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次世代リーダーが育つ組織には何があるのか

次のリーダー候補が見えないと感じていませんか

「うちの社員は、もっと力を持っているはずなのに」
経営者の方、人事や教育担当部署の方、そして現場リーダーの方から、このような悩みをお聞きすることがあります。
真面目に働いている。任された仕事はきちんとこなしている。専門知識も少しずつ身についてきている。

それなのに、自分から課題を見つけるところまではいかない。
周囲を巻き込んで動かすところまではいかない。
会議では意見が出ず、結局いつも上司が決めている。
係長候補や職長候補として期待したい人はいるけれど、まだどこか任せ切れない。
そんなもどかしさを抱えている企業は、決して少なくありません。

もし今、次の管理職候補が見えない、若手・中堅社員の主体性を高めたい、研修をしても職場での行動が変わらないと感じているなら、このテーマはきっとお役に立てると思います。

人材育成の難しさは、知識を教えればすぐに人が変わるわけではないところにあります。
人は、正しいことを知っただけで動くわけではありません。
自分にもできると思えること、やってみる意味を感じること、失敗しても責められない安心感があること、仲間と一緒に取り組めること。
こうした条件が整ってはじめて、人は一歩を踏み出しやすくなります。

この課題は、製造業だけのものではありません

次世代リーダー育成というと、製造現場や工場のリーダー育成をイメージされる方もいるかもしれません。
しかし、この課題は製造業だけに限られたものではありません。
商社、設計開発、技術サービス、物流、食品、建設、営業部門、管理部門、研究開発部門など、チームで仕事を進めるあらゆる業種・部門に共通する課題です。

なぜなら、組織の成果は個人の知識や能力だけで決まるわけではないからです。
人と人が関わり、情報を共有し、考えをすり合わせ、問題を見つけ、改善し、次の行動につなげていく。
その流れを動かせる人がいるかどうかで、組織の活力は大きく変わります。
つまり、次世代リーダー育成とは、特定の業種だけの教育テーマではなく、経営を活性化するための重要な人材育成テーマなのです。

知識を教えても、人が動かない理由

多くの企業では、人材育成のためにさまざまな研修を行っています。
マネジメント研修、コミュニケーション研修、問題解決研修、5S研修、安全衛生教育、品質管理教育など、必要な知識を学ぶ機会は用意されています。
もちろん、知識は大切です。
リーダーとしての役割や考え方を理解することも、問題解決の手順を学ぶことも、職場を改善するための基礎になります。

しかし、ここに一つ大きな落とし穴があります。
知識を学んだだけでは、人はなかなか動き出さないということです。
研修の場では理解できた。資料もわかりやすかった。講義も納得できた。それでも職場に戻ると、いつもの忙しさに流されてしまう。

言いたいことがあっても言えない。改善した方がよいとわかっていても、周囲を巻き込む自信がない。結果として、学んだことが現場の行動に変わらない。このようなことは、多くの企業で起きています。

では、なぜ知識は行動につながりにくいのでしょうか。
それは、行動の背景には必ず“人の心理”があるからです。
人は、正論だけでは動きません。
理解していても、不安が強ければ動けません。
納得していても、職場の空気が悪ければ発言できません。
やった方がよいとわかっていても、仲間を巻き込む経験がなければ一歩が出ません。
だからこそ、人材育成では、知識の提供だけでなく、人が動き出すための心理的な土台を整える必要があります。

次世代リーダー研修で本当に育てるべき力

次世代リーダー研修で育てるべきものは、単なる知識量ではありません。
もちろん、知識は必要です。しかし、本当に育てたいのは、知識を使って人と関わり、チームを動かし、組織をより良い方向へ進めていく力です。

リーダーとは、肩書きだけで決まるものではありません。
周囲に良い影響を与える人。小さな違和感を見逃さない人。仲間と対話しながら、一歩前に進める人。自分だけで成果を出すのではなく、チームとして成果を出せる人。そうした人が増えていくことで、組織は少しずつ変わっていきます。

人材育成は、一度の研修で急に成果が出るものではありません。
だからこそ、本気で人を育てようとする企業ほど、継続的な育成の仕組みを大切にしています。
実際に、ある金属・樹脂加工業のお客様では、次世代リーダー育成を一過性の研修ではなく、長期的な人材育成の仕組みとして位置づけてきました。

研修を重ねる中で、最初は不安そうだった受講者が、仲間と課題に向き合い、発表し、実際の改善に挑戦する姿へと変わっていきます。
会社としても、その変化を人材育成の価値として実感していただいています。

研修初日の緊張に、組織の課題が表れる

研修の初日、受講者の表情には独特の硬さがあります。
「なぜ自分が選ばれたのだろう」「忙しいのに、長期間の研修に参加するのか」「リーダー研修といっても、何をするのだろう」「人前で話すのは得意ではない」「自分にリーダー役が務まるのだろうか」
そうした不安や緊張が、表情や姿勢、視線、声の小ささに表れます。

この緊張は、決して悪いものではありません。
むしろ、それだけ真剣に受け止めている証拠でもあります。
ただし、緊張が強すぎると、人は本来の力を出しにくくなります。

周囲の目が気になる。失敗したくない。変なことを言ってはいけない。そう思うほど、発言は少なくなり、行動も小さくなります。
これは研修の場だけでなく、職場でも同じです。
会議で発言が出ない。若手が相談しない。問題に気づいていても声に出さない。
こうした現象の背景には、「言っても大丈夫だろうか」という心理があります。

行動変容には、科学的な場づくりが必要です

受講者が安心して一歩を踏み出すためには、気合いや雰囲気だけでは足りません。
人が緊張する理由、人が安心する言葉、人が納得するプロセス、人が行動に移るきっかけを理解したうえで、場を設計する必要があります。
その背景には、認知心理学、行動科学、コーチング心理学、NLP、LABプロファイルなどの知見があります。

人は初めての場に入ると、無意識に「ここは安全か」「自分は評価されるのか」「失敗しても大丈夫なのか」を判断しています。
過度に緊張すると、学習よりも自己防衛が優先されます。
すると、発言は少なくなり、行動も小さくなります。
そこで、最初から難しい理論を詰め込むのではなく、共感、笑い、短い対話、小さな成功体験を組み合わせながら、心理的な安全感を少しずつ高めていきます。

たとえば、ある人は「自分から挑戦できる」と感じたときに動きやすくなります。
一方で、別の人は「目的や手順が見えた」ときに安心して動き出します。
人によって、動機づけの入り口は違います。
だからこそ、研修の冒頭では、勢いだけで「頑張りましょう」と進めるのではなく、研修の目的、進め方、得られるもの、安心して挑戦できる場であることを丁寧に伝えることが重要になります。

やがて、緊張していた人が少し笑う。
黙っていた人が小さくうなずく。
隣の人と話し始める。
短い一言でも、自分の考えを口にする。

この小さな変化が、研修全体の土台になります。
そして、この小さな一歩が、職場で周囲を巻き込み、問題を見つけ、改善を進めるリーダーとしての一歩につながっていきます。

すべての研修の中心にあるのは、“人”の成長

5S活動、なぜなぜ分析、問題解決訓練、現場改善実習、安全衛生教育、コミュニケーション研修、心理的安全性向上、そして次世代リーダー研修。
一見すると、それぞれ別々の研修に見えるかもしれません。
しかし、これらはすべて“人の成長”という一点でつながっています。

たとえば、5S活動は、単に整理・整頓・清掃を徹底するためだけのものではありません。
そこに、人に寄り添う科学、観察力、洞察力、対話、心理的安全性、チームビルディングの考え方を重ねることで、「新5S思考術」として発展させることができます。

職場をきれいにすることだけが目的ではありません。
見えるものを通じて、見えていなかった問題に気づく。
モノの置き方を通じて、仕事の流れを考える。
清掃を通じて、異常や違和感を発見する。
5Sは、人の観察力と改善力を育てる入り口にもなるのです。

なぜなぜ分析も同じです。
表面的に「なぜ?」を繰り返すだけでは、本質原因にはたどり着けません。
人はなぜ思い込みをするのか。
なぜ見えているはずの問題を見落とすのか。
なぜ言いにくいことを言えないのか。
なぜ対策が続かないのか。

そこには、認知心理学、メンタルモデル、対話、行動科学の視点が必要です。なぜなぜ分析は、単なる原因追及の手法ではありません。問題を深く見る人を育てる訓練でもあります。

テクニックだけでは、組織は変わらない

もちろん、5Sにも、なぜなぜ分析にも、問題解決にも、現場改善にも技術は必要です。
手順を学ぶこと、考え方を整理すること、フレームワークを理解することは大切です。

しかし、テクニックだけでは人は変わりません。
手順だけでは組織は動きません。
マニュアルだけでは、職場の空気は変わりません。
大切なのは、そのテクニックを使う“人”が育つことです。

問題解決訓練も、現場改善実習も、単に手順を覚えるためのものではありません。問題を見つける人を育てる。違和感に気づける人を育てる。仲間と考えられる人を育てる。自分から一歩踏み出せる人を育てる。

そうした成長があってはじめて、学んだ知識や技術は職場で活きるものになります。
研修の目的は、受講者に「知っていること」を増やすことだけではありません。
「使える力」に変え、「動ける自分」に気づいてもらうことです。

私が大切にしているのは、受講者を無理に「変えよう」とすることではありません。
その人が、自分の中にある可能性に気づく場をつくることです。
人は、押しつけられて変わるのではなく、自分で気づいたときに変わり始めます。
だからこそ、研修では知識を伝えるだけでなく、考える時間、対話する時間、試してみる時間、振り返る時間を大切にしています。

組織開発をベースにした人材育成だからカスタマイズできる

この考え方の土台には、組織開発をベースにした商品開発の経験があります。安全衛生、品質管理、問題解決、5S改善、心理的安全性、リーダー育成など、さまざまなテーマで研修や支援プログラムを開発してきた中で、常に問い続けてきたことがあります。

人はどうすれば気づくのか。
チームはどうすれば対話を始めるのか。
組織はどうすれば小さな違和感を改善につなげられるのか。
リーダーはどうすれば人の可能性を引き出せるのか。

この問いがあるからこそ、次世代リーダー研修は固定されたパッケージではありません。
業種、部門、職種、世代、階層、育成したい人材像に合わせてカスタマイズできます。

製造現場であれば、5S、安全、品質、生産性、現場改善に結びつけることができます。商社であれば、顧客対応、仕入先との関係、社内調整、部門間連携に結びつけることができます。設計開発部門であれば、技術者同士の対話、現場や営業とのすり合わせ、顧客ニーズの深掘りに活かすことができます。管理部門であれば、業務改善、情報共有、属人化の解消、制度運用に関わる対話力の向上に活かすことができます。

「うちの業種でも使えるのだろうか」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、人が学び、気づき、行動に移る原理原則は、業種が変わっても共通しています。
扱う題材は違っても、観察する、考える、対話する、巻き込む、やり切る、振り返るという成長のプロセスは変わりません。
だからこそ、その会社の課題に合わせて設計することで、幅広い業種・部門に展開することができます。

実践型研修で、主体性と行動変容を引き出す

特に大きな変化が生まれるのが、実践型の改善プログラムです。
製造現場であれば、実際の現場を観察し、問題を見つけ、改善策を考え、チームで形にしていきます。
設計開発部門であれば、業務フローや情報共有の問題を題材にできます。
商社であれば、顧客対応、部門間連携、見積・受発注・納期管理の流れを題材にできます。
管理部門であれば、手続きのムダ、情報の滞留、属人化した業務を題材にできます。

この実践の場では、受講者にほどよい緊張感が生まれます。
「本当に改善できるのか」「自分たちの考えは通用するのか」「相手に納得してもらえるのか」「限られた時間で成果を出せるのか」

この緊張感が、人を本気にします。行動科学の視点で見れば、人は自分にとって意味があり、少し背伸びが必要な課題に向き合ったとき、学習と成長が起こりやすくなります。
コーチング心理学の視点で見れば、自分で選び、自分で考え、自分で行動した経験が、自己効力感を高めます。「自分にもできるかもしれない」という感覚が生まれると、人は次の行動に踏み出しやすくなります。

そして、この経験は研修の場だけで終わるものではありません。
職場に戻ったとき、受講者は以前よりも少しだけ違う見方で仕事を見るようになります。

いつもの作業の中にあるムダに気づく。
会議で出なかった意見に気づく。
後輩の表情の変化に気づく。
小さな違和感をそのままにせず、誰かに話してみようと思う。
このような小さな行動の変化が、やがてチームの変化につながっていきます。

心理的安全性と成果を両立できるリーダーを育てる

次世代リーダーには、心理的安全性をつくる力も必要です。
心理的安全性とは、単に仲の良い職場という意味ではありません。

気づいたことを言えること。わからないことを質問できること。ミスや違和感を隠さず共有できること。より良くするために、率直に話し合えることです。

心理的安全性がある職場では、問題が早く見つかります。
改善のスピードも上がります。
人も育ちます。
一方で、心理的安全性が低い職場では、「言っても無駄だ」「怒られるかもしれない」「余計なことを言わない方がいい」という空気が生まれ、小さな違和感が埋もれていきます。

ただし、心理的安全性は甘さではありません。
安心して話せる空気をつくりながら、決めたことはやり切る。
相手を尊重しながら、必要なことは率直に伝える。
仲間を大切にしながら、成果にも向き合う。
このバランスを身につけることが、これからのリーダーには欠かせません。
人が育つ組織とは、ただ優しい組織ではありません。
人を大切にしながら、成果にも向き合える組織です。

 

 

人材育成が、組織風土と経営活性化につながる

次世代リーダーが育つと、組織には少しずつ変化が生まれます。

会議で意見が出るようになる。
部門間の連携がしやすくなる。
若手が相談しやすくなる。
問題を先送りせず、早めに話し合えるようになる。
現場や職場の改善が進みやすくなる。
上司と部下の間に対話が生まれる。
チームの中に「自分たちで変えていこう」という空気が生まれる。

この変化は、最初から大きな数字として見えるものではないかもしれません。しかし、組織にとって非常に大きな変化です。
なぜなら、組織文化は、日々の小さな行動の積み重ねでつくられるからです。

経営を活性化したいと考えたとき、制度や戦略、仕組みを整えることはもちろん大切です。

しかし、それを動かすのは人です。人が気づく。人が考える。人が対話する。人が仲間を巻き込む。人が行動を変える。
その積み重ねが、チームを変え、組織の空気を変え、経営の活力につながっていきます。人材育成は、単なる教育コストではありません。未来の組織をつくるための投資です。

まずは、自社の人材育成の課題を整理してみませんか

もし今、皆様の会社で、若手・中堅社員にもっと主体的に動いてほしい、係長候補・職長候補・課長候補を計画的に育てたい、部門を越えて協力できる人材を育てたい、現場改善や業務改善を組織全体に広げたい、心理的安全性と成果を両立できるリーダーを育てたい、知識研修は行っているが行動変容につながっていない、という悩みがあるなら、次世代リーダー研修は大きな意味を持つはずです。

貴社では、次のリーダー候補が安心して挑戦できる場はあるでしょうか。
若手・中堅社員が、自分の考えを言葉にし、仲間を巻き込み、実際の課題に向き合う機会はあるでしょうか。
研修で学んだことが、職場での行動変容につながる仕組みはあるでしょうか。もし少しでも課題を感じるなら、まずは現在の人材育成の状況を整理するところから始めてみてはいかがでしょうか。

テクニックを教える研修ではなく、人が育つ研修へ。
これは、単なるキャッチコピーではありません。
人を単なる労働力として見るのではなく、会社の未来をつくる大切な財産として見る。その人の中にある可能性を引き出し、職場で活かせる力に変えていく。

そのためには、知識だけでは足りません。
技術だけでも足りません。
観察力、洞察力、対話力、改善力、巻き込み力、心理的安全性をつくる力、そして自分で考え、学び続けるマインドが必要です。

人が変わると、チームが変わります。
チームが変わると、組織の空気が変わります。
そして、組織の空気が変わると、経営は静かに、しかし確実に動き始めます。

もし、次の時代を担うリーダーをどう育てるか、人の成長を経営の活性化につなげるにはどうすればよいかと悩んでいるなら、まずは貴社の現状や育てたい人材像をお聞かせください。
知識を教えるだけでは終わらない、実践と行動変容につながる次世代リーダー研修を、貴社の課題に合わせて一緒に考えていきます。

  • 参考になった
  • 共感できる
  • 実践したい
  • 考えさせられる
  • 理解しやすい

このコラムを書いたプロフェッショナル

坂田 和則

坂田 和則
マネジメントコンサルティング2部 部長 改善ファシリテーター・マスタートレーナー

問題/課題解決を現場目線から見つめ、クライアントが気付いている原因はもちろん、その背景にある奥深い原因やメンタルモデルも意識させ、問題/課題改善モチベーションを高めます。
その先の未来には、改善レジリエンスの高い人材が活躍します。

問題/課題解決を現場目線から見つめ、クライアントが気付いている原因はもちろん、その背景にある奥深い原因やメンタルモデルも意識させ、問題/課題改善モチベーションを高めます。
その先の未来には、改善レジリエンスの高い人材が活躍します。

得意分野 モチベーション・組織活性化、リーダーシップ、コーチング・ファシリテーション、コミュニケーション、ロジカルシンキング・課題解決
対応エリア 全国
所在地 港区

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