プロジェクトマネジメント(4.リスク管理)
今回は「リスクの予想」についてです。リスクといえば「株価が下がる」「円安(高)になる」「事故が起きる」「怪我をする」「天候が悪化する」などと、基本的には考えたくないことであり、起きては困ることです。私自身がそうなのですが、楽観的な人はあまりリスクを考えずに行動します。嫌なことを考えないので、普段は気持ちよく過ごせますが、いざ想定外の事態が起きた時には、そこから考えはじめるので、対処が後手に回ることがあります。
この「想定外の事態」は例外的に発生するのですが、実は業務の中で意外に多くの時間を割かれます。仕事が順調に進んでいれば定時に帰れるはずだったのに、思いがけないことが起きて遅くまで残業することになった、そんな経験はありませんか?このように、例外的な事態が発生すると、その処理に多くの時間が使われることになり、経済的な損失も膨らむことがあります。
プロジェクトマネジメントでは、プロジェクトで例外的な事態が発生しても、それを事前に予測し、対処を考えておくことで目標達成の確率を高める考え方があります。作業計画が出来上がったら、その作業についてリスクを考えます。
その際、あらゆるリスクを考えるとなると、対処の方法も大変多くなってしまうので、「発生する確率」と「発生した時の影響の大きさ」を考えて、リスクの絞込みをします。
例えば「出張先で風邪をひく」というリスクが発生する確率は、おそらく季節で異なります。風邪をひいいた場合は、仕事への影響は大きいでしょうから、季節には関係しません。ですから、この場合、出張に行くのが”冬”であれば、風邪をひく発生確率も高く、影響も大きいので、何らかの対処をすべきだ、と考えるのです。
そして、この対処方法には2通りの種類があることも大事なポイントです。ひとつは、リスクの発生確率を下げるための「予防対策」。もうひとつはリスクが発生した場合に影響を少なくするための「発生時対策」です。先ほどの例では「風邪をひかないように出張先でもうがいをする」予防対策と「風邪をひいたら薬を飲む」発生時対策を考えておきます。
ただし、発生時対策の薬を飲むためには、出張バッグに薬を入れておく必要があります。つまり予防対策も発生時対策も、あらかじめ準備しておくものなのだ、ということを一緒に覚えておいて下さい。
次回は最終回で、プロジェクトの終了の仕方について解説します
- 経営戦略・経営管理
- 人事考課・目標管理
- マネジメント
- コーチング・ファシリテーション
- ロジカルシンキング・課題解決
400社4万人以上の指導実績があります。『人と組織の善循環』を拡げることが使命です。
研修プログラムも自ら開発し、講師として受講者が明日から実務で役立つツールの提供を心がけています。サラリーマンとしての経験とコンサルタントとしての経験をバランスさせ、理論に走らず受講者の立場や仕事内容に応じたアドバイスを心がけています
中西 真人(ナカニシ マサト) 株式会社M&RConsulting
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