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3月対応
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春季団体交渉の実施
春季団体交渉(春闘)とは、毎年3月頃から各労働組合が歩調をそろえて賃上げなどを要求すること。同じ業界内の労働組合が団結して交渉することによって、影響力が高くなります。
主要業務
(1)春闘までの流れ
・1~3月にかけて、各ナショナルセンター(労働組合の全国中央組織。連合が最大の組織)が春闘要求の骨子を加入産業別組合と協議し、決定する。これを受け、2~3月にかけて産業別組合は加入企業別労働組合(企業組合)とともに大会、中央委員会などによって具体的な要求案を協議、決定する。
・その後、各企業組合のレベルで3月以降、同一日を指定し、それぞれの企業に対して要求書を提出し、交渉に入る。この同一日は「回答指定日」と呼ばれる。
(2)賃上げ交渉のスタート
・交渉のテーマが賃金というだけで、基本的な進め方は団体交渉の実務と変わらない。交渉に伴う業務は、大きく二つに分けることができる。
【1.会社としての賃金改革案の作成】
・当初、世間相場を重視する考えが強かったが、近年はそれぞれの企業の経営状態(支払い能力)を重視する考えにシフトし、人件費率(労働分配率)を考慮しながら、企業の自主的判断が求められるようになっている。
・採用難が続く中、初任給については世間相場や同業他社の動向を無視できない。そのため、上げ過ぎた分を各従業員層でどう配分するかも、同時に考えなければならない。
・賃金体系を構成する各部分に、どう賃上げ率を配分するのかを草案としてまとめ、交渉に臨む。
【2.組合側の要求に対する対応】
・組合側の対応も、団体交渉に伴う実務と同様である。予備交渉や非公式交渉の場面では担当者が出る場合もあるが、重要な局面では組合三役(委員長、副委員長、書記長)と、人事担当役員を含む人事部門幹部による交渉となる。担当者はその都度、指示を受けて資料作成や連絡に当たる。
第1回 | ・要求書の提出。 ・交渉に臨む会社の基本的考え方の提示(一般的経済状況、自社の業績上の問題点の説明と組合への要望など) |
第2回 | ・自社の経営状態の詳細な説明。 |
第3回 | ・賃上げと関連する物価動向、国民経済と整合性の賃上げ水準の説明、組合要求に対する懸念事項(問題点)の指摘。 |
第4回 | ・組合側の上部団体方針に基づく「平均賃上げ率」「産業別最低賃金」「個別賃金」「賃金体系内配分方針」等についての説明。 ・上記に対する、会社側の対案提示。 ・組合側による、さらなる改善要求。 |
第5回(集約) | ・会社側による、最終回答の提示。 ・組合側の了承。 |