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各国の競業避止義務のポイント

米国における最近の画期的な競業避止義務の禁止は、企業に不確実性をもたらしており、施行は依然として不均一かつ予測困難な状況です。しかし、ひとつだけ明らかなことがあります。それは、人材と企業秘密の保護におけるルールが、今後大きく変わっていくということです。

競業避止義務は、もはや国内問題にとどまりません。世界的に注目が集まる中で、この条項は労働法、人材の流動性、そして企業が従業員と関わる方法にまで大きな影響を与えようとしています。

グローバル企業にとって、これは現実的な課題です。規制は地域ごとに異なり、施行のあり方にもばらつきがあるため、競業避止義務をめぐる対応は非常に複雑です。判断を一つ誤るだけで、金銭的損失にとどまらず、人材の確保、市場でのポジション、そして企業の評判すら危うくなる可能性があります。

ヨーロッパからアジア太平洋(APAC)、米国、中東に至るまで、競業避止義務を取り巻くルールは厳格化、変化、あるいは予期せぬかたちで進化を遂げつつあります。この流れに先んじて対応することは、もはや選択肢ではなく必須事項です。

本コラムでは、世界における競業避止義務の現状を解説します。グローバルな視点を持つすべてのリーダーが、ビジネスを守り、この複雑な状況を乗り越えるために必要な実践的インサイトをご紹介します。

 

競業避止義務の目的

競業避止義務は、企業の中核的なビジネス上の利益を守ることを目的としています。具体的には、企業秘密や顧客との関係、独自のノウハウを保護する役割を果たします。

また、従業員が退職後すぐに競合他社へ転職したり、競合となる事業を立ち上げたりすることを防ぐ効果もあります。

雇用主にとっては、不公正な競争から自社を守るための防御手段であり、一方で従業員にとっては、キャリアの選択肢を制限する要因にもなり得ます。

課題となるのは、保護と公正性のバランスをどう取るかという点です。特に国や地域によって競業避止義務の運用ルールが異なるグローバルな環境においては、その調整がより一層難しくなっています。

 

アメリカ合衆国:変わりゆく環境

アメリカでは長らく競業避止義務が一般的に利用されてきました。しかし、最近の連邦取引委員会(FTC)の動きにより、多くの従業員に対する競業避止条項が禁止されるなど、この状況は急速に変化しています。

カリフォルニア州のように、厳格な規制をすでに設けている州もあります。一方で、ニュージャージー州やニューヨーク州などは、現在これらの条項を制限する法律の検討を進めています。しかし、多くの州では依然として競業避止義務の執行は限定的です。

多国籍企業にとっては、これが大きな運用上の課題となっています。ある州で有効な契約が、別の州では無効になる可能性があるためです。

そのため、企業は契約の見直しを行い、機密保持契約などの代替的な保護策を準備しておく必要があります。

 

ヨーロッパ:複雑なパッチワークの状況

制限的契約条項に関して、ヨーロッパは国ごとに異なる複雑な状況を呈しています。

競業避止義務は一般的に認められていますが、厳格に規制されています。

  • 雇用主は正当な事業上の利益を示さなければなりません。広範かつ一般的な制限は認められにくいです。
  • 期間や地理的範囲は厳しく制限されており、多くの国では条項の有効期間を6〜12ヶ月に限定しています。
  • 補償はほとんどの国で義務付けられており、以前の給与の30%から100%の範囲で支払われることが多いです。
  • 裁判所は従業員に有利に解釈する傾向があり、不明瞭な点は雇用主に不利に扱われます。比例性が重要視されます。

・例えば、ドイツでは給与補償が50%未満の条項は無効となる可能性があります。
・オランダでは最近、最大1年の制限と厳格な執行手続きが導入されました。

  • 雇用主は契約終了前に従業員に通知し、執行理由を文書で示さなければなりません。

 

 

 

APAC(アジア太平洋地域):積極的な見直しと限定的な変化

APAC地域における競業避止義務の扱いは進化しつつありますが、国ごとに進展の速度は異なります。中でもオーストラリアは最も積極的で、制限や執行可能性の見直しが進められています。その他のAPAC諸国でも見直しが行われていますが、依然として比較的許容的な傾向が続いています。

複数のAPAC諸国で事業を展開する企業にとっては、慎重な契約設計が不可欠です。

労働法、文化的な期待、執行の慣行の違いがあるため、現地の専門知識が求められます。

 

中東および中南米:緩やかな進化

これに対し、中東および中南米における競業避止義務に関する法律は、より緩やかなペースで進化しているように見受けられます。

  • 企業にはある程度の柔軟性があるものの、包括的に執行可能であると安易に考えることはできません。
  • 条項が認められている場合でも、労働裁判所はその期間、適用範囲、補償内容について厳しく審査する可能性があります。
  • 高額なリスクを回避するためにも、現地の専門的なアドバイスが不可欠です。

 

■ 国際企業のための実践的ガイダンス

世界的に、規制当局は従業員に配慮した改革へと傾きつつあります。
国際的に展開する企業がこの変化を先取りするために取るべきステップを、以下にご紹介します。


■ 各国ごとの監査を実施する

事業を展開している各国・地域における競業避止契約をすべて見直します。
契約期間、適用範囲、補償内容を確認し、現地の規制に準拠しているかを検証してください。


■ 画一的な契約ではなく、地域ごとにカスタマイズする

競業避止条項は、各国の法律、文化的慣習、ビジネス環境を反映したものであるべきです。
国ごとに異なる対応が求められます。たとえば、ドイツで有効な条項が、オランダやフランスでは無効とされる可能性もあります。


■ 代替手段を検討する

ガーデンリーブ、機密保持条項、知的財産(IP)保護などは、有効な代替手段となることがあります。
これらの手法はグローバルに見て執行しやすい場合もありますが、導入にあたっては現地の専門家の助言を得ることが推奨されます。


■ 比例性を重視する

条項は、正当な事業利益を保護する一方で、従業員の自由を過度に制限しない内容でなければなりません。
過度に広範な制限は、執行不能となったり、企業の評判を損なうリスクがあります。


■ 適切な補償を提供する

補償が義務付けられている地域では、現地の基準を満たす水準で補償を提供する必要があります。
補償が不十分である場合、競業避止条項は無効と見なされる可能性があります。


■ 現地の専門知識を活用する

現地の知見を有するパートナーは、競業避止条項の管理やポリシーの適正な運用において非常に重要な存在です。
海外雇用代行(EOR)ソリューションを活用することで、リスクを軽減することも可能です。


■ 柔軟性を持ち、定期的に見直す

法制度は変化しています。契約も、それに応じて進化させなければなりません。
定期的な見直しにより、グローバルなベストプラクティスとの整合性を維持できます。

 

ケーススタディ:グローバルテック企業、複雑な法制度を乗り越え、事業利益を保護

ある米国拠点の多国籍テクノロジー企業は、最近ヨーロッパおよびAPAC(アジア太平洋)地域へ事業を拡大し、現地の人材チームを採用しました。

課題:
同社の米国契約は競業避止条項に大きく依存していました。しかし、ヨーロッパの規制当局は補償の支払いと比例性を求めており、APACの拠点では国ごとの労働法や文化的慣習の違いから契約内容の見直しが必要となりました。

解決策:
同社は、国際的な人事アドバイザリーおよびEOR(雇用代行)専門家を擁するパートナーと連携し、契約および従業員対応モデルを地域ごとに最適化しました。いくつかの条項は現地の法制度に従って調整され、他の条項についてはガーデンリーブや機密保持条項に置き換えられました。

結果:
従業員との関係を損なうことなく、知的財産の一貫した保護を実現しました。

 

最新情報を把握し、法令遵守を徹底し、主導権を握る

競業避止義務は、正しく使えば非常に強力なツールです。しかし、正確に運用されてこそ、その力を発揮します。

国際企業は今、複雑に入り組んだ各国の規制に直面しており、制限的契約条項の執行は予測が難しいものとなっています。成功の鍵は、単に条項を作成することではありません。現地法の遵守、比例性の確保、そして透明性が重要となります。

代替的な保護手段、明確な補償戦略、そして各国に合わせた契約設計により、リスクを抑えつつ中核的なビジネス利益を守ることが可能です。契約を定期的に監査し、見直し、地域ごとに最適化しているリーダーは、企業を守るだけでなく、従業員との信頼関係を築き、競争優位性を維持しています。

競業避止義務をめぐるグローバルな潮流は明らかです。規制は厳格化し、審査の目はより厳しくなり、リスクはこれまで以上に高まっています。
だからこそ、迅速な対応、現地の専門知識の活用、柔軟な契約戦略の導入が求められます。この複雑な状況の中でも、自信を持って対応していくためのカギとなるでしょう。

競業避止義務に関する国際的な理解は、もはや「知っておくと良い知識」ではありません。これは戦略的に不可欠な要素です。
常に情報をアップデートし、法令を遵守し、自社の人材と知的財産を守るために、今こそ主導権を握りましょう。

 

本コラムで提供する内容は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的助言と見なすべきものではありません。今後規制が変更されることがあり、情報が古くなる可能性があります。GoGlobalおよびその関連会社は、本コラムに含まれる情報に基づいて取った行動または取らなかった行動に対する責任は負いかねます。

このコラムを書いたプロフェッショナル

沖室 晃平

沖室 晃平
GoGlobal株式会社 代表取締役

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得意分野 人材採用、グローバル
対応エリア 全国
所在地 渋谷区

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