セクハラ対応:ジェンダー意識への気づきと行動変容
今月のコラム「セクハラ対応:ジェンダー意識への気づきと行動変容」
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ここ数年、企業のセクハラ対策が進む一方で、
「早期発見されセクハラ行為者に指導を行ったが、その後も同様の発言があり困っている」
「セクハラを意識するあまりコミュニケーションが減り、職場に活気がない」
と、困っている職場もあるようです。
これらの課題にはセクハラ後の指導に加え、行為者のジェンダー意識への働きかけや、新たに適切な行動を獲得するためのアプローチが有効と考えます。
まず、「セクハラ行為者に指導が行われたものの、同様の言動が見られる」場合には、行為者の性役割意識にアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)が影響している可能性があります。
例えば、『男性は強くあるべきだ』『女性は家庭を優先すべきだ』というような思い込みがそれに当たります。
性役割意識に無意識であるがゆえに、セクハラと指摘された言動についても悪気がなく、改善が難しいことが多いようです。
アンコンシャス・バイアスは、自分自身ではなかなか気づかないため、対話の中で気づきが得られるよう促し、結果として言動の変化へとつなげます。
次に「セクハラを意識しすぎて職場でのコミュニケーションが減る」場合には、行為者の行動が消極的となり、コミュニケーション不足から業務への支障が生じたり、チームとしてのパフォーマンスが低下したりすることが懸念されます。
そのため、不適切なコミュニケーションを放棄するだけでなく適切なコミュニケーションを新たに獲得し強化できるよう、好ましい言動にはポジティブなフィードバックを受け、そうでない言動はどのように改善するとよいかを他者と一緒に考えられるような対話型のサポートがあるとよいでしょう。
いずれの場合においても、他者からの客観的なアセスメントとフィードバックが必要であり、改善が見込まれる方法について仮説を立てた上で対応し、必要に応じて仮説の見直しやそれに基づく対応方法をアレンジするといった、見通しを持った対応が役立ちます。
また、好ましい行動を身に付けていく途中の段階では、行為者のコミュニケーションの変化に対し、周囲からネガティブな反応が出ることもあり、行為者がくじけそうになることも少なくありません。
好ましい行動が違和感なく実践でき、周囲にも受け入れられる段階に至るまで、継続的なサポートが求められます。
(コラボレーター 笠作鮎美)
- 安全衛生・メンタルヘルス
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公認心理師/臨床心理士/産業カウンセラー
【専門領域】人事支援、復職支援、働く人のメンタルヘルス
総合病院とEAP企業にて働く人のメンタルヘルス問題に従事したのち、現在は企業人事を支援する立場から、社員のメンタルヘルス不調や問題行動に対して、コンサルテーションや支援を行っている。
笠作 鮎美(カササク アユミ) コラボレーター
対応エリア | 関東(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県) |
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所在地 | 渋谷区 |
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