覚悟
人材紹介もスタートしたけど、いろいろお話しすると、キャリア形成について「知っていないなあ」という方が多いというのを実感する。
難しいことではないが、仕事選び、会社選びでどのような観点が必要か、転職をする際に留意することは何か、どうやって会社を選ぶか、どのような経路で就転職先を見つければいいのか。
能力や経験ではなく(それも大切だが、それは転職した後でもなんとかなるものでもある)、そういう就転職に必要な知識的なこと、決して面接のテクニックではなく、
仕事に対してどう考えたらいいのか、会社というものをどのように見たらいいのか、自分のキャリア形成(例えば3年後や5年後)をどのように考えて、何を目指したらいいのか、
そういったことが見えている、知っている方と、そうでない方は、ずいぶん違ってきてしまう。
ここは「気づけば大きく変わる」ところだ。人の能力は大きく違わないと思う。問題はスイッチが入るか入らないかで大きく変わってきてしまう。
逆に言えば、気づきさえすれば、人は変われる。
ちょっとしたことだけど、できるだけわかっているであろう人に会うとか、その人に誰かを紹介してもらうだとか、(人事の学校に来ていただくとか)、そういうところから見えてくるものはたくさんあって、
結局のところ、「ああ、そういうことなんだ」ということが見えている人は、自分の目標に近づく、一度や二度失敗しても結局はそれも糧にして、理想の自分に近づいていく、そんな気がする。
そして、結局人は誰を信頼するか、ということが見えていたら、それは「自分が知っている人から紹介された人」だったりするので、それは採用でも同様。そういう意味で、人のつながりは大切になる。
就活本も前に出して、まだ売っているけど、きっとさして売れていないのは、テクニックではない考え方、仕事への見方みたいなものの違いについて注目が薄いからかもしれない。
でも、パソコンができるからといって必ずしも就職できるわけではなく、また資格を持っているからといって必ずしも就職できたり仕事が来たりするわけではない。
でも結局採用担当者をはじめとする企業のわかっている人は、その人が「それまでどのような考え方で会社を選び」「どういう思いで仕事をして」「そして次の会社になにを求め」「その先に何を見ているか」ということをしっかり確認していると思う。
ここが漠然としている、整理されていない状態だと、「うちの会社でいいのか」という判断ができない、できないから採用できない、ということになってしまう。
そういうことって、普通の情報感度だと見えてこない。だから何が悪いのかわからない。で、うまくいかない・・・。ということになってしまうものだと思う。
そして、どういう仕事にせよ、どういう会社にせよ、一定の「覚悟」が必要だ。どのような覚悟が必要かは、どのような目標を持つかによって変わるが、それでも自分が想像しているイメージよりもより高いレベルの「覚悟」も必要だ。
そして勝負をかける一定期間(3年とか5年)については、少々しんどいことがあっても、夜眠れなくても、夜に毎日じんましんができても、がんばり通すことも大切だ。
逆に、3年から5年だ、という覚悟とその期限があれば、それまではがんばれる。ここが漠然としていると、結局、なんとなく「思ったことと違う」ということになってしまう。
当社の人材紹介では、キャンディデートの皆様に、そういったことを見つめていただく機会を作っていきたいと思う。
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人事で大切なことは、各論よりもまず全体像。全体が見えてこそ、効果のある人事施策が展開できます。
上場企業人事部長経験者でなければ知りえないさまざまな実体験を元に、企業の人事機能づくりから、制度構築・運用、採用基準策定と定着対策、教育体系づくり、労務管理・規程整備に至るまで、社員の成長を高めるための人事全般のアドバイスを行っています。
西尾 太(ニシオ フトシ) フォー・ノーツ株式会社 代表取締役社長
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