デジタル世代の新人育成のヒント(4)
今回は世代間ギャップの埋め方について考えてみましょう。アナログ世代の”貴重な?”経験をデジタル世代に移植すれば、世代間の壁は埋まるのでしょうか?それほど話はそれほど簡単ではありません。
デジタル世代の思考法(これをデジタル思考と呼びます)をアナログ世代の思考法(これをアナログ思考と呼びます)に変ええさせても、今はデジタル時代ですから。それでは、進歩ではなく退歩です。私自身もいろいろ調べたり考えたりしているうちに「あれ?もしかしたら、ゆとり世代やデジタル世代を問題だと感じている私自身が考え違いをしているのでは?」と考え方が変わっっていきました。
アナログ思考:その1「努力の先には成功がある」
1980年以前に生まれた人をアナログ世代とするなら、年齢的には広範囲なのですが、会社での現役世代となると、1950年以降と考えて良いでしょう。ちなみに1950年は朝鮮戦争が始まった年です。年齢の数え方が満年齢になった年でもあります。第2時大戦終結からわずか5年です。1960年は、テレビのカラー放送が始まった年です。東京オリンピックと東海道新幹線は、それから4年後。そして70年の万博へと続きます。何となく景気が上向いている様子がわかると思いますが、このような時代に生まれれば、将来に自然と希望が持てるのではないでしょうか。何しろGDPが毎年5%以上は伸びていたのですから。
アナログ思考:その2「ルールは自分で決めたり変更したりできる」
私が過ごした60年代は東京にも空き地がたくさんありました。遊びの中で使う道具(おもちゃ)は、周囲にある木や石を使って、プラモデルにしても接着剤で組み立て、モーターで動かすまでを一人で行っていました。学校が終わると子供が公園や広場に集まって、自分達で遊びを組み立てていました。こうした中で周囲と協力してルールを作る、あるいはルールを決める、さらに状況に応じてルールを変えることが身についてきたと思います。
アナログ思考:その3「ビジネスは人と人との間から始まる」
また、日常生活で多くの”人”と接してきたことも、今とは異なる環境でした。親や学校の先生以外にも、何かのサービスを受ける場面で人を介してきました。個人で電話を持つ時代ではなく、一家に1台ですから、友達に電話をかけるにも、取り次いでもらうために相手の親と先に会話することになります。好きな子の家に電話するときなど、かなり緊張したという人も多いのではないでしょうか。ルールを決める時もそうですが、何かを始めるためには人と相対して会話することから始める必要があったのです。
アナログ思考:その4「約束には遅れない、急な変更は許されない」
情報の獲得プロセスもアナログ時代には、今より時間がかかりました。マスメディアは新聞とテレビ、書籍が主流で、手紙が届くには数日を要しました。電話も相手が不在であれば、連絡が取れるまでに時間がかかりましたし、出張ともなれば何日間も連絡が取れないのが普通でした。その意味では、連絡はいつでも取れるわけではなく、待ち合わせに失敗すれば、しばらく相手と会えないこともしばしばです。そのため時間を違えない、約束を違えない(間違えると痛い目にあう)ことが習慣化されてきました。
アナログ世代には、これまで見てきたような思考パターンが身についているのです。ではデジタル世代の思考パターンはどう違うのか?次回はデジタル世代の思考パターンについて考えてみたいと思います。
- 経営戦略・経営管理
- 人事考課・目標管理
- マネジメント
- コーチング・ファシリテーション
- ロジカルシンキング・課題解決
400社4万人以上の指導実績があります。『人と組織の善循環』を拡げることが使命です。
研修プログラムも自ら開発し、講師として受講者が明日から実務で役立つツールの提供を心がけています。サラリーマンとしての経験とコンサルタントとしての経験をバランスさせ、理論に走らず受講者の立場や仕事内容に応じたアドバイスを心がけています
中西 真人(ナカニシ マサト) 株式会社M&RConsulting
対応エリア | 全国 |
---|---|
所在地 | 千代田区 |