ベテランのリスキリングはPythonと自動化が成功しやすい
こんにちは。Pythonエンジニア育成推進協会の吉政でございます。今回も人材育成に関する私見を述べたいと思います。
主に40代50代のベテラン社員を対象にリスクリングが注目を集めています。リスキリングの定義としては一言でいえば、次世代の働き方に対応した新しいスキルを身につけることを指していると思っています。
ただ、40代50代の多くの人材はその年まで会社は変わったとしても、同じような職種で経験を積んできた人材なので、全く新しいスキルを身につけるのはなかなか難しいですよね。さらに酷なことを言えば、全く新しい分野を一から取得しても。その分野で一人前になるにはかなり時間がかかりますよね。仮にどんな仕事でも1万時間、学習をすれば一人前になれるという1万時間の法則をもとに考えてみると、本業とは別に1日3時間学習して1万時間になるには9年かかる計算になります。1万時間が全ての分野に当てはまるとは思いませんが、どの道でもそれなりの努力と時間が必要だと思います。
Pythonによる自動化のスキルは積み上げ式のリスキリング
そこで、お勧めしたいのは、Pythonによる自動化のリスキリングです。学習しやすいPythonのプログラミングだからと言って、全くの未経験からだと簡単ではありませんよね。ましてや「ゴリゴリの●●部長がプログラミングなんて」と思われるかもしれません。しかし、自動化はどの業務でも求められるものであり、対象となるベテラン社員の業務ノウハウをそのまま活かして自動化を行うので、積み上げ式のスキル向上になります。そして、よく知らない分野のプログラミング言語の勉強をするよりも、自分自身が経験してきた業務に関連した自動化のプログラミング学習であれば、学習効率も高そうです。そして、この学習は現状の業務の効率化を検討しながらになるため、プログラミングのみならず現状の業務改善にも役立つと思うのです。Pythonは自動化の分野で最も活用されているプログラミング言語の一つですし、未経験者でも学習しやすい言語(事実、Python試験の合格者の4割がプログラミング未経験の方です)です。よってPythonによる自動化のリスキリングがお勧めなのです。
お勧めする研修例
現在、かなりのスクールでPythonの研修を行うようになりました。その中でも実績の高い研修会社を選んでいただきたいのはそうなのですが、今回は私が考えるベテラン社員向けのリスキリングPython自動化研修の骨子をお伝えします。この場合、多くのベテラン社員が未経験ですので、Pythonの開発環境を構築するところからすべてハンズオンで実施しながら、基礎レベルがわかったタイミングで、チームごとのワークショップ形式でPythonの自動化をプログラムしていくような研修がよさそうです。ベテラン社員の傾向として、経験値が高い分、思い込みの理解になってしまうこともあり、ワークショップ型の研修のほうが気付きが多いため、より理解が深まると考えています。
そしてできれば、その研修のビデオと、講師の画面動画を復習用に閲覧できるようにするとよいと思います。そもそも長年会社で働いてきたベテラン社員なので、経験値が高い方が多く、パターンを知り、反復できる学習環境があると、理解が速いと思うのです。
いかがでしょうか?何らかの参考になれば幸いです。
- 資格取得
年間登壇約20回、連載数15本以上、顧問先14社を持つマーケッター。著書「ITエンジニア向け企画力と企画書の教科書」大手企業の職級査定審査員
日本を代表する大手企業を中心にマーケティング支援を実施。日本のIT業界の発展のためには教育が重要であると考え、LinuxやXML、PHP、Ruby on Rails、Python、IPv6の検定試験を立ち上げ、運営組織の代表を歴任する。
吉政忠志(ヨシマサタダシ) 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事
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