なぜ企業の英語研修は失敗するのか?
企業が社員の英語力を伸ばすために、英語研修を行う理由は「海外展開・海外赴任」、「グローバル人材の育成」、「海外企業とのM&A」など企業によって理由は様々ですが、いずれも英語研修の目的は社員が”英語で仕事をできるようにする”ためのものです。
しかし、英語研修が成功している企業は少ないのが実情です。
なぜ、英語研修が上手くいかないのでしょうか?
それは時間が全く足りていないからです。
英語をマスターするには、3000時間は英語を使う必要があると言われています。
しかし、多くの企業の英語研修で用意される時間は10時間~50時間程度で、全く足りていないのです。
ですから企業の英語研修は「研修後も社員が自ら英語を使うようになること」を目標に設定するのが最適なのです。
今回はBizmatesで英語教材プログラムを開発している伊藤日加(Hika Ito)が企業の英語研修について解説いたします。
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なぜ企業の英語研修は失敗するのか?
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◆英語研修が失敗する理由とは?
まず英語研修が失敗する2つの理由を解説いたします。
①研修の目的と成果を図る指標が一致しない
企業が研修の目的とする「英語で仕事をできるようにする」ための研修の成果指標は下記の3つです。
▼英語の成果の主な指標
・受講生のアンケート
・受講率
・テスト結果
しかし、これらの指標の数値が高くても、英語を仕事で使えるようになりません。
なぜならこれらの指標は「英語で仕事をできるようにする」という目的と直接的に結びついていないからです。
ほとんどの企業で採用されている研修の成果指標ですが、これらの指標で高い数値を出した受講生も「英語で仕事をできるようにする」という目的を達成することは困難です。
②研修時間が圧倒的に足りない
英語研修は、「1週間に90分の研修を6ヵ月間行い、○○万円」という形で契約することが一般的です。
しかし、このケースだと実際に英語を勉強する時間はたった数十時間しかありません。
▼研修スケジュールの例
90分(一週間あたり) × 3ヶ月(12週間) = 18時間(研修の合計時間)
ゼロから英語をマスターするには、3000時間は英語に触れる必要がありますから、これではまったく時間が足りません。
ですから英語研修だけで仕事で英語を使えるようにするのは無理な話です。
では、どうすれば研修の目的の「仕事で英語を使えるようになる」を達成できるのでしょうか?
次にそれを解説いたします。
◆社員が英語で仕事をできるようにするためには?
まず、先ほども解説したように、英語をマスターするためには3000時間英語に触れる必要があると言われています。
ただ3000時間とは英語力ゼロの人を基準にした時間で、学生時間にすでに2000時間はほとんどの人が英語に触れています。
残り1000時間を英語を使うにはどれくらいの期間がかかるのでしょうか?
▼英語をマスターするまでの期間の例
1時間(1日の学習時間) × 毎日(365日) = 1年で約300時間程度(約3年間)
上記はおおよその計算式ですが、毎日1時間英語の触れたとして、1000時間を英語で使うには3年間かかります。
それに対して、企業の英語研修期間は一般的に3ヶ月しか用意されていませんので、必要な時間を研修だけで消化することができないのです。
では企業の英語研修で「英語で仕事をできるようになる」ことは不可能なのでしょうか?
実は研修の目的設定を変えることで、将来的に社員は英語で仕事をできるようになります。
それは、「研修が終わった後も、自分の意志で英語学習を続けるようになること」という研修の目標設定です。
つまり、社員を「アクティブ・ラーナー」にすることです。
◆アクティブ・ラーナーとは?
それではアクティブラーナーを解説いたします。
わかりやすく解説するために、ギターの演奏の例でアクティブ・ラーナーを説明します。
ギターが好きな人が、なぜギターを弾くのがうまくなるのでしょうか?
もちろんたくさん練習するからですが、ではなぜ、単調なギターの練習を重ねることができるのでしょうか?
それは楽しいからです。
楽しいから、ギターの練習を行い、必要ならギターの学校に行き、ギターコードを覚えるのです。
またギターができる経験者の話を聞いたり、テクニックを盗んだりもするでしょう。
ギター演奏をマスターするにも時間がかかります。
ギター演奏を楽しくない人はマスターする前に途中で挫折するでしょう。
しかし、ギター演奏が楽しい人はつづけることが苦ではないので、ギター演奏をマスターするのに必要な練習量に達します。
ですから、ギターを弾くことが楽しいから続けることができて、ギターの演奏ができるようになるのです。
ギターをマスターする第一歩は、ギター演奏が好きになることだということがわかります。
英語の上達も同じで、英語を使うことを楽しく感じることが英語をマスターする第一歩になるのです。
アクティブ・ラーナーとは、自ら英語を主体的に学習し、外国人が周りにいれば英語を使う機会を逃さず、英語を話す人のことです。
アクティブ・ラーナーを定義すると以下のようになります。
▼アクティブ・ラーナーの定義
・英語を使うことに対して前向き
・英語を学習する理由をしっかり理解している
・英語を学ぶことに対して積極的
社員を主体的に英語学習するアクティブラーナーにするために、「意識を変える研修」を行うべきです。
◆英語研修を成功させることとは?
これは、「英語で仕事をできるようにする」という目的設定ではなく、
「研修が終わった後も、自分の意志で英語学習を続けるようになること」という目的設定にすることです。
そのような目的の研修が可能なのでしょうか?具体的に解説いたします。
▼研修のモチベーションとは?
まずアクティブ・ラーナーとは、自ら英語を学習することを指しますが、どうすれば、そのような社員になるのでしょうか?
それには研修のモチベーションについて、解説しなくてはなりません。
まず、通常研修を受ける時には、3つのモチベーションがあります。
◆受講生が持つ3つのモチベーション
①Intrinsic Motivation(学習者の内発的モチベーション)
②Extrinsic Motivation(企業からの外発的モチベーション)
③Team Motivation(受講生同士の外発的モチベーション)
1つずつ解説いたします。
①Intrinsic Motivation(学習者の内発的モチベーション)
このモチベーションは、受講生自らが英語を学びたいというモチベーションのことです。
このモチベーションを持ち続けることができれば、それはアクティブ・ラーナーです。
しかしこのモチベーションは、研修の最初は持っている人もいますが、研修が終わる頃には低くなっていることが多く、維持するのが難しいモチベーションです。
英語を業務で使えるようにするには、このモチベーションを育てなくてはなりません。
②Extrinsic Motivation(企業からの外発的モチベーション)
このモチベーションは、会社の方針(グローバル化)や目的(英語での業務対応)から来るモチベーションのことです。
例えば、「TOEICスコアが800点以上ないと管理職になれない」といったルールが、このモチベーションであり、会社からのプレッシャーによるモチベーションです。
③Team Motivation(受講生同士の外発的モチベーション)
このモチベーションは、チームで研修を受けることで生まれるモチベーションです。
受講者同士が情報交換したり、お互いサポートし、励ましあいながら生まれるチームのモチベーションです。
▼研修最初のモチベーションと研修後のモチベーション
英語研修スタート時は、②と③のモチベーションが大きく、アクティブラーナーに必要な①のモチベーションが非常に低い状態からスタートします。
しかし、社員をアクティブ・ラーナーにする研修では、研修後に①にモチベーションを大きくして、②と③がなくても、社員が英語を自発的に学習する状態にします。
では、どのように①のIntrinsic Motivationを育てるのでしょうか?
◆成功する英語研修プログラムとは?
弊社ビズメイツの研修プログラムには、Intrinsic Motivation(学習者の内発的モチベーション)を育て、英語研修を成功させるための要素がそろっています。
ただ単にオンラインレッスンを提供しているのではなく、レッスンの間にモチベーションセミナーやチームミーティングを入れているのが特徴です。
研修(英語学習)の間に、「モチベーション・セミナー」と「チームミーティング」を入れることで、モチベーションを高くすることができます。
そしてオンラインレッスンで自己学習を行いますが、学習コンテンツもモチベーションが最大化するように作られています。
▼学習コンテンツ
研修の目的は、社員をアクティブ・ラーナーにすることです。そのためには英語に興味をもってもらう必要があります。
ビジネスパーソンが英語のモチベーションを高めるには自分の仕事の内容で英語を学ぶのが最も興味を持ちます。
ですから、研修で使う教材はそれぞれ業界や職種を考慮して、カスタマイズした教材でレッスンを行います。
ビジネスマンにとって、自分の仕事で英語を学ぶのが最もモチベーションを高く持てるからです。
実際に仕事で使いそうにもない英語のフレーズを学習してもモチベーションが上がりませんが、自分の仕事の内容で使う英語ならば、自分と関係があるのことなので、モチベーションを上げることができます。
そして、学んだ英語をすぐ実践する場があることが重要です。
その実践の場とは、個々社員の仕事現場になります。
学んだ英語を実践で試すから、身につきますし、何より仕事に役にたつのでモチベーションをあげることができます。
▼モチベーション・セミナー
まずは、「自分がなぜ英語を勉強するのか?」という点を深く納得する必要があります。
研修は無理やりやらされても効果はなく、なぜ自分が英語学習するのかを深く理解する必要があります。
英語研修はここからはじめるべきなのです。
モチベーション・セミナーでは、その他にも英語学習法や、やる気を維持・向上させるためのTipsを用意しています。
このセミナーを行うことで、なぜ英語を学習するのか?という点を追及し、会社に英語の勉強をやらされているのではなく、自ら英語を使うことが楽しいという気持ちを育成します。
▼チーム・ミーティング
研修参加者を英語のレベル毎にわけて、同じレベルの参加者同士でグループを作ります。
グループ毎に目標を設定して、目標達成を目指します。
目標達成のためにグループでは情報交換やお互いのサポートなどが自発的に行われます。
◆Bizmatesの特徴とは?
ビジネス英語というと「難しそうだ」という印象があると思いますが、実は日常会話よりもビジネス英語の方がカンタンなのです。
なぜなら、ビジネスで使う英語というのは、使うシチュエーションやパターンがほとんど決まっているからです。
▼Bizmatesの特徴
✓「ビジネスパーソンのための英会話レッスン」に特化
✓講師は全員ビジネス経験者
✓レベル、コースに合わせた様々な教材・プログラムを用意
✓通学型・講師派遣型の研修サービスより安価
✓早朝~深夜までレッスンを提供
実際のビジネスシーンをレッスンの中で再現することで実践的な英語を身に付けることができるのです。
ビジネスに関係ない日常会話をゼロから始めるのは、仕事に活かしづらいのでモチベーションも上がりませんが、自分が仕事で英語を使う場面を想定してレッスンを行うのでモチベーションが高まります。
また、オンラインレッスンのため、通学型や講師派遣型の研修サービスとは違い、費用が安く、利便性の高いコースを用意しております。
そして、研修が終わっても受講生が望めば自費で続けることができます。
そういう意味では、オンライン英会話サービスこそ受講生が英語学習を続けるために最適なサービスと言えるのです。
◆失敗しないための英語研修とは
今回は企業の英語研修について解説しました。
英語をマスターするには3000時間が必要ですから、英語研修だけでまかなうのは不可能です。
だからこそ、研修の目的を「社員が研修が終わった後も自分の意志で英語学習を続けるようになること」に設定するべきです。
そしてそのために社員をアクティブ・ラーナーにすることが求められます。
英語研修で重要なのことは、社員に「なぜ英語をマスターする必要があるのか?」を理解してもらい、自ら学ぶアクティブ・ラーナーに導くことなのです。
弊社ビズメイツでは、こういった研修を法人向けに行っております。ご興味がある方は弊社までお問い合わせください。
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伊藤 日加(イトウ ヒカ ) ビズメイツ株式会社 共同創業者 取締役
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