人事考課その3
今回は「本当に会社貢献した人」をどうすれば適切に処遇できるのか?について話を進めます。前回までに「評価基準」が処遇を決める拠り所となることを指摘してきました。単純に言えば「評価基準」=「会社への貢献度」となってさえいれば、適切な処遇が行われることになります。
しかし、これまでの経験で言えば、実際に使われている評価基準はどこかから借りてきたもののようになっています。どこの会社も評価基準に大きな差異はないように見えます。
もし本当にそうであれば、ある会社で評価される(貢献した)人は他の会社でも評価される(貢献した)人だと言うことが出来るでしょう。
どのような会社であれ、それぞれの会社としての存在理由が個別にあると私は考えています。もちろん、顧客(消費者)から見て「A社がなくなってもB社があるからいいや」と思えるケースも多々ありますが、そのケースは一旦横に置いておきます。
そこで、会社に貢献するとはどういくことなのか?を定義すればそれがそのまま人事考課の評価基準になるはずです。その定義を文書(人事考課表)に書こうとすると、日々流動的な職務内容を忠実に反省することが難しく、「人の役に立つ」とか「社会に貢献する」「業界をリードする」などどうしても抽象的になってしまいます。そこで会社の方針を社員一人ひとりの方針として評価に反映させる仕組みとして導入されているのが目標管理制度(以下、MBO)なのです。
MBOでは、トップの経営方針を下にブレイクダウンしながら、それぞれの目標を上司から部下へ連鎖させていきます。それによって、トップの方針が社員一人ひとりとつながり、社員が目標を達成すればすなわち会社の方針が達成される、そうした流れができるのです。目標を達成することは会社への貢献に直接つながるので、目標=評価基準となるMBOは人事考課制度として優れた仕組みと言えるのではないでしょうか。
ところが、実際にはこのMBO制度を評価基準として上手く運用できていない会社がとても多いのです。社員からもMBOへの不満の声が上がってきます。一体それはなぜなのでしょうか?この続きは次回お話したいと思います。
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中西 真人(ナカニシ マサト) 株式会社M&RConsulting
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