障がい者雇用義務違反によるリスクとは?
従業員規模が一定以上の事業主には、障がいのある方を法が定める基準以上に雇用する義務があります。
この基準は障害者雇用率制度と呼ばれ、
「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」によって定められています。
では、法律によって定められた「法定雇用率」を満たさない場合、
すなわち障害者雇用促進法の課す義務を果たせない場合には、どのようなリスクがあるのでしょうか。
ここでは、そのリスクを紹介いたします。
※本記事は、行政指導について説明したセミナーを一部参考に作成しております。
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法令を違反することで考えられるリスク────────────────────────────────────────
事業主は、障がい者の法定雇用率を基に、
雇用している全従業員数の一定割合を雇用するよう義務付けられています。
法定雇用率は5年毎に見直されることが法律で定められており、
最後に引き上げのあった2018年から現在までは2.3%となっています。
出典:障害者雇用率制度について(厚生労働省)
課せられた雇用義務を果たせない事業主に考えられるリスクはいくつかあります。
1.取引先からの評価への影響
2.インターネット上での情報拡散
3.入札案件への影響
4.株主訴訟など
5.厚生労働省による企業名公表(行政指導)
事業主が毎年行う「障害者雇用状況報告(ロクイチ報告)」の結果は、
情報公開制度の対象となっており、開示請求を行うことで誰でも入手可能な情報です。
誰が得るかによって影響の形は異なりますが、
特にインターネットが普及している昨今では、
情報の拡散性は以前よりも大きく、以前からリスクは高まっているといえます。
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厚生労働省による企業名公表とは?
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企業名公表は、考えられるリスクのうち代表的なものです。
具体的には、法定雇用率を達成していない企業の社名や雇用状況等が
厚生労働省のホームページに掲載されます。
実際に、2021年には6社の社名が公開されました。
これは、企業の社会的責任を果たせていないことを公に示すことであり、
取引先やユーザーを含むステークホルダーの方々に悪いイメージをもたれる危険があります。
また、一度掲載されると、その履歴は残り続けてしまうため、
それ以降、企業名等での検索によって情報が表示されるリスクが残り続けることになります。
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企業名公表までの代表的な流れ
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法定雇用率に対して大幅に未達成の事業主に対しては、
法律によって、ハローワークから正式に指導するよう定められています。
法定雇用率の達成如何については、その年のロクイチ報告の結果を基に判断され、
未達成の事業主にはハローワークから「雇入れ計画命令(行政指導)」が発令されます。
この基準は、大きく以下の3つです。
1.不足数5カウント以上 かつ 実雇用率が全国平均の値に満たない
※全国の実雇用率は2.2%(2021年時点)
2.法律で定められた雇用者数が3~4カウント かつ その年の雇用者数が0人
3.不足数10カウント以上
上記3つのいずれかに当てはまった事業主には行政指導が発令され、
その後一定期間で改善が見られない場合は「企業名公表」となります。
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まとめ
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障がいのある方を雇用することは、事業主に法的に定められた義務であるとともに、
果たすべき社会的責任でもあります。
その達成状況は、しかるべき機関に請求することで誰でも閲覧することができるため、
各ステークホルダーの評価に悪影響を及ぼすリスクがあります。
来年以降に備え、他社の事例などを基に、計画的な雇用の促進が大切です。
※本記事は、行政指導について説明したセミナーを一部参考に作成しております。
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