選ばれるインターンシップとは?(前編)

インターンシップとは、学生が在学中に自らの専攻や将来のキャリアに関連した就業体験を行うことです。
近年は学生のインターンシップ参加率も高く、企業にとっても採用活動において重要なものとなりつつあります。
本記事の前編では、インターンシップの最新動向や現状の問題点をご紹介。
後編では、国によるインターンシップの4類型のポイントと実際に企業がインターンシップを実施する上で重視すべき点について、事例を交えながら解説します。
____________________________________
前編目次
ーインターンシップとは
ーインターンシップのメリット
・学生にとってのメリット
・受け入れ企業にとってのメリット
ーインターンシップへの参加・受け入れの現状
ーインターンシップの問題点
後編目次
ーインターンシップを採用に活用する方法
・4種類のインターンシップ
・インターンシップで得た情報の活用方法と課題
ー企業のインターンシップ受け入れ事例
____________________________________
インターンシップとは
インターンシップとは、「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」*です。
アメリカを発祥とするインターンシップですが、日本においては1997年にはじめて公的文書でインターンシップという言葉が出てきました。その頃からインターンシップは行われていましたが、まだ導入企業は多くなかったようです。
*出典:「インターンシップの推進に当たっての基本的考え」文部科学省、厚生労働省、経済産業省
インターンシップのメリット
学生にとってのメリット
学生にとってインターンシップは企業の業務内容をよく知れるだけでなく、その企業の従業員とも交流できるチャンスです。最近の就職活動はインターンシップから開始するといっても過言ではないでしょう。
受け入れ企業にとってのメリット
インターンシップは企業にとってもメリットのある取り組みです。学生に自社の業務内容を知ってもらうだけでなく、インターンシップを通じて入社したいと思ってもらえるようにアピールするチャンスでもあります。
インターンシップによって学生の志望度が上がることもあり、株式会社ディスコの調査*ではインターンシップ参加前と後で、「この企業に就職したい」という回答が25.4%から46.1%まで増加しています。
*出典:インターンシップ特別調査 株式会社ディスコ(2022年4月)

インターンシップへの参加・受け入れの現状
ここ最近では、インターンシップは学生の就職活動において欠かせないものになりつつあります。
株式会社ディスコの調査によれば2023年卒学生の約90%がインターンシップに参加しています。2013年卒学生のインターンシップ参加率が44.2%であることを考えると、10年でほぼ倍増している状況です。
また、企業のインターンシップ実施率は2023年卒向けで68.8%です。7割弱の企業が学生を受け入れており、2013年卒向けの実施率23.3%と比較すると、約3倍と大幅に増えています。
最近では対面だけではなく、オンラインで完結するインターンシップも増えています。
*出典:インターンシップ特別調査 株式会社ディスコ(2022年4月)
インターンシップの問題点
学生の参加率も高く、受け入れ企業にとっても自社をアピールできるインターンシップですが、現在のインターンシップには下記の問題もあります。
1.単なる企業説明会もインターンシップと呼称されている
インターンシップの定義が各社で異なるため、単なる企業説明会や業務に直結しないグループワークもインターンシップとして開催されています。そのため就業体験だと思って参加したら、ただの企業説明会で期待外れだったというケースもあるようです。
マイナビが実施したインターンシップに参加した学生への調査によると「もっと実際の仕事を体験したかった」「もっと働いている人の雰囲気を知りたかった」という意見が上位2つを占めています。
*出典:2024年卒 大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(9月) 株式会社マイナビ(2022年10月)
2.内定につながることをオープンにせず、学生の評価をしている
優秀な学生を早期に確保したい企業では、インターンシップを通じて学生を評価して高評価の学生に内々定を出したり、インターンシップ参加者だけのルートで選考を行ったりすることもあります。
株式会社学情の調査*によると、「インターンシップ内で選考・内定出しを行っている」企業が5.4%、「インターンシップ参加者は通常選考で優遇する」企業は31.3%です。
*出典:2023年卒の採用状況 株式会社学情
インターンシップ中になんらかの評価を行っていることを明示している場合はよいですが、学生に伝えずに評価している場合もあります。学生からすれば、選考だと思っていなかったのに、実は評価をされていることもあり得ます。
内々定や今後の選考につながるのであれば、それを学生にオープンにすべきですが、個々の企業の判断に任されているのが現状です。
次回の後編では、国によるインターンシップの4類型のポイントと実際に企業がインターンシップを実施する上で重視すべき点について、事例を交えながら解説します
- 経営戦略・経営管理
- モチベーション・組織活性化
- 人事考課・目標管理
- キャリア開発
- マネジメント
WHI総研
政府系金融機関にて財務分析や融資相談、調査会社にて市場調査・企業誘致調査を行い、様々な企業を見てきた経験を活かし、Works Human Intelligenceにて経営者と従業員、双方の視点から人事課題を解決する研究活動を行っている。
井上 翔平(イノウエ ショウヘイ) 株式会社Works Human Intelligence / WHI総研

対応エリア | 全国 |
---|---|
所在地 | 港区 |
このプロフェッショナルのコラム(テーマ)
- 参考になった0
- 共感できる0
- 実践したい0
- 考えさせられる0
- 理解しやすい0
無料会員登録
記事のオススメには『日本の人事部』への会員登録が必要です。