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人事制度は世につれ、人につれ-「組織構造と役割」

本連載は、みのり経営研究所のホームページで2007年10月から2008年7月まで全10回掲載したものです。15年以上前の提言が今もまだ、確実に該当していることが驚きです。今回は第5回と第6回です。前回お話しした基本要素のうちの二つ目と三つ目をご紹介しています。

「人事制度は世につれ、人につれ」

~これからの日本に必要な人事制度とは~

 

第5回 「組織構造と役割」

今回は二つ目の基本要素である、「経営戦略を支える組織構造/役割に根ざす」制度とは、具体的にはどのようなものなのかを考えてみましょう。

 

全社経営戦略を達成するためには、それに適した組織構造が必要となります。そのためには、組織を設計するときに、経営戦略を達成するための達成要因(クリティカル・サクセス・ファクター)を見極めて、それらを設計基準として、最適の構造を選択してゆきます。例えば、限られた分野の製品に特化して、その技術的強みでニッチ市場制覇を目指す戦略を取る会社では、技術部、営業部、製造部と言った機能別の組織を取る可能性があります。一方、製品ラインが多岐にわたり、海外を含む広範囲な地域をターゲットとしている会社では、製品別や地域別の事業部制を取る可能性があります。いずれにしろ、その経営戦略を達成するために最適と考えられる組織の入れ物が、こうして出来上がります。

 

しかし、入れ物が出来ただけで終わってしまっては、何にもなりません。ここからが、まさに戦略と人を結びつける部分となります。それは、この入れ物の中の一つ一つの役割を明確にしてゆくことです。

 

そして、ここで大切なことは、社長から末端の社員まで、戦略達成に向かってベクトルを合わせて役割をブレークダウンすることです。でも、昔のように、詳細に職務記述書を作ると言うことではありません。職務記述書は一昔前の、変化の遅かった時代のものです。環境変化の激しい現代では、この仕事をこういう風にやると言うような定義の仕方では、まったく追いついてはいけません。

 

それではどうしたら良いのでしょうか?それは、経営戦略達成に対して、どういう貢献をこの役割は期待されているのかという視点を持つということです。そして、その視点で役割を会社からの期待と言う形で定義するということです。その際に大切なことは、戦略と同じ中長期的な視点で、役割の全体をカバーし、かつ業務活動のような細かいレベルに陥らないように定義することです。そのためには、近年かなり浸透してきた、バランス・スコアカードのような考え方が大変有効です。財務業績だけでなく、顧客との関係、社内のプロセス、人材育成といった視点で各役割に期待する貢献を見て行けば、かなりの確率で役割の全体をカバーすることができます。そして、ここで一つ、私たちがほぼ20年の間、仕事・役割の定義をしてきた経験に基づいたヒントがあります。それは、貢献の数を7つ前後まで絞るということです。これで、業務活動の細かいレベルに陥ることを避けることができるのです。

 

たとえば、ある会社(X社)の営業課長という役割を考えて見ましょう。昔の職務記述書のように業務活動レベルでこの仕事を定義しようとすると、顧客訪問をする、プリゼンテーションを実施する、営業日報を作成する、部下の営業活動に同行する、以下数え切れないほどの項目が出てきてしまいます。これを、期待される貢献レベルで、4つの視点、7つ前後までの絞込みで定義してみましょう。もちろん、経営戦略・組織設計によりその役割は会社によって違いが有りますので、どこの営業課長もこうだということではありません。 例えば、X社の場合にはと言うことで見てみると、(1) 課の売上目標を達成する、(2) 課の利益を拡大する、(3) 顧客との良好な関係を構築する、(4) 新規顧客を開拓する、(5)工場の稼働率平準化に貢献する、(6)課の組織効率を向上させる、(7)部下を育成する、の7つの期待貢献項目で定義することが可能でした。 X社の経営戦略では、この7つで営業課長の役割の全体が押さえられたと言うことになります。その上、業務活動レベルではないので、これら7つに対するやり方は、この営業課長の創意工夫で、日々新たなやり方を実践することも可能です。

 

このように、活動レベルではない大きな概念で、期待される貢献を押さえてゆくことで、社長から末端の社員まで戦略達成に向かって一丸となって進んでゆく基盤ができます。

 

経営戦略を支えるための組織構造が生まれ、一つ一つの役割がどのように経営戦略達成のための貢献をするべきかを明確にする。そして、個々の制度、例えば給与制度や評価制度、登用制度等、全ての人事制度をこれらの役割を基盤として作り上げることによって、個々の制度が常に経営戦略を支えていると言うことが担保され安心することができます。

 

以上、前回と今回で、「経営と直結し、経営戦略の達成を支えてゆくことのできる」制度の具体像を見てきました。次回からは、2つ目のキーワーである、「社員が生き生きと気持ちよく働くことのできる環境を提供できる」制度の最初の基本要素である、「生き生きと働くための長期的なキャリアが見えている」制度とはどのようなものかについて考察します。

 

第6回 「長期的キャリア展望」

前回までは、これからの人事制度の一つ目のキーワードである、「経営と直結し、経営戦略の達成を支えてゆくことのできる」制度に関して、二つの要素から具体的に見てきました。

 

今回はもう一つのキーワードである、「社員が生き生きと気持ちよく働くことのできる環境を提供できる」制度の最初の基本要素である、「生き生きと働くための長期的なキャリアが見えている」制度とは、具体的にはどのようなものなのかを考えて見ましょう。

 

それは一言で言ってしまえば、長期人材育成方針に則ったキャリアプラン制度です。これは、社内にどのような役割があるのかがキャリアマップとして示されていて、社員はそれを見て自分の長期的なキャリアを描くことができ、会社はそれを見て、どのような人材をどれだけ採用し、どのような教育が必要で、どのように配置するのかを決定できる、社員のキャリアの全プロセスをカバーできる制度と言えます。

 

ここで中心的な役割を果たすのがキャリアマップと呼ばれるものです。キャリアマップとは役割の分布図です。横軸には、当社に存在するキャリアの分野、縦軸には、キャリアのレベルが示されています。マップの中には役割の箱があります。この箱の中には、その役割に期待されている貢献責任と、その貢献責任を全うするために必要とされる知識・スキル・経験が示されています。このキャリアマップでは、各箱を結びつける線がありません。通常、キャリアパスの図では、下からの矢印でどのような経路で上にあがってゆくかが示されているのが一般的です。しかし、価値観が多様化した現代では、どのような経路で自分のキャリアを考えるかは、社員一人ひとり違っても良いはずです。

そこで、敢えて線で結ばず、社員は自分のキャリアパスを描き、それを目指して研鑽に勤めることができるようにしています。企業規模によりキャリアマップの広がりは当然変わってきますが、幅広いキャリアを目指す社員にとっては、外部でのキャリアも視野に入れたキャリアパスを意識できるようになります。こうして、自分の人生を積極的に組み立ててゆくことが可能となり、生き生きと働くための源泉となります。

 

一方、会社としても、キャリアマップがあれば、短中長期の経営戦略・経営計画達成に必要な役割に就くべき人の質と量を明らかにすることが可能となります。現在の人員をキャリアマップの箱に当てはめ、社員情報を入れ込めば現在の当社の人材マップが出来上がってしまいます。この人材マップを人員計画に照らして、採用に必要な人員や質を明確にでき、その充足のための外部市場からの調達に一貫した方針で望めます。また、各社員に対しても、どのような教育が必要なのか、キャリアプランに基づくとどのようなローテーション計画となるのか、どこに誰を配置するべきなのか、すべてこの役割を基にしたキャリアマップが土台となって、整合性の有る人材活用が可能となります。

 

キャリアマップで社員は、社外の労働市場も含めた自分の長期的なキャリアを視野に入れて生き生きと働き、会社は経営戦略の達成に向かって必要な人材を必要なだけ採用、開発、配置し、長期的には業績を向上してゆくことになります。

 

以上、「生き生きと働くための長期的なキャリアが見えている」制度の具体像を見てきました。次回は、次の基本要素である、「やった仕事の全体がきちんと評価されて、気持ちよく働くことができる」制度とはどのようなものかについて考察します。

 

【キャリアマップ例】

  • 労務・賃金
  • 人事考課・目標管理
  • グローバル
  • その他

みのり経営研究所は、あなたの経営を一緒に考えます。

職務・役割を軸とした人事制度設計を中心に、25年以上のコンサルティング経験

齋藤 英子(サイトウ エイコ) 株式会社 みのり経営研究所 取締役

齋藤 英子
対応エリア 関東(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県)
所在地 港区

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