス」の振り返りは見落としやすいところです。
 
「スキルアップのための実践の場」とするために
 
実際の会議は、ファシリテーターにとっては重要なスキルアップの場です。
その会議で自分が仕掛けたことが上手くいったのか、それとも空振りに終わったのか、会議を俯瞰しながら見直していくことが欠かせません。
 
会議のプロセスを振り返る際のポイントは、次の3点です。
 
①会議で設定した「問い」は適切であったか
ファシリテーターは、会議で議論するのため、場面に合わせた「問い」を用意します。
私は、ファシリテーターにとってもっとも重要なスキルは「問いを立てること」だと考えています。
 
まず、議論を開始する前に、いろいろな確認事項をクリアします。
「この会議で決めることは何か?」
「どんな意図でメンバーに参加してもらっているのか?」
「どこまで決めれば終われるのか?」
こういった前提になる問いです。
 
前提の問いについては、「漏れがないか」を重視します。
議論の途中で混乱が起こった場合、この前提部分の確認が出来ていないことが原因になることがあります。
 
その上で、本題となる問いを立てます。
「新企画でクリアすべき事項は何か?」
「労務費が増えている問題は、どういった原因が考えられるか?」
など、議論に導くための問いです。
表現はどうか、話題の範囲は適切か、メンバーが意味を理解できているかといった点が、適切な問いを立てるためのポイントになります。
 
「問いを立てる」ことは意外と難しく、特に本題となる問いは微妙な表現の違いでファシリテーターの意図と違った議論に発展してしまうことがあります。
メンバーの反応を見ながら表現を修正し、自分なりの「表現の幅」や「パターン」を身につけていくことが重要です。
 
②会議のメンバーは適切であったか
もう一つ、会議で振り返りたいのは「全員が参加できていたか」です。
もし議論に入れないメンバーがいた場合、ファシリテーターの働きかけが適切でなかったのか、もしくはそもそもそのメンバーは会議に不必要であったのか、どちらかに原因があります。
 
適切な設計をされた会議では、それぞれのメンバーに役割があります。
会議に不必要なメンバーがいるのは、非効率であるだけでなくファシリテーターにとっては余計な気を使わなくてはならいためにかえって負担になります。
適切なサイズの適切なメンバー構成を目指すため、メンバーの役割と会議で期待され働きを振り返る必要があります。
 
③ファシリテーターの関与は適切であったか
そして、見逃してはいけないのは「ファシリテーターの関与」です。
議論を適切にさばいていたか、メンバーが考える時間を取れていたか、まとめ方に強引さはなかったか、特定の回答に誘導する姿勢が見えていなかったか、こういった点を振り返ることが必要です。
 
この点に関しては、ファシリテーターが一人で振り返るには限界があります。
メンバー数人に声をかけ、感想を聞いてみるのが有効です。
 
メンバーに自分の評価を聞き続けていると、彼らがファシリテーターの味方になって会議の進行を助けてくれることがあります。
ファシリテーターの関与を適切に調整しつつ、仲間を増やすことができるので、ぜひメンバーの力を借りながら振り返りをしてみてください。
 
上手くいった会議からも、上手くいかなかった会議からも学びがある
 
会議の振り返りは、イメージとして「会議が上手くいかなかったときにやるもの」と思われるかもしれません。
しかし、「上手くいったとき」にもぜひ行なっていただきたいと考えています。
 
私たちは「失敗から何かを学ぶ」ことをこれまで教わっていきました。
ところが、成功したときの「何が良かったのか」を理解しないと、同じ状況が作れないのです。
もしかしたら自分が最初に想定していたこととは違った方向で成功に結びついたことがあるかもしれませんが、それでも上手くいった以上は何らかの理由があるはずです。
その理由を明らかにすると、自分のスタイル(信念)を見直すきっかけにもなります。
 
成功経験をしっかり自分のものにしていけば、ファシリテーションスキルの上達は速くなります。
慣れれば短い時間の振り返りでも十分な効果がありますので、ぜひ仕組みに取り入れて習慣にしてください。
 
今回のポイント
・会議の「プロセス」も決定事項と同じく振り返りを行う
・振り返りにメンバーを巻き込み、味方にしながら自分のスキルアップにもつなげる

 

  • モチベーション・組織活性化
  • コーチング・ファシリテーション
  • チームビルディング
  • コミュニケーション
  • ロジカルシンキング・課題解決

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早稲田大学アカデミックソリューションは、早稲田大学の関連会社として、組織の課題に合わせたカリキュラム編成と実践力を養う体験型学習を通じて、複雑で困難な時代に対応する「しなやかな人材・チームづくり」を支援します。

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