輝く新入社員の育て方 第3回
◆エルダー/メンター制度の落とし穴
新入社員へのOJTをフォローする役割として、若手社員を世話役に当てる制度があります。
それを「エルダー/メンター」、「ブラザー・シスター」、「OJTリーダー」などと呼んでいます。
年の近い先輩が多いので、話がしやすく職場に早くなじめ心のケアもしやすいといわれています。
しかし、エルダーを指名したあとは丸投げで、制度が失敗することもあります。
1.エルダーの心理的負担が大きすぎる
はりきって指導にあたるものの、なかなか成長せず自信を失い、ほかの業務にも悪い影響が出る。
2.新入社員とエルダーの関係性が悪い
自分の思うように成長してくれず、イライラが募り、必要以上に口出しをして信頼にヒビが入ってしまう。
3.悪い意味で同調してしまう
新入社員に迎合し、会社に対する悪口を言ったりするなどで、新入社員に甘えが生じ、成長を阻害する。
◆効果的にエルダー制度を機能させるために
エルダー制度導入にあたってのポイントをまとめておきます。
もちろん、直属上司、人事部門のバックアップを手厚くするようにしてください。
1.エルダーになることのメリットを明確に
早い段階で人の育成に関われることは、自分を成長させるチャンスであり、自分がマネジャーとなった暁には、この経験が非常に生きてくるということを伝えてください。
2.エルダーの使命は「新入社員を前向きにすること」
新入社員がなかなか育たない場合に、エルダーを責める企業がありますが、新入社員の成長の責任は、考課者である直属上司にあり、エルダーにあるのではありません。
まずは、わが社におけるエルダーの使命を明確にし、エルダーと直属上司で確認してください。
3.「教える」よりも、「聴く」ことを重視
隠れハングリーの新入社員は、素直な反面プライドが高く、一方的に指示されることを嫌います。
新入社員の声をまずじっくり最後まで聴き、意見は頭ごなしに否定しない。
すると受け入れてくれたと安心し、エルダーの言葉に耳を貸すようになります。
4.共通目標を追い求める関係性
例えば、「一ヵ月後に○○の業務をできるようになる」など、エルダーと新入社員で共通目標を持ち、一緒に取り組むことで、達成したときは両者とも達成感を得られ、モチベーションアップにつながるのです。
★今日のポイント★
相乗効果を上げるためのエルダー制度である。
新入社員とエルダー、将来を担う若者たち双方の成長につながる。
- キャリア開発
- リーダーシップ
- マネジメント
- ロジカルシンキング・課題解決
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「人が育つ組織づくり」のプロフェッショナルです。現場密着のコンサルティングと、実践型のリーダーシップトレーニングで、成果を創出します。
アメリカン・エキスプレスを経て現職。様々な業界に対してリーダーシップ教育及び現場変革コンサルティングの経験がある。営業部隊変革に定評がある。【著書】 『メモテク』(かんき出版)、『営業のプロが教えるすごい仕事術』(日本実業出版社:共著)
松井 達則(マツイ タツノリ) インストラクター
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