変化と人のこころ①
現代社会は、情報化、グローバル化が進み、常に変化しています。
企業においても、それに伴って事業の多様化、組織統合など、
多くの変化が起こっています。
変化を受け入れ、適応していくことが、
今の私たちには求められていると言えます。
変化には、外的変化と内的変化があります。
外的変化とは、現実の出来事が変わることを指し、
一方、内的変化とは、自分自身の内面(こころ)が変化することを指します。
ウィリアム・ブリッジズの「トランジション理論」では、
トランジション(変化)には、
①何かが終わる段階、
②ニュートラルゾーンの段階、
③何かが始まる段階、があるとしています。
この流れを、部署が変わる(外的変化)状況を例にとって考えてみましょう。
部署を変わった時、
①の段階では、以前の業務や以前の部署の仲間や場所を失います。
新しいことを始めるためには古いことを終わらせなければならず、
喪失の時期と言えます。
本人が望んだことそうでないこと、能動的受動的なことに関わらず、
喪失するということは心理的な痛みを伴います。
現実が受け入れられないために現実を見ようとしない・抵抗する、
無感覚、過去にしがみつく、怒り・罪悪感・恐怖心などが生じ、
ショック状態に陥ります。
そのため物事をうまく終わらせることがより容易でなくなります。
前の部署を懐かしみ、前の部署の良いところばかり話したり、
仕事の引継ぎがなかなか進まなかったり、
周囲にイライラ感をぶつけたりという行動に表れたりもします。
次回は、➁と③の時期について、説明させていただきます。
- 安全衛生・メンタルヘルス
- その他
公認心理師/臨床心理士/キャリアコンサルタント/CEAP(国際EAPコンサルタント)
【専門領域】産業精神保健、危機介入
医療機関や教育機関にカウンセラーとして従事。その後、EAP事業会社にて、人事・管理職・産業保健スタッフへのコンサルテーションや組織介入を中心に企業のメンタルヘルス支援に携わる。他、大学のハラスメント相談員、再就職支援会社のスーパーバイザー。
永田 有希子(ナガタ ユキコ) シニアコラボレータ―
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