Pythonの無料の教材よもやま話
こんにちは。Pythonエンジニア育成推進協会の吉政でございます。試験とは直接関係ないですが、少しお話いたします。
先日、東京大学が無料で公開している『Pythonプログラミング入門』がWebニュースで紹介され、話題になっておりました。こちらのチュートリアルでは、Pythonの基本的な文法だけに留まらず、「Colaboratoryによるノートブックの使い方」「NumPyライブラリ」「pandasライブラリ」「scikit-learnライブラリ」「Jupyter Notebookの使い方」など幅広い内容を網羅しているところが評価されています。
「Pythonを使って何ができるかという全体像が見えることが素晴らしい」、「正当な教育機関の教材を無料で安心して利用できる点が良い」と評価している人たちがいる一方で、「Pythonは入門教材が毎年たくさん出てきますね。」と思う人もいるようです。
確かに、他のプログラミング言語ではあまり見られない特徴かもしれません。例えばC言語であれば、「初心者にはこの本とサイトがおすすめ」とある程度は決まっておりますね。一方Pythonでは、次々と新しく有用な教育リソースが登場していますよね。
そこで、その理由を考えてみました。
理由としては、(1) Python自身がまだまだ進化していること、(2) Pythonは機械学習などの分野に特化したライブラリに支えられており、それぞれのライブラリも関連分野の成長にともない進化し続けていること、そして、(3) Pythonへの期待の高さから新規参入者が常に多く存在し、新しい情報を求めている人数が多いこと、が考えられます。
(1) については新機能の提案や紹介をしているPEP(Python Enhancement Proposal)の公式サイトを見ると、常に更新されていますし、Python事態のバージョンアップも続いています。
(2) については、ライブラリのプログラミング的な進化ももちろんありますが、学術的な進化に引っ張られてライブラリが進化している面もあります。例えば有用な解析方法が新しく考案された場合に、ライブラリでその解析を実現できるように進化することがあります。
(3) が、Python入門教材が常に脚光を浴びている一番大きな理由かもしれません。Pythonに新規学習者が増え続けていることは、各所のデータからも判明しています。もちろん、「Pythonをいつか勉強したい」と考えて、Pythonの初心者向けの情報を常に集めて続けている他言語のプログラマーも少なくないようではあります。いずれにせよ、Pythonは最新の入門チュートリアルを求めている人が多い、ホットなプログラミング言語であることは間違いありません。
ただ、巷にはPythonicやPEP8などPythonのお作法や文法に準じていない書籍やコンテンツもありますので、注意が必要です。教育コンテンツを選択する際にその著者のPython歴を調べてみるのも良いように思えます。それでは今日はこの辺で。
- 資格取得
年間登壇約20回、連載数15本以上、顧問先14社を持つマーケッター。著書「ITエンジニア向け企画力と企画書の教科書」大手企業の職級査定審査員
日本を代表する大手企業を中心にマーケティング支援を実施。日本のIT業界の発展のためには教育が重要であると考え、LinuxやXML、PHP、Ruby on Rails、Python、IPv6の検定試験を立ち上げ、運営組織の代表を歴任する。
吉政忠志(ヨシマサタダシ) 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事
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所在地 | 江東区 |