信頼を得る営業(コーチングセールス)その1
これからシリーズでコーチングと営業についてコラムを書いてみます。
かつて私は富士重工業株式会社に在籍しておりました。その間、中央スバルという自動車ディーラーに出向して、車のセールスをしていた経験があります。当時はレガシーがデビューした頃で、自動車メーカーとしての認知度も今ほどはありませんでした。その中で私が担当していたのは法人営業です。法人向けですから、販売するのは主に社用車です。私にとっては、販売の経験は初めてのことでしたから、注文をもらってから納車するまでの流れを理解することから始まりました。当然わからないことだらけです。
営業会議では周囲の営業マンが、何十台も販売しているのを聞いて、まったく他人事のようにしか思えませんでした。半年ほどして、自分がやりたかったのは自動車販売ではない、と思うようになりました。すでに出向の前から興味のあった経営計画を立案する仕事ができる見通しが立ったので、転職することになりました。不思議なもので、その頃から注文が増え始めました。特に「これまでお世話になったので、1台注文します」と言われたことは印象深い言葉でした。私は「そんな理由で、注文するのだろうか?」と率直に思っていました。お客さんは「必要な時期に必要なだけ必要なクルマを買う」と考えていたからです。
その後何度か転職してコンサルティング業界に入るわけですが、その時にも意外な言葉を聞くことになります。その会社は問題解決技法を主なプログラムとしてお客様に提供する外資系の研修会社でした。その会社では、トレーニングする講師が顧客に対して営業も行います。私が入社した時には、まず営業して顧客を開拓することが先決でしたので、社内で1番と2番といわれる先輩に営業の秘訣を教え請いました。すると、二人共が「他のみんなはお客さんのところに行ってないんだよね」と同じように答えるのです。「お客さんのところに行く?当たり前じゃないか」と思いました。
始めは「何言ってんだろ?」と思っていましたが、やがてわかるようになりました。確かに誰もがお客さんのところには行くのですが、その二人は回数が全然違うのです。訪問するというよりは、入り浸っているのです。
そのことと営業成績との関係まではわかりませんでしたが、二人が「みんなはお客さんのところに行ってない」と行っていた意味はわかりました。
さらにその後、自分で会社を立ち上げるようになると、顧客への訪問頻度と売上が連動することを身をもって知ることになります。長いビジネスの経験から、営業活動で重要なのは、いかにして顧客との信頼を築けるかにかかっているかである、と考えるようになりました。そこで、これを体型化して伝える方法はないかと模索をしました。
優秀な営業パーソンお行動を、書籍などから分析してみると、「売る」前にやはり顧客との信頼関係を作ることに力を注いでいます。研修会社や自動車ディーラーで学んだことと、何ら変わりはないのです。
そして、そのことを考えている中で、偶然コーチングとの結びつきがひらめきます。もしかすると、このコーチングの手法が営業に応用できるのではないか。そしてそれを体系化して「コーチング営業」研修にまとめてみました。幸いに受講した営業パーソンからは好評をいただいています。その概要を次回から紹介したいと思います。
- 経営戦略・経営管理
- 人事考課・目標管理
- マネジメント
- コーチング・ファシリテーション
- ロジカルシンキング・課題解決
400社4万人以上の指導実績があります。『人と組織の善循環』を拡げることが使命です。
研修プログラムも自ら開発し、講師として受講者が明日から実務で役立つツールの提供を心がけています。サラリーマンとしての経験とコンサルタントとしての経験をバランスさせ、理論に走らず受講者の立場や仕事内容に応じたアドバイスを心がけています
中西 真人(ナカニシ マサト) 株式会社M&RConsulting
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