Python試験3位に。Pythonの2023年のまとめ
こんにちは。Pythonエンジニア育成推進協会の吉政でございます。今日は先日の日経xTECHの記事「いる資格いらない資格2023」が公開されたので、私見を述べたいと思います。
Python試験は民間IT資格人気ランキング3位
11月下旬に日経xTECHに掲載された記事「いる資格いらない資格2023」によると、Python試験は人気ランキング第三位でした。皆様の企業で多く取得されている有名な資格があると思うのですが、それらを含めて民間IT試験で3位というのは大健闘だったと考えております。個人的には順位ではないと思っているので、今まで以上に良い試験と学習環境の整備に努めていきたいと考えています。(もちろん個人的にうれしいです!)
改めてPython人気の理由をまとめてみました。
昨年末に日経x TECHで公開された調査データによると企業内の普段使いの言語としてPythonが1位になりました。学生エンジニアが使用する言語としてもPythonが1位になっています。
その背景にあるのは、やはりPythonは人工知能や機械学習、ビッグデータやデータ分析、各種自動化、DX基盤、Webで中心的に使用されている技術だからです。そしてどの分野も市場の拡大と人手不足が予想されており、まだまだ人材育成が必要な分野でもあります。そしてPython試験やデータ分析試験は、Pythonやデータ分析を学ぶ際に、ここまでは最低限おさえておきたいという基準として認知が広がってきていると感じています。
人工知能や機械学習の分野
最近はPythonが使われることが当たり前になってきたのか、言語の市場シェアが発表されなくなりましたが、数年前の最新データでは55%でPythonが使われているというデータがありました。今現時点のシェアは多少変わっているとは思いますが、多く使われている印象がありますし、そもそも人工知能や機械学習の普及はすさまじいものがあり、来年は更に広く活用されていくことは間違いがなさそうです。
ビッグデータやデータ分析の分野
ビッグデータやデータ分析の分野も説明が不要なくらい、多くの企業で推進されている分野です。データを活用することは企業における業務判断を効率的かつ正確にするものでありかなり人材育成も進んできています。最近ではビッグデータの様なデータサイエンスまでは必要なく、データ分析を活用している企業が増えている傾向があります。またデータ分析はある特定の専門家が習得すればよいというものではなく、データを取扱いする人やデータを閲覧する人も基本的なところは学習したほうが良いです。何故なら、データ分析の考えを理解していないまま、会議に参加すると話の流れについていけなくなったり、勘違いな発言をしてしまうことがあるからです。全社でデータを扱うのであれば、全社の共通言語としてデータ分析の基礎は抑えておくべきと考えるのです。
DXの分野
Pythonはグルー言語としての役割にも期待されており、DXの基盤として様々なシステムを繋ぐプログラミング言語としても注目が集まっています。例えば他の言語で開発されたシステムのデータを呼び出してPythonでデータ分析などの何らかの処理をさせたりすることも意な言語です。DXやデジタル化戦略を進めるうえで、データ連携を効率的に行い、分析していくことがかなり重要ですが、その際にもPythonがとても有用な言語として活用されています。
自動化の分野
ここ数年来、Pythonによる業務の自動化が浸透し始めています。以前もこのコラムで触れたことがありますが、日本企業における雑用の割合が全体の35%もあり、他の先進諸国やASEAN諸国と比べて断トツの1位になっています。これらの雑用をPythonで自動化をすることで、より生産性が高い業務にシフトできたり、残業時間を抑制することができ、企業の収益性向上に貢献できると考えています。さらにライセンス料金が負担になっている有償RPAユーザーが、今後さらに自動化を進めるというタイミングでPythonによる自動化にリプレイスも始まっています。当協会が支援した沼田市の有償RPAからPythonへのリプレイス事例を読まれた方も多いのではないかと思います。
Webの分野
調査データが出ていないので私見になりますが、国内のWeb分野ではPythonが大型のWebサイトで使用されている印象があります。特に他のシステムと連携するようなケースで使用されているように思えます。コロナ禍で非対面セールスにシフトし、Webから確度が高いお問い合わせを求めるようになったタイミングから、Webとマーケティングオートメーションや顧客管理システムや販売管理システムを連携させる必要があり、その際にPythonが採用されるケースが増えてきている印象があります。
DXやデジタル化を進める企業はWebから社内システムまで一気通貫でデータ連携させるため、Pythonがこの分野で普及してきています。
いかがでしょうか?2023年のまとめを私見を交えて説明しました。このようにPythonは今後のIT分野における複数の主要分野で中心的に活用されており、Python試験やデータ分析の受験者は今後ますます増えていくのではないかと考えております。
- 資格取得
年間登壇約20回、連載数15本以上、顧問先14社を持つマーケッター。著書「ITエンジニア向け企画力と企画書の教科書」大手企業の職級査定審査員
日本を代表する大手企業を中心にマーケティング支援を実施。日本のIT業界の発展のためには教育が重要であると考え、LinuxやXML、PHP、Ruby on Rails、Python、IPv6の検定試験を立ち上げ、運営組織の代表を歴任する。
吉政忠志(ヨシマサタダシ) 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事
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