社会保障にカフェテリアプランを取り入れる施策の具体化
6月25日のコラム「カフェテリアプランを活用した社会保障費抑制」の続編である。自民党が参院選前に打ち出した政策集「Jファイル」のなかに、以下のような社会保険給付の抑制案がある。
「持続性のある医療の実現」のためとして、「サービスを利用する高齢者の立場に立って、年金、医療、介護などのサービスを自らの状況に応じて適宜組み合わせ、総合的に利用できるように検討します。また、一部の医療保険者においては、壮・中年期における健康への自助努力をカフェテリアプラン(選択型福利厚生制度)により奨励する取り組みが広がってきており、国もその普及を図ります。」
自民党の選挙大勝によって、この施策が実現に向けて動きだす。従来の社会保険給付の抑制策は、給付対象の削減、自己負担の引き上げが主であった。保険料の負担増と相まって、国民に負担を強いるものであり、この手法はそろそろ限界とも言われている。一方、このたび政策として掲げれたものは、保険給付を受けないことに対してインセンティブを持たせようとするものである。すでにある事例としては、一部の健康保険組合では、健康増進活動に取り組んだ被保険者、医療機関にかからなかった被保険者に対してインセンティブとしてポイントを付与するところもある。今後はマイナンバー制の導入を前提に、社会保障給付額を個人管理することも可能となり、社会保障収支の個人管理も行いやすくなり、インセンティブ性を持たせた施策の導入もより容易になることが期待される。
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可児 俊信(カニ トシノブ) 株式会社ベネフィット・ワン ヒューマン・キャピタル研究所 所長 千葉商科大学会計大学院 教授
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